Zooey's Diary

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「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅」

2019年06月12日 | 映画

ムンバイの貧困地域で生まれ育った青年アジャ(ダヌーシュ)は、母の遺灰と
パスポートと100ユーロの偽札だけを持って、一度も会ったことのない父を探しにパリを訪れる。
憧れの家具店に行き、宿代を浮かせようと店内のクローゼットに隠れて眠ったところ、
クローゼットごとロンドンに発送されてしまう。
次々と予想外の出来事に巻き込まれ、スペイン、イタリア、リビアを巡ることになる。


予告編を観た時から楽しみにしていました。
クローゼットから始まる旅なんてナルニア国物語を彷彿とさせ、
しかもインドからヨーロッパ、世界を廻るなんて、実に私好みの話ではありませんか。



しかし…
ファンタジーかと思いきや、移民局や刑務所などが出て来て、いきなりリアル。
リアルかと思いきや、話の整合性がまるで伴わない。
夢が溢れるお伽話に貧困、格差、難民といった社会問題を無理に詰め込んで
話が散漫になっている感じが否めません。
予告編のテンポの良さに比べて、本編は妙に間延びしてもいるのもちょっと残念。

一体どういう人が書いた話なのだろうと思ったら
国境警備隊の警部補であったフランス人ロマン・プエルトラスのベストセラー小説
「IKEAのタンスに閉じこめられたサドゥーの奇想天外な旅」が原作なのだそうです。
そうと知ると、ロンドンの移民局、バルセロナ空港の入国管理、トリポリの難民キャンプの
様子が妙に生々しいのも頷けます。
原題は「The Extraordinary Journey of the Fakir」、
fakir はイスラム教の修行者を意味するらしい。



インド映画にしては歌と踊りがないと思って観ていたら
ロンドンのお堅い入国管理官がいきなり歌って踊り出して驚きました。
ある意味ご都合主義の冒険談ではありますが、パリやローマの美しい街並みを舞台に
陽気なインド式映画を楽しむことができるとも言えます。
どう見てもIKEAであるパリの家具店を、フランス風の名前に変えたのは少々謎でした。


映画『クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』公式サイト
コメント (4)
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