「路上のX」桐野夏生
両親が突然失踪し、何不自由なく育ってきた女子高生真由は、叔父宅に預けられることになる。
しかし露骨に嫌がられ、居場所がなくなった彼女は、渋谷のラーメン店でバイトし、
ネットカフェやカラオケで夜を過ごすことに。
お金に困る彼女に次々に声をかけるのは、JKビジネスで儲けようとする大人たち。
貧困、援交、性的虐待、ネグレクト、レイプ、中絶。
本来なら社会が守ってあげるべき歳の女の子が、何の後ろ盾もなく、
心と身体から血を流しながら生きていく姿に、エールを送りたくなります。
しかし六畳間をカーテンで4つに仕切った”シェアハウス”なんてのが存在するとは知りませんでした。
両親が突然失踪し、何不自由なく育ってきた女子高生真由は、叔父宅に預けられることになる。
しかし露骨に嫌がられ、居場所がなくなった彼女は、渋谷のラーメン店でバイトし、
ネットカフェやカラオケで夜を過ごすことに。
お金に困る彼女に次々に声をかけるのは、JKビジネスで儲けようとする大人たち。
貧困、援交、性的虐待、ネグレクト、レイプ、中絶。
本来なら社会が守ってあげるべき歳の女の子が、何の後ろ盾もなく、
心と身体から血を流しながら生きていく姿に、エールを送りたくなります。
しかし六畳間をカーテンで4つに仕切った”シェアハウス”なんてのが存在するとは知りませんでした。
「ねこのおうち」柳美里
生まれたばかりの子猫を靴箱に入れて公園に捨てる女。
その子猫を拾ってニーコと名付け、親身の世話をして育てるお婆さん。
でもそのお婆さんは認知症になり、ニーコのことを忘れてしまった。
ニーコはまた公園に戻り、6匹の子猫を産んで懸命に育てるが、毒入り団子を食べてしまい…
その子猫たちを拾って育てた人々の様々な人生が混じり合う。
いじめに遭っている小学生、子供の時に両親に捨てられた青年、
妻を病気で失った男性、公園の野良猫たちを放っておけない町内会会長。
悲しい描写も多いが、これが現実なのだとも思います。
猫好き、ペット好きには号泣ものの作品。
何より、昔「命」シリーズを始め、プライバシーをさらけ出してヒリヒリするような私小説を書いていた柳美里が、
こうした優しい小説を書いたことに驚きました。