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Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

今週のタロウ

2015年03月08日 | 家庭
今日も冷たい雨です。
ここのところ週末の度に雨模様となり、ゴルフが趣味の夫は怒っていますが…
(今日もグリーンに出かけている)
この雨が春を連れて来るのでしょうね。
散歩に行けなくてくすぶっているタロウに、次男からのお土産、等身大(?)ラスカル。


数秒で片目を取られたラスカル。

タロウに人形を与えると
狂ったように喜ぶのですが
あっという間に破壊する。
目を取り、鼻をかじり、耳をちぎり、最後にはおなかから綿を出す。
それはもう凄まじい闘争本能です。



そのボロボロにした人形を咥えて家の中を移動する。
我々のベッドの布団をめくると
不具の人形がゴロゴロ出てきたりします。
タロウなりに可愛がっているのか。


両目を取られたラスカル。短い命でした。

まあ、インドの痩せこけた犬に比べたら
どれだけ恵まれた境遇だか。
タロウ、感謝したまえよ。
(自分にも言い聞かせる意味で…)

コメント (16)
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「アメリカン・スナイパー」

2015年03月06日 | 映画


アメリカ軍で最も強い狙撃手と呼ばれた、クリス・カイルの自叙伝を実写化したドラマ。
クリント・イーストウッド監督の最新作。
アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ所属のスナイパーであった彼は
160人もの敵を射殺して伝説の男と呼ばれるが、次第に心に傷を負って行く…

幼少時のクリスに狩猟の手ほどきをしながら、父親が言いいます。
お前は羊を守る牧羊犬たれと。
そしてクリスはその言葉を守るべく鍛錬を重ねて育ち、
家族を守るため、国を守るためにシールズの特訓にも耐え、イラク戦争に赴きます。



しかし現場はあまりにもむごい。
手榴弾やロケット砲を抱えていれば、それが10歳足らずの子どもであれ女であれ、
射殺しなければならない。
ほぼ無音楽の画面に、息遣いと銃弾の音だけがこれでもかと響く。
電気ドリルを密告者の子どもの頭に突っ込んで殺すなど残忍な敵兵が現れますが
イラク人からしてみれば、160人もの同胞を殺したクリスこそ
残酷極まりない殺人鬼でしょう。
どのみち、地獄でない戦争なんてないのでしょうから。



クリスが次第に心を病んでいくのも、当然と言えば当然のことです。
しかし、私はここで、とんでもない言葉を思い出してしまった。
朝日新聞の「銀の街から」に書かれていた澤木耕太郎氏の言葉。
"確かに戦場の惨たらしさ、帰還兵の困難さは描かれている。
しかしイーストウッドは、スナイパーという職人でもあり徹底した現場の人でも
あったカイルの半生を忠実に描いていくうちに、彼の心の底にある思いを無意識の
うちに掘り起こしてしまったのではなかったか。
その思いとは、そう、「だが戦争は楽しい」というものだ。
この映画が、アメリカ本国でイーストウッドの作品としては例のないヒットと
いうかたちで受け入れられたとすれば、それは観客がその表面には現れてこない微
かな気配に鋭く感応した結果であったように思える。
少なくとも私は、カイルが彼の言う「野蛮人」の頭や胸を正確に射貫いていくとき、
快感に似たものを覚えているのに気がつき、ハッとしたものだった。”

「だが戦争は楽しい」
聞いてはいけないものを聞いてしまった気分。
あの阿鼻叫喚の地獄絵図の中で、そんな言葉を使っていいのか。
しかし、認めたくはないがそれを完全に否定できないからこそ、
クリスも帰還後、あれほど苦しんだのではないか…



クリス・カイルはこの映画の製作中に亡くなられたそうです。
実に皮肉な方法で。
画面ではそのシーンは描かれず、簡単なテロップによって語られます。
その後の完全無音のエンドロールは、イーストウッド監督の鎮魂、黙祷の
メッセージだったのでしょうね。

http://wwws.warnerbros.co.jp/americansniper/
コメント (8)
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おれは守ってやれないからおまえが代わりに「ソウルメイト」

2015年03月03日 | 


馳星周といえば、歌舞伎町の中国人マフィアの血で血を洗う裏社会を書いた「不夜城」とか
出会い系サイトに嵌った主婦が暴力団に麻薬漬けにされていくのを書いた「M」とか
私はその二つを読んだだけで、自分とはもう無縁の作家だと思っていたのですが…
こんなに愛犬家だったなんて。

この本は、7種の犬にまつわる物語を集めた短編集です。
その中で私にもっとも印象的だったのは、ジャック・ラッセル・テリアの章。
ペットショップで可愛かったからというだけの理由で飼い始めたジャック・ラッセル犬を
どうにも制御できないと元妻に泣きつかれて
7才の息子、亮とその犬インディを短期間預かることになった康介。
離婚して以来、初めて息子に逢えた喜び。
亮に犬の躾け方を教えながら、自分の息子に触れ合えることができる喜び。
康介とその愛犬アンドレ、亮とインディとで野を駆け回ることができる喜び。
しかしそんな日々は長く続かず、亮とインディは妻の元に戻り、
康介は二度と逢えなくなってしまう。
康介にはそうされるだけの理由があって、父親に愛されたことがない彼は
息子が生まれた時その愛し方が分からず、家も息子も顧みずに遊びまわって
妻と亮を散々に傷つけたのです。
起こした会社も潰れ、家族もなくし、尾羽うち枯らして田舎に暮らす康介。
息子が愛しく思えるようになって後悔しても、時は既に遅し。
やがて愛犬アンドレも死んでしまい、息子と暮らした短い夏の日を思い出して涙する。

康介がインディにつぶやいた言葉。
「知ってるか、インディ?亮はおまえが大好きなんだぞ」
「亮を頼む。おれは守ってやれないから、おまえが代わりに亮を守ってくれ」
「頼んだぞ、インディ。おまえはジャック・ラッセルだ。
 小さな身体にライオンみたいな勇敢さを詰め込んだ犬だ。亮を守れるだろう?」



この本を読むと、著者がいかに犬を愛しているかがひしひしと伝わってきます。
虐待を受けた犬、3.11で置き去りにされた犬、癌に苦しむ犬、
読むのがつらいシーンもありますが…。
余命わずかのバーニーズ・マウンテン・ドッグの章、その最期の様子は
正に著者の最近の体験から書かれたらしい。
犬は確かにいつか死んでしまうのだけど
それでも無償の愛を捧げてくれる犬を、愛さずにはいられない。
誰にも言えないことも犬には言える。
誰にも見せられない姿も犬には見せられる。
何でも黙って受け止めてくれる、ソウルメイトだものね。
愛犬家にはたまらない一冊です。

「ソウルメイト」 http://tinyurl.com/ox729gs
コメント (2)
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