Zooey's Diary

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ゾンダーコマンドのこと

2020年08月17日 | 社会
昨夜のNHKスペシャルは「アウシュビッツ死者たちの告白」と題する、ゾンダーコマンドの特集番組でした。
”ガス室跡の地中から謎のメモが見つかった。最新技術で解読したところ、書いたのは同胞をガス室へ誘導する役割や死体処理などを担ったユダヤ人特殊部隊「ゾンダーコマンド」のメンバーだったことがわかった”
ゾンダーコマンドというのは収容所のユダヤ人の中から選ばれ、同胞を虐殺することに加担させられ、その膨大な死体を運搬、処理することを毎日課せられる部隊のことです。
ユダヤ人からは裏切り者とののしられ、しかも彼らもまた、数か月後には殺される運命にあった。
虐殺の証拠を消そうとするナチスにとっては、彼らは生かして置ける存在ではなかったのですね。
その彼らが必死に書きとめ、ガラス瓶に入れて地中に残したメモから、今になって詳細が分ったという訳です。


ゾンダーコマンドのことは、以前「サウルの息子」という映画を観て知っていました。
2015年のカンヌ国際映画祭でグランプリを取った、ゾンダーコマンドのサウルという男の一日を追った作品です。
あまりにも暗い内容、ぼやけた映像(追い詰められたサウルの精神状態を表していたのかもしれない)、セリフも説明もろくになく、ラストも私には理解しにくかったので感想も書かなかったのですが、そうした人たちがいたということだけにも、十分に打ちのめされたのでした。



普段能天気に暮らしている私ですが、終戦記念日の前後くらいはこうした番組を見てもいいと思っています。
でも昨夜のこの番組の裏に半沢直樹があったから、視聴率はどれだけのものか。
しかも全体に戦争を特集した番組の、なんて少ないこと。
かつてドイツに暮らしていた友人から、向うの終戦記念日には戦争がもっと身近になると聞いたことがあります。
ずいぶん前の話なので今はどうなっているのか知りませんが、こうした記事を見つけました。


”ドイツでは毎年の終戦の日だけでなく、ユダヤ人強制収容所開放日など、ことあるごとに首相や大統領が演説の中で戦争犯罪を反省し、過去との対決、歴史を伝えていくことの責任を述べます。外国人の私から見ると驚くほど頻繁に戦争に関するドキュメンタリーがテレビ放映され、ドイツのあちこちに戦争の傷跡が保存され、自国の犯罪を詳細に記録する施設の多くが無料で公開されています。悲劇を二度と繰り返さないために戦争の愚かさを伝えていく義務がある、という国をあげての強い意志が感じられます”


同じ敗戦国でも違うものですねえ。


アウシュビッツ死者たちの告白

「海外の終戦の日」



コメント (2)
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