
パンフレットによるとこの作品は、ドニゼッティ作曲のベルカント・オペラの
最高傑作と言われるのだそうです。
オペラ初心者としては、ベルカント・オペラとは何?ここでもう引っかかる。
ググってみたら
”15世紀末から18世紀にかけてイタリアで発達し、19世紀前半のロッシーニオペラで
ほぼ完成の域に到達した、高度な歌唱装飾を伴う声楽歌唱の一様式”ということらしいです。
新国立劇場での上演は14年ぶりであり、しかも今回は、
モナコ公国・モンテカルロ歌劇場との共同による新制作なのだそうです。
兄エンリーコに恋人エルガルドとの仲を引き裂かれたルチアの悲劇。
言ってみれば、スコットランドを舞台にしたロミオとジュリエットか。
ルチア役は、ベルカントの新女王と言われるオルガ・ペレチャッコ。
本作の最大の聴き所は、絶望のあまり狂気に陥ったルチアが歌う「狂乱の場」。

オルガ・ペレチャッコのソプラノも素晴らしかったが
私が心惹かれたのは、その「狂乱の場」で演奏されたグラス・ハーモニカ。
フルートなどで代用されること多いこのシーンの音楽を
19世紀の作曲家の指示通り、グラス・ハーモニカで演奏したのだそうです。
ドイツのグラス・ハーモニカ奏者であるサシャ・レッケルトを呼び寄せて。
美しく透明に響き渡る、不思議な音色。
貴重なものを聴かせて頂きました。
サシャ・レッケルトによるグラス・ハーモニカの演奏、こんな感じです。