いつもとは 違う売れ行き 正月の 酒の準備に 外の千両
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「貧困ビジネス」大手、脱税容疑2億円 国税告発へ
-千葉、埼玉など首都圏を中心に生活保護受給者らに
宿泊施設を提供する「無料低額宿泊所」を運営する個
人事業者ら3人が、2007年までの数年間で総額約5億円
の所得を隠し、脱税したとして、名古屋国税局が所得
税法違反容疑で検察当局に告発する方針を固めた。路
上生活者らから生活保護費を吸い上げる「貧困ビジネ
ス」が社会問題化するなかで、脱税の実態が明らかに
なるのは初めてというが、「崩れているね、この国は」
というのが率直な感想。民間化(=資本・市場主義)
の成熟度もこの程度かと。
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François Quesney
【黄色い資本論】
「貨幣経済の行方」を考えていたら、多摩美術大学芸
術人類学研究所の中沢新一の連続講義する『黄色い資
本論(序論) ぼくらの重農主義』のレポートが掲載
されてた(「社会人研究生の奮闘記」)。フィジオクラ
シーとは重農主義。18世紀フランスの医師ケネーが創
設した人類初の体系的な経済思想。「フィジオ」は自
然であり「クラシー」は管理で「自然による管理」が
原義。近代経済学が捨象した人類の本質に関わる贈与
の再考(=近代経済学とマルクス主義経済学の土台に
ある等価交換という原理の懐疑)→贈与という交換方
法を再評価→再生と実践を目指す。「対称性人類学の
講義も2年半かかったが、今回の黄色い資本論は既存
の経済学を含めて、芸術、食、性など人間社会の現象
を根本的に再検討する試みとなるため、講義は4~5
年にわたるかもしれない」という。
John Law
生産と消費を除外して交換における限界効用を説いた
近代経済学、マーケット理論を欠如した剰余価値を社
会的必要労働時間に置き換えたマルクス経済の原理的
な欠陥を指摘(=生産→交換→消費→生産’循環に対
する全体構造へのアプローチ)。贈与交換は主に家族、
共同体のなかで行われ、贈与ではモノに人間の思いが
潜在的に付着し交換したAとBの間を行き交う。等価交
換の原型は、共同体から外れた人々が境界領域で物々
交換を行った市であり、モノに付着した人間の思いは
神仏の管理化に置かれ、やがて為政者が管理すること
になり、最後は需要と供給の限界効用という市場の原
理に委ねる。モノに付着した人間の心の思いなどは徹
底的に排除され、近代経済学もマルクス主義も近似す
る(→外化、疎外)。
Boisguilbert
フィジオクラシーは、生産、交換、消費という循環サ
イクルに、価値増殖をもたらす純粋な自然の贈与(純
生産→食糧)が流入。マルクスは自然からの流入を切
除し剰余価値生産を労働者の労働時間で説明する。フ
ィジオクラシーの原理は、潜在意識に依拠し行動する
ホモ・サピエンスの心の構造と合致し、将来の経済理
論を構築する土台だとする(→父(神)と子(イエス)
と聖霊(スピリッツ)などの三位一体モデル、心のト
ポロジーの構造であるトーラス、メビウスの帯、流動
する知性というモデル)。経済では資本の蓄積、利子
などの価値増殖が起こるが、その原理についてどう考
えるのかが鍵を握る(→ケネーの「フィジオクラシー」
との違い)。
Jacques Turgot
前半で、マルクスの労働価値説と近代経済学の批判→
外生的な力の取り込みと変換により増殖ると考える重
農主義(フィジオクラシー)の思想は、塞閉感が漂う
経済思想の意味を問い直し、後半は、フィジオクラシ
ーの構造から導きだされた貨幣論から芸術論、幸福論
などが展開、「方法的個人主義」に基礎を置く等価交
換の原理を超え、自然な形で公共性を導いて「見えな
い価値」の働きによる幸福を実現するなど、広範な領
域を横断する21世紀の新しい原理となる可能性を秘め
ていると評するが、「社会唯名論 vs. 社会実在論」の
様に、内なる外に出ることが可能か中沢新一の論考に
託される他ない。このことは「貨幣経済の行方」との
方向性で一致するものの? 政策として考察するには
時間がなく、独自に素描し政策に変換しなければなら
ないと諦めた(→リフレーション政策理論)。
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【燃料電池普及の前提は?】
燃料の水素を得るために、天然ガスや石油を原料と
している限り二酸化炭素は出るから<地球に優しい>
燃料電池用燃料には、身元が判明しているバイオマ
スアルコールならクリアしているので問題はない。
ただ、車を例に挙げて言えば、石油をガソリンにし
て動力として使うまでの燃料利用率-well to wheel (
油田からタイヤまで)-と水素を経由して燃料電池
車として駆動させる燃料利用率では理論上は燃料電
池を用いた方が良いという点で有効だ。しかし、燃
料電池の一番の利点は、個人宅で発電し、発電中に
発生した熱を温水・暖房等に利用できるため総合効
率は格段と向上する点だ。太陽光発電とペアで使え
れば、余剰発電で水素をつくり貯蔵し、これを太陽
光の非発電時間帯に燃料電池で発電すれば良い分け
となる。極論すれば、水素貯蔵と身元確かなバイオ
マス燃料の2つが揃わなければ燃料電池は普及させ
てはいけないと言える。
※酸素(O2)は、空気中にあるものを利用/水素(H2)
は都市ガスの原料である天然ガスなど取り出す。
【水素製造技術の現状】
NEDO当たりでの「オンサイト型水素製造」の開
発研究は、(1)化石燃料利用→水素分離膜型/炭
酸ガス分離膜型改質/オートサーマル改質の3つと
(2)持続可能エネルギー利用→固体高分子水電解
がある。
図 高効率水素製造隔膜技術開発
図 ホンダ水素製造・供給ステーション
※水素の製造について全般的に書かれている資料。
(平成13年度分野別技術戦略調査)報告書-NEDO
の技術情報データーベース
ート)-独立行政法人 工業所有権情報・研修館
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【電解イオン洗浄システム:
高橋金属制品(蘇州)有限公司】
長浜の企業が頑張っているニュース。技術そのもの
は広範に普及した電解イオン水で洗浄するもの(
【隠れた世界企業】サムスンも認めた洗浄力高橋金
属-地域経済洗浄中国電気分解環境電解イオン水メ
ーカー)。韓国サムスン電子などの電機大手から自
動車メーカーまで幅広い顧客を獲得。中国を皮切り
に、欧米やブラジルなどにも輸出し、新たな市場開
拓にも力を入れる。2009年11月下旬に中国広東省の
広州市で開かれた「広州モーターショー」。日本車
をはじめとする海外メーカーや中国の国内メーカー
が競うように出展し、「東京モーターショー」をし
のぐ活況を見せたという。在郷メーカの多国籍展開
ビジネスモデルとして要注目。
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センリョウ(千両、Sarcandra glabra (Thunb.) Nakai)は
センリョウ科の常緑小低木。林内に生育し、また冬
に赤い果実をつけ美しいので栽培される。東アジア
~インドに分布する。日本では南関東・東海地方~
九州・沖縄までの比較的暖かい常緑樹林下に自生し
ている。高さは50~100cm。葉は対生。花は黄緑色
で7~8月頃に咲き、茎の先に穂状花序をつくる。花
には花被がなく、雄しべは雌しべの側面から直接出
る変わった姿である。果実は液果で10月頃から赤く
熟し、翌年2月頃まで見られる。被子植物であるにも
かかわらず、維管束の木部は導管でなく、裸子植物
同様の仮導管から構成されている。花の構造の特殊
性と共に、この植物の原始性を表す特徴と考えられ
る。
不景気と日本酒離れと量販店の進出で、小さな酒屋
は苦境だと店先で代金の釣り銭を受ける手に、外の
千両が対照的にいつもと変わらず結実していると詠
う。特に名前がめでたいのでマンリョウ(万両)な
どとともに正月の縁起物とされる。赤い実を付ける
「センリョウ」。花言葉は「かれん」。