リマはペルーの首都であり、その旧市街は世界遺産に登録されています。
広々としたアルマス広場の周りには、17世紀に建てられたサンフランシスコ教会や大統領府、リマ市庁舎などが整然と並んでいます。
でも私は本当は、こんな綺麗な所ばかりではなく、例えば「恥の壁」"Wall of Shame"に行ってみたかった。
80年代に造られた、富裕層と貧困層を隔てているという壁。
世界銀行の分析によると、ペルーでは2022年、人口の3分の1弱(30.1%)が貧困ライン以下の生活をしており、1人当たりGDPは1万5048ドルで世界95位。
上部に有刺鉄線を有する壁は治安上の懸念から作られたといい、不平等を物理的に象徴するだけでなく、貧困層がより賃金の高い仕事へのアクセスを妨げているのだと。
壁を挟んで一方は富裕層の住宅街、もう一方はスラム街。
壁はペルーの分断社会の象徴となっているのだそうです。
リンク先の記事は貧困層に同情的であるようですが
「こちらの住民はちゃんと土地を買って税金も払っている。でも向こう側は、不法占拠して税金も何も払っていない。不法占拠だとしてもその場所を10年占拠し続ければ、その土地の所有権を申請できる法律がある」という富裕層の不満も、分かるような気がします。
4年に及ぶ法廷闘争を経て、2023年、その一部が撤去されたそうですが…
世界中のあちこちに「壁」はあるのねえ。
このエラそうな2頭の犬はローカルガイドによると、「警察の野良犬」なのですって。
近くの警察が飼っているので、栄養も毛並みもよく、そこらの野良犬のボスなのだそうです。
犬にも格差社会が厳然と。
今回の旅行ではリマは、マチュピチュからイグアスに行くための乗り換え地点のような位置づけでした。
そんな街外れの危険な壁にまで行けるはずもなく、中心部の綺麗な所だけササッと見て、イグアス行の飛行機に乗り込んだのでした。
ペルーの首都リマで富裕層と貧困層を隔てる「恥の壁」が一部撤去