日本は神道の国でありながら、外来の仏教をどう受け止めたのでしょうか?
これを調べる前に、神教(神道)について調べてみました。
神道には、皇室神道、神社神道、教派神道、民間神道などがあります。
皇室神道は、言わずもがな天皇家の神道で、神社神道は氏子を中心とする組織的に祀るもので、教派神道は、教祖、開祖を祀るもので本来の神道とはことなりますが、民間神道は民族神道とも言われ、古くから民間で信仰されていたものです。
しかし、神道に言う神とは「八百万(やおよろず)の神」と言われる通り数多くの神があり、元々多神教です。
阿弥陀来迎図 神話の主人公 天照大神
多くの神は、人と同じように姿や人格を有する「人格神」であり、現世の人間に思考を与える「守護神」でもあると考えられています。
「神」は大別して
① 自然物や自然現象を神格化したもの。
② 思考、災いといった抽象的なものを神格化したもの。
③ 古代の指導者、有力者などを神格化したもの。
日本では①は一番古くからあり、③は現人神といわれましたが、昭和天皇が否定し、科学的に全く根拠のないものでありますが、神道にとっては天皇の存在がかなり重要であることも事実です。
しかし、今でも古くは、菅原道真の天満宮や近代には豊臣秀吉の豊国神社、徳川家康の東照宮もこの類です。
元々は、五穀豊穣を願っての自然界を恐れる、畏怖する気持ちが祈りに通じ、その自然を祀ることから始まりました。
現在も、神道とは、分からなくとも日本人の生活の中に浸み込んでいるものなのです。
従って、神道の本質は、区分から言えば、民間神道が元にあって、その上に神社神道が組織化されたものと思われますが、さらに「神」とは自然現象を神格化したものが妥当でしょう。
その中に「神話」で出てくる神々が生まれてきたものなのです。
ついでながら、古事記や日本書紀などにより語られる「高天原神話」(天孫降臨)などは、キリスト教の天地創造などと良く似ています。
神話は、なにも神が出てくるとは限りません。
多くの国にそれぞれの神話があります。 それぞれの国で根強く語り継がれ、日常の生活の中に生きているのです。
その中で日本に仏教が伝承されますが、この仏教を巧く取り入れ、神道と共有して、日本のオリジナリティな仏教が生まれてくるのです。