時雨れるも 光射さずも 石蕗は 艶輝やきて 吾を待ち咲く
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【スーパーエコシップ】
未来の夢を考えることは楽しかった。と、過去の様
にそんな想いになるのは自然なことだと思うが、日
本郵船「NYKスーパーエコシップ2030」を見ると
そんな陰鬱とした気分を吹き飛ばしてくれる。もう
少し欲をいえば建造素材をどうするかという点に、
目がいってしまう(→『木斛とキリマンジャロ』の
「国内木材使用促進法」)。
日本郵船では 2050 年のゼロエミッションを目指し、
中間地点である 2030 年のコンセプトシップを(株)
MTI、エロマティック社(フィンランド)、ガロー
ニデザイン(イタリア)と共同で構想。長期的な要
素技術の動向を検討し、当社が取り組むべき技術の
ロードマップを作成すると共に、港湾や物流の未来
を考えるきっかけにしたい、未来を担う若者に開発
研究や、船員の仕事に興味・関心を持ってもらいと
いと、このエコシップに『未来はつかみとるもの』
とのメッセージを込めている。
Theodore von Kármán
カルマン渦列
このプロジェクトの船舶推進抵抗低減技術に興味が
あり調べるがうぅ~ん難しいなぁ。船舶の省エネ対
策の①造波抵抗や②粘性圧力抵抗(形状抵抗)は十分
に低減しているが、実用上有効な低減技術が殆どな
い③摩擦抵抗の低減の解決策として以下の方法が検
討されている。
(1)マイクロバブル法→微細気泡を境界層内に供
給して摩擦抵抗を減らす。
(2)空気膜法→船底を薄い空気膜で覆うことによ
り摩擦抵抗を低減する。
(3)表面処理法→防汚機能を有し摩擦抵抗低減が
期待できる塗料として自己研磨型塗膜および撥
水性塗膜がある。
様々の実験結果から次のようなことが導き出せたと
いう。
(1)マイクロバブル法では摩擦抵抗低減は10~20%
程度、省エネ効果は最大3%程度確認。
(2)空気膜法で、抵抗が25%程度の低減を確認。
(3)表面の自己研磨型塗膜では、表面粗度経時変
化と摩擦抵抗低減関係が確認されたという。
三菱重工では「空気潤滑システム」と呼称している
が、送風機で送られた空気により船の前方から細か
い気泡を噴き出して船底を覆い、航行時の船体と海
水との摩擦を減らす。この技術を用いたモジュール
船は、同型船と比べて約10%も燃費が向上。重油の
消費を節約し、CO2の排出量も削減できるという。
※特許:P2008-18781
「船体摩擦抵抗低減装置」(三井造船)
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紅は うつろふものそ 橡の なれにし衣に なほ及かめやも
大伴家持
ツワブキ(石蕗、艶蕗、 学名:Farfugium japonicum、
シノニムFarfugium tussilagineum 、Ligularia tussilaginea )
とはキク科ツワブキ属の多年草。イシブキ、ツワと
もいう。ツワブキの名は、艶葉蕗(つやばぶき)、
つまり「艶のある葉のフキ」から転じたとされる。
日本では本州の福島県・石川県以西から四国、九州、
琉球諸島(大東諸島と魚釣島を除く)に、日本国外
では朝鮮半島、中国、台湾に分布する。低地から山
地の日陰や海岸に多い。多年草で、草丈は50cm程度。
地下に短い茎があり、地上には葉だけが出る。長い
葉柄を持ち、葉柄は大きく切れ込んだ葉身の中心に
つく。これらの点はフキによく似ている。その葉は
厚くて表面につやがあり、緑色が濃く、若いときに
は綿毛が多い。 石蕗料理
花期は10~11月。葉の間を抜けて花茎を伸ばし、そ
の先端に散房花序をつけ、直径5cm 程度の黄色い花
を数輪咲かせる。フキが夏緑性であるのに対してツ
ワブキは常緑性である。日陰でもよく育ち、園芸植
物として、日本庭園の石組みや木の根元などに好ま
れる。斑入りの葉を持つものもある。民間薬(生薬
名:たくご)として、茎と葉を打撲や火傷に用いる。
フキと同じように茎を食用とすることもあり、フキ
を原料にした煮物と同様に「キャラブキ」と呼ばれ
ることもある。津和野町の名前の由来は「石蕗の野」
であるという。日の当たりにくい裏庭に咲く花はま
るで彼女のようだと感謝して歌う。黄色の花の「ツ
ワブキ」。花言葉は「愛よよみがえれ」。
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