足らぬもの 翁は気付き 死力尽く 柏の下に 骸横たえる
■
Fannie Mae
【高橋是清再論】
高橋是清
米国の中央銀行にあたる連邦準備制度(FRB)が、
事実上の破綻状態(債務超過)に陥っているという
指摘が出ている。連銀は今年4月、銀行から企業や
個人への不動産担保の融資を増やして米経済をテコ
入れする目的で、最大113兆円の不動産担保債券を
ファニーメイ(米連邦住宅抵当公庫)など不動産金
融公社から買い取る計画を開始した。連銀は、現在
までに約90兆円前後の債券を買い取った(04/29)→
連銀の資産は90兆円ドル規模から180兆円規模へと
倍増し、連銀資産の不動産担保債券の割合は、昨年
の0.6%から、45%以上に増えた。
この債券の「質」である。米国の不動産市況は悪化
し続け、今後まだ底値になるまでに45%は下落する
と予測され(11/27)。ファニーメイなど不動産金融
公社の株はすでに無価値だと指摘されている。また、
G20 傘下の財務相会議である「金融安定委員会」(
Financial Stability Board、FSB)が、破綻した場合に世
界の金融システムに悪影響が出る米欧日など先進諸
国の30行の金融機関(24の大手銀行と6つの保険会
社→三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀
行、野村証券、バンカメ、シティグループ、ゴール
ドマンサックス、JPモルガンチェース、モルガン
スタンレーなど)をリストアップし、破綻した場合
にどう整理・清算するかを各行に決めさせる「遺言
状」(living wills)と通称される文書を作成させてい
るという(11/30)。
いまの円高は、独歩高で急激な円高の進行による輸
出産業は短期的に痛烈な打撃となるばかりか、中国
ロシア、インドの潜在的な経済成長パワーをバネに
欧米は経済の立て直し図りたいが、強豪の日本参入
を殺ぐにはドル下落に伴う円高は好都合で、野口悠
紀雄の「1ドル60円台でも不思議でない!『実質
』で分析する正しい為替の見方」(ダイヤモンドオ
ンライン)の為替レートの円安誘導をやめ日本経済
の構造を、円安なしの成長が可能なものに改革せよ
との主張は、プロセス論を抜いたスローガンに過ぎ
ないと思う。
野口悠紀雄
■
高橋是清(1854-1936)、江戸の生まれ。生後、3、4日
で仙台藩の足軽の家に里子に出され、また十四歳で
渡米して奴隷に売られるという若い頃から波乱に富
んだ人生を歩む。日銀総裁や大蔵大臣から首相まで
つとめた。国民からは「だるまさん」の愛称で呼ば
れ、日露戦争、昭和恐慌、世界大恐慌などを通じて、
何度も日本の国家的危機を救った稀代の政治家で、
「2.26事件」で軍の凶弾に倒れて非業の死をとげる。
官僚、キャリア組と異なり、渡米経験をもとに大蔵
省、文部省、専売特許所長などの役所勤めもしたが、
一方では、ペルー銀山の経営で失敗したり、日本銀
行の建築所事務主任を勤めるなど、若い時から波乱
万丈の経歴の持ち主だ。
川田小一郎
このような経歴の人物が、政府系銀行のトップに就
任することは、考え難いことが、日銀総裁に抜擢し
たのは、日本銀行・第3代総裁・川田小一郎。吉野俊
彦「歴代日本銀行総裁論」で、歴代総裁中もっとも
傑出した大総裁といわれた人物と評しているという。
明治32年3月に、副総裁として日銀に戻り、その後に
日銀の総裁にまで登り詰める。高橋是清は、横浜正
金銀行において海外為替業務の実務をものにしてい
た。そしてそのことが、日銀副総裁として日露戦争
の際の巨額な外債募集を行い、成功させることに大
きく貢献。 日露戦争は外国の借入金による際どい
勝利だったといわれている。
■
田中義一
次の大きな功績が、昭和恐慌の収束さにある。昭和
2(1927)年4月、昭和恐慌が深刻化した直只中で、若
槻内閣から田中義一内閣に変わった。その内閣発足
の当日の4月20日には、宮内省の金庫番といわれて
た十五銀行の突然閉店が引き金に、すべての銀行が
取り付けに見舞われ日本の金融制度は崩壊寸前まで
きた。紙幣の印刷も間に合わず、裏面が印刷されな
日銀券が発行されるという史上空前の異常な事態と
なる。4月21日、高橋蔵相は、各方面から情報を集
め、22日に緊急勅令による「モラトリアム」(支払
猶予令)を決定。これで金銭債務の支払いは、1日
五百円以下の支払いを除き、3週間(5月12日まで)延
期することが可能となる。高橋蔵相が緊急措置のモ
ラトリアムの効果は大きく、銀行の取り付け騒ぎは
一挙に沈静化したという。銀行の信用危機は回避さ
れて日本の銀行制度は崩壊を免れた。さらに、5月の
臨時議会で、日銀による5億円の特別融通及び損失
補償法と2億円の台銀救済法案を通し、金融動乱の
沈静化を見届けるや、後任に三土忠造を推して、6
月2日に大蔵大臣を辞任した。その在任はわずか42
日であった。
■
犬養毅
第3目の功績は公債政策による大恐慌からの脱出劇
だ。昭和6(1931)年12月13日に成立した犬養毅政
友会内閣で、高橋是清は再び大蔵大臣に就任。浜口
内閣が実施した金解禁政策から転換、金輸出の再禁
止を断行。高橋がかなり躊躇した兌換の停止措置も
12月17日に公布・実施。日本のケインズともいわれ
る高橋は、井上準之助前蔵相の緊縮経済政策とは全
く逆な経済政策に踏み切った。その1つが、景気浮
揚政策としての公債政策→この政策の基礎工作とし
て、昭和7年に3度にわたって日銀金利、公債、郵便
貯金の利率の引下げ→同年6月、兌換銀行券条例改正、
日銀券の保証発行限度額を1億2千万円から一挙に10
億円に引き上げ→同時に、金輸出再禁止後に為替相
場の下落による資本の海外への逃避防止の昭和7年7
月に資本逃避防止法を制定→公債発行で、巨額の軍
事費・時局匡救事業費を調達→日銀引受公債発行制
度を創設(これは深井英五が、「一石三鳥の妙手」
と評価)→インフレの悪化を防止、政府発注により
民間経済に刺激を与え景気を浮揚させるという効果
を狙い→インフレに転化しないうちに公債漸減政策
に切り替えるというものだ。
■
2.26事件
事実、昭和10(1935)年以後は、公債消化率は低下し
悪性インフレの兆候が見え始める(10年末の公債残
高は98億円に上り、「国債100億円」のラインを突破
する勢い)→公債漸減方針に切り替えて、昭和11年
度予算では軍事費を削り、公債発行を抑える方針を
とる→軍事費の増額を要求する軍部と激突→軍事費
の突出とともに、昭和11(1936)年2月26日早暁に起こ
った2.26事件で、反乱軍の凶弾に倒れる(→昭和10
年度予算で初めて10億円台に乗せた軍事費は、歯止
めを失った公債残高は逓増)。2.26事件により岡田
内閣が瓦解した後を受けて成立した広田内閣には、
かなり露骨な陸軍の圧力が加えられ馬場大蔵大臣は、
健全財政主義を放棄し、対満政策の遂行、国防の充
実のための財政膨張政策に踏み切るがその後、日本
は破滅への道を突き進むこととなった。このように
歴史を振り返るとき、高橋是清暗殺の原因となった
<富国強兵の限界>に相当するするものが何かを考え
最悪事態に備えておくことが(→国家戦略室)肝要
だと思う。
■
【エコでウェルなソーイチーズ】
家庭の経費を節減しなければならないが、ついつい、
夜更けまで調査研究や雑用を続けているが、夕食ま
でに眼精疲労の限界に達し、夕食後はアルコールで
癒しながら作業を続けている。そんな折、冷蔵庫の
プロセスチーズを取り出し、お気に入りのショット
グラスにウィスキーを注ぎゆっくと作業を続ける。
経験では2、3杯注ぎ込めば集中力と眠気のバラン
スが崩れ、寝所に上がる(そうでない場合もある)。
今夜も彼女から携帯が入る。「早く寝ろ」と。ワイ
ドターキーを飲み干し「そろゝ寝っか」。
※特許:P2006-238882
「大豆から製造されるプロセスチーズ」
ところで、大豆からチーズがつくれのか?それじゃ
ということで、特許などを検索する。ソーイチーズ
だ。豆乳からつくることもできるが、本格的商品開
発できれば、コレステロールのレベルを低下、癌細
胞、腫瘍細胞の抑制に効く?といわれるし、牛肉文
化は牛の飼育コスト、牛のげっぷ等の温暖化ガス排
出量から比べよりましだし、地域振興にもなる。し
かし、上記特許製法では、天然チーズを加える欠点
?を有すからここを改善し、福與かなソーイチーズ
が開発できれば面白い。
■
柏(学名:Quercus dentata)は、ブナ目ブナ科の落葉
中高木。英語では Japanese Emperor Oak, Kashiwa Oak,
Daimyo oak, chêne de Daimyo (フランス語) 。北海道
から九州までの温帯から暖帯にかけて生育する。痩
せた乾燥地でも生育することから、火山地帯や海岸
などに群落が見られることが多い。葉は大きく、縁
に沿って丸く大きな鋸歯があるのが特徴。ドングリ
はクヌギに似て丸く、殻斗とは先がとがって反り返
る包が密生する。秋に枯れた葉が春までついたまま
新芽が出るまでは落葉しない。語源は、柏の字の旁
の「白」は色の「しろ」ではなく、球果(松かさ状の
果実)をかたどった象形文字で、「柏」はヒノキ科
およびスギ科のさまざまな針葉樹を意味する。千葉
県柏市では、シイと共に市の木に指定されている。
不完全なことへの気づきとは、味無惨で、虚しい。
そんなことを<遊体分離>状態として詠む。名古屋市
以西では鶏肉のことを「カシワ」と呼ぶ事があるが、
これは地鶏の羽色が柏の葉の紅葉の色に似ているこ
とからこう呼ばれる。ブナ科の「カシワ」。花言葉
は「もてなし」「勇敢」。
■