
ニューヨークに住む10歳の少年オギーは、顔の頬骨やアゴの骨が未発達のまま生まれ、
目が垂れ下がってしまう「トリーチャーコリンズ症候群」を抱えている。
幼い頃からずっと母イザベル(ジュリア・ロバーツ)と自宅学習をしてきたが
11歳になって初めて学校に行くことに。
両親が散々検討し、彼らが望む方針の持ち主である校長を頭とした、
こじんまりした私立の学校だが、そこにもやはり厳しい洗礼が待ち受けていた。
オギーは驚かれ、からかわれ、いじめられ、無視される。
何度もくじけかけるが、ありったけの知恵と勇気で立ち向かっていくうちに
周囲の子どもたちも少しずつ変わっていく…

決して軽いテーマではないのですが
ところどころにユーモアを散りばめ、ポップな曲と共に話は進んでいきます。
初めて友達ができたというような嬉しいシーンでは
宇宙飛行士が憧れというオギーはその姿となり、画面の中を飛び跳ねます。
或いはスター・ウォーズが大好きで、周りからオバケ扱いされる自分をチューバッカの姿に重ね、
空想で学校にチューバッカを出現させて、周りの反応を楽しみます。

あのジュリア・ロバーツが、少し肉厚になった体に地味なワンピースを着て
知的で愛情深い母親役を好演していることに驚きました。
「プリティ・ウーマン」の彼女ももう50歳なのですね。
手のかかる弟に両親を取られ、実は寂しい思いをしている姉のヴィラ、
ヴィラの暖かい家庭を羨むその友人ミランダなど色々な人物が出てきますが
基本的に悪い人は出て来ない。
息子ジュリアンがオギーをいじめたことを最後まで認めなかった、金持ちの親以外は。
学校という外の世界に自分の足で踏み出したオギーを、誰もが応援したくなる。
暖かく目を潤ませてくれる映画です。

トリーチャー・コリンズ症候群という病気の、名前だけは知っていました。
5万人に一人の割合で生まれる先天性顔面奇形疾患なのだそうです。
ベストセラーとなった児童小説「ワンダー」(R.J.パラシオ著)を元に
「ウォールフラワー」のスティーブン・チョボウスキーが監督・脚本。
「ワンダー 君は太陽」 http://wonder-movie.jp/
#welovegoo