ぶな林 越えて奥山 白樺の 太き根本の 熱き口吻
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【バイオエタノールの課題】
今年の総括の優先度は「現代神道運動の模索」が
トップにしなければならないのだが、スーパーエ
コシップ(『石蕗とエコシップのメッセージ』)
のエネルギー転換ロードマップの燃料電池用燃料
のメタノールと水素についてレビューしなければ
ならないと思い立つ。バイオエタノールの問題点
は、希薄エタノールの濃縮が効率的に整合性良く
行えことだと指摘されてきた。勿論、その前段に
植物繊維の分解→セルロース(30~50%)、ヘミ
セルロース(20~40%)、リグニン(10~20%)、
ペクチン(2~20%)、その他(10~20)から構
成のから、セルロース+ヘミセルロースの加水分
解物は発酵原料に転換できるが、木質素のリグニ
ンは醗酵を阻害する(→5-ヒドロキシメチルフ
ルフラール等のフラン化合物およびグアヤコール、
バリニン等のリグニン由来の種々のフェノール性
化合物等)ため、木材腐朽菌で加水分解し、水可
溶部を醗酵原料に転換することでクリアできる。
木材腐朽菌
最終商品のバイオエタノールとして市場に乗せる
には、百円/㍑以下にする必要があり工業的には
超臨界(亜臨界)処理による加水分解が有力視さ
れる。また、加水分解されたものをアルコール発
酵する技術は既に、京都大学の植田克美教室と月
桂冠で確立されており、後は、経済的条件をクリ
アする段階である。
特許:P2005-270056
「加水分解物中の発酵阻害物の除去方法」(日立造船)
特許:P2009-183249
「バイオエタノールの製造方法」(月桂冠)
問題の濃縮方法としては、浸透気化膜が実用化さ
れていて、分離膜にエタノール濃度センサを付与
し濃度を一定に保持し、膜の細孔を自動的に開閉
することで安定的に醗酵槽からエタノールを抜き
出すことができるのでこれも時間の問題で、採算
が合えば、3年程度で実用化されると考える。
※特許:P3821235
「エタノールの醗酵濃縮システム」
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【バイオメタノールの製造方法】
これに対し、メタノールはエタノールと比較して
メタノールの生産が現時点では主として天然ガス
など化石資源を原料としており、地球温暖化対策
という面では利点が乏しいからである。また、メ
タノールはエタノール以上に熱量が小さく、腐食
性が強い上に、揮発性が高く有毒物質である点も
問題となる。ガソリン代替燃料という観点から、
メタノールは、天然ガス、石炭あるいは酸素製鉄
排ガスから低コストで大量に製造可能である点で
エタノールよりも優れ、その毒性や揮発性もガソ
リンと比較すれば大きな問題とはいえない。バイ
オマスからメタンを効率的に生産することが可
能になったり、メタノールを効率的に生産できる
微生物が発見されるなど、バイオマスからのメタ
ノール生産が実用化されれば、メタノールもバイ
オ燃料として脚光を浴びる可能性があるという。
図 三菱重工業「バイオマスガス化メタノール製造システム」
エタノールもメタノール一長一短あり決め手に欠
けるところがあるが、メタノールには「バイオマ
スガス化工程」から「バイオ液体燃料」(Biomass
To Liquids)への応用連鎖が見込めるのが魅力だ(
→BTLはバイオマスから熱化学的変換であるガス
化にプロセスを経て水素と一酸化炭素の合成ガス
を得て、触媒存在下で反応させることにより、得
られる軽油代替となる液体燃料)。
図 横須賀市「バイオガス化実証試験結果」
【バイオ液体燃料の魅力】
バイオマスの改質により製造した合成ガスからFT
合成により脂肪族炭化水素を生産し、分解・異性
化して製造する。バイオマスのガス化プロセスで
は、バイオマスを常圧もしくは加圧条件で空気も
しくは酸素、水蒸気等の存在下での熱分解(数百
℃以上)によって合成ガスを得る。同様にガス化
を経由したガス化発電とは異なり、液体燃料合成
では生成ガスの制御(CH4、H2、CO等の混合比)や
ガス生成の高い要求基準を満たす必要がある。生
成ガスからの液体燃料合成は、H2 とCO を原料と
し、触媒を用いて炭化水素類を合成する。
図 ガス化・ガス精製・FT 合成触媒反応連結BTL システム
因みに、そのガス化とFT合成の反応式は次のよう
になる。
CXHYOZ + O2 + H2O → CO +CO2 + H2 + CaHb
nCO+(2n+1)H2 → CnH(2n+2)+nH2O
但し、FT 合成触媒は基本的にCo 系、Fe系、Ru 系
の三種類であり、商用プラントではCo系が用いら
れているが、コスト低減のためFe 系、CO転化率
向上のため Ru系触媒が研究されている。バイオマ
スからのBTL 燃料製造は技術開発段階にあり、ま
だ実用化されるにいたっていないが、天然ガスか
ら液体燃料を製造する商用プラントは既に実用化
しており、バイオマスを適正な組成でガス化でき
れば、これらの技術を用いて液体燃料を製造する
ことが可能となる。世界的には、コーレン社(C
HOREN、ドイツ)が、Daimler Chrysler、VW、Royal
DutchShell をパートナーとして、フライブルグに
世界最初のBTL 商業化プラントを建設している。
原料供給に関してはSaxony 州および地域の廃材会
社と長期契約が結ばれており、2008年4月には、木
質バイオマス実証プラント300BPD(エタノール換
算79 kL/日)が稼動した、と発表した。同社では、
中期的には、2012年頃には、バイオマス100万トン
/年から70 万kWh/日の電力と、4,000 BPD の BTL
燃料を生産するとしている。
Biokraftstoff
上記の合成ガスは、エタノール、水素、液体石油
ガス、DME(ジメチルエーテル)、ガソリン、メ
タノール、低級オレフィン、混合アルコール、 B
TL(軽油)として供給される。勿論、エタノールからも合
成できる。水素燃料とバイオ燃料電池についての考察
は次回に。
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むらさき大根(イタリア産)の収穫だ。早速、オ
リーブオイルで炒めストロベリー&ラズベリー酢
とガーリックチップのトッピングとちりめんじゃ
ことむらさき大根葉の煮物和えを食す。Buono !
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白樺(学名:Betula platyphylla var. japonica)は温帯
から亜寒帯地方に多く見られるカバノキ科の植物、
落葉樹の一種。樹皮が白いことからこの名がある。
別名、シラカバ。日本では福井県を西端、静岡県
を南端として北海道までの落葉広葉樹林帯と亜高
山帯下部に分布する。日本の高原を代表する木の
一つ。主に、長野県や北海道に多い。また日本の
シラカバの原種であるBetula platyphyllaとそれにご
く近縁にヨーロッパシラカバ Betula pendulaは、ア
ジア北東部・シベリア・ヨーロッパの広い範囲に
分布する。近縁種としてダケカンバがある。和名
の由来は、樹皮が白いこと、アイヌ語が起源のカ
ンバの木という意味である。シラカバという名称
は、シラカンバを省略したものである。
明るい場所を好み、成長が早いため、山火事や伐
採、山崩れなど何らかの理由で森林が消滅した場
合、そのあとに真っ先に生える樹木の一つである。
やがて、ブナなどの暗い場所を好む樹木にとって
代わられて、通常は一代限りで消えていく。秋に
は黄色く紅葉する。花期は春。風媒花で花粉症の
原因にもなる。ヨーロッパの各地では、五月祭に
シラカンバの葉や花で飾り付けたメイポール(M-
aypole)を広場に立て、その周りを踊りながら廻
るという風習がみられた。ロシアの民間療法で、
シラカンバに寄生するチャーガ(和名 カバノアナ
タケ、学名 Fuscoporia obliqua)というキノコを胃
腸の調子が悪い時にお茶のようにして飲む風習が
ある。ソルジェニーツィンの『ガン病棟』ではガ
ンの民間薬として書かれている。深山に生える「
シラカバ」。花言葉「あなたを待ちます」。
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