@KOBAのムービー!ムービー! 

映画感想のブログ!!
自分勝手な感想です!
このサイトはAmazonアソシエイトに参加しています!

『僕は君のために蝶になる』僕は香港映画を観続ける

2009-08-13 20:04:31 | 香港映画
僕は君のために蝶になる
蝴蝶飛 LINGER(2007年香港)
 監督 ジョニー・トゥ
 脚本 アイヴィ・ホー
 出演 ヴィック・チョウ、リー・ビンビン、ラム・シュー、ヤオ・ユン、ロイ・チョン

 ■ストーリー■
 ミスキャンパスとつき合っていたアトンと、エンジャは惹かれあい、交際を始めるのだった。しかし、ささいなコトが原因でケンカになり、ケンカ中、バイクに乗っていたアトンが事故に遭い死亡してしまうのだった。
 3年後、エンジャは法律事務所でアシスタントとして働いていたが、未だ交通事故のトラウマから抜けれず、精神科医にカウンセリングのため通院していた。そんなある日、幽霊になったアトンがエンジャの前に現れるのだった。

 ■感想■
 ジョニー・トゥ監督の恋愛ファンタジー。 
 出演は台湾のアイドルF4のヴィック・チョウ。『ドラゴン・スクワッド』(05年)のリー・ビンビン。
 
 さすが、さすが香港映画!
 アトンが、ミスキャンパスの恋人がいるにも関わらず、今作のヒロイン、エンジャとつき合いだして、ささいなことでケンカをして交通事故でアトンが死んでしまい、その後、3年後エンジャが法律事務所で働きだすまで、わずか冒頭5分です!!5分でここまでの展開!!
 精神科医のカウンセリングを受け続けていてトラウマから抜けれず精神が病んでいるのを描くまであと3分!!ここまでで8分!!
 ハリウッドも見習って欲しい!!恋愛映画が嫌いな映画ファンでも思わず引き込まれる冒頭からの10分!!すごすぎ!!

 香港映画にとって、そんなの普通なんですけど、やっぱり久しぶりに香港映画を観ると感動しちゃいます!
 アンディ・ラウ、チャーリー・ヤンの『愛と死の間で』(05年)
 セシリア・チャン、ラウ・チンワンの『忘れえぬ想い』(03年)
 等々、コメディでないマジメな恋愛映画なのに、恋愛映画が好きじゃない自分も、ドンドン画面に引き込まれる冒頭からの導入部!!

 今作は恋愛映画なのかな??って思って観ていると、全然、そんな様子にならない・・・。そう、今作はエンジャが立ち直るまでの物語だったのです。そんなマジメな内容なのに、なぜか、死んだ人間が幽霊になって現れる展開!!それもアトンだけじゃなく、白バイ警官の幽霊まで。
 導入部からの展開は良かったのですが、そのあとの展開がダラダラした感じに・・・。アトンの幽霊が出てきて昔に行ったりするのに、なぜかファンタジー色は薄いです。

 ヴィック・チョウやリー・ビンビンのファンだったらそれなりに楽しめるんでしょうけど、恋愛映画やマジメな映画が苦手な@KOBAには、ちょっとだけ長かったかも。ランニングタイム88分なんで長く無いんですけどね。

 ジョニー・トゥ監督、アンディ・ラウ、サミー・チェン主演の『イエスタデイ、ワンスモア』(04年)はコメディタッチで進んでいって、最後、なぜか感動作になっちゃう少しマジメな作品でしたけど、今作は、『イエスタデイ、ワンスモア』よりもっともっともっとマジメにした感じの作品って印象です。

 自分は香港映画なら苦手な恋愛映画やマジメな作品でも観続けます!
 でも、今作は自分にとっては、かなりマジメ!マジメすぎかも!55点

僕は君のために蝶になる デラックス版 [DVD]

ジェネオン エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る


ジョニー・トゥ監督の感動作『イエスタデイ、ワンスモア
イエスタデイ、ワンスモア [DVD]

キングレコード

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ブラッド・ブラザース 天堂口』

2009-06-27 21:43:12 | 香港映画
ブラッド・ブラザース 天堂口
天堂口 BLOOD BROTHERS(2007年香港)
 監督 アレクシ・タン
 脚本 アレクシ・タン
    ジアン・ダン
    トニー・チャン
 出演 ダニエル・ウー、スー・チー、チャン・チェン、トニー・ヤン、リウ・イエ

 ■ストーリー■
 フォンは幼馴染のスーチェンを故郷に残し、兄弟同然に育ったシャオフー、シャオフーの兄弟で腕っ節の強いターカンの3人で大都会を目指し上海に働きに出るのだった。給仕になるために出たフォンとシャオフーだったが車引きの仕事しかなかった。2人は、ある日、ターカンの働くナイトクラブ“天国”に出かけ、そこで歌手のルルを見かけるのだった。フォンはルルの魅力に好きになるが、ルルは香港の大物ホンの女だった。町でルルを見かけたフォンはホンに関わらないよう忠告を受けるのだった。しかし、ターカンが受けた仕事のせいで、裏の仕事に手を染めるようになっていくのだった。

 □■□ネタバレあり!□■□
 ■感想■
 ジョン・ウー製作の1920~30年代の上海を舞台にしたノワールアクション。 
 時代がハッキリといつか出てきませんけど、上海のフランス租界が出てくるので1930年代なんでしょうね。
 
 香港映画お得意のノワール物かと観ていたら、しっかりと作ってあって重厚な作品でした。ランニングタイムが95分とエンターテイメント作品として、いつもの香港映画なみの長さですけど、さすが香港映画、まるでTVシリーズを観ているかのようなヴォリュームでした。ハリウッドで近作をリメイクしたら160分くらいになっちゃうんでしょうねぇ。
 こういう作品を観る観客は、「同じようなジャンルの作品を他で観ているから説明いらないでしょ」という理由からか、余計なシーンは無くしてドンドンとストーリーが進んでいきます!!
 例えば、後半、弟のシャオフーが兄のカータンに捕らえられて、次のシーンでは遺体になってるとか!
 ハリウッドだったら、延々とシャオフーが痛めつけられるシーンとかを描いちゃうんでしょうね。香港映画の傑作ノワールアクション『インファナル・アフェア』(02年)が101分なのに、ハリウッドで『ディパーテッド』(06年)としてリメイクされたら、なんと152分になっちゃいましたもんね。
 101分が152分に!!
 なんでもかんでも説明しすぎで、余計なシーンありまくりでしたもんね。

 
 今作はそれでも、ジョニー・トゥ監督の『ザ・ミッション非情の掟』(99年)ほどアクション映画ファン以外を突き放すでもなく、適度にギャング映画ファン以外も楽しめるようになってます。
 それにしても、ストーリーもめまぐるしく展開して面白く観れました!本当にTVシリーズを観ているかのような印象を受けちゃいました。1番悪党チックなホンが途中で退場しちゃったりとかまぁ、それでも最近のアクション映画では特に驚く展開でもないですけど、こういう1930年代を舞台にしたオーソドックスなギャング映画だと新鮮に思えてきちゃいます。
 香港映画ファン以外にも観て欲しい作品です!ギャング映画ファンも必見!!68点
 

ブラッド・ブラザーズ-天堂口- [DVD]

エスピーオー

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『カルマ震える記憶』カルマ完結編

2009-04-22 22:23:23 | 香港映画
カルマ震える記憶
心寒 SHIVER(2003年香港)
 監督 ビリー・チュン
 脚本 ポール・チュン・シンイェン
 製作 ダニエル・ラム
 出演 フランシス・ン、アテナ・チュウ、ニック・チュン、ティファニー・リー、パトリック・タン

 ■ストーリー■
 非番の刑事チャンは、離婚寸前の妻のサミーといるとき、街中で逃走する武装強盗団と遭遇してしまい、妻が止めるのも聞かずに逃走する犯人たちと銃撃戦を始めてしまうのだった。しかし銃撃戦の流れ弾がサミーの頭に当り、サミーは昏睡状態に陥ってしまうのだった。3週間後、サミーは奇跡的に昏睡状態から目覚めるが、それ以降、幽霊や殺人現場の幻覚を見る様になってしまうのだった。最初、ただの幻覚と思っていたサミーだったが、TVのニュースを見て、自分が見た幻覚が実際に起きた競輪選手ひざ下を切り取られて殺された事件のことだったと知るのだった。サミーは、幽霊の件や事件を幻覚で見たことを夫に伝えるが信じてもらえなかったが、しかし、その後もサミーは事件現場や幽霊を幻覚で見続けるのだった…。

 □■□ネタバレあり!!□■□
 ■感想■
 フランシス・ン、アテナ・チュウ主演のオカルト系サスペンス映画。
 最初、刑事物と思わせる白昼の銃撃戦の冒頭シーンから、幽霊や殺人現場を幻覚で見えるヒロインを主人公にしたオカルト物の展開になり、中盤から後半にかけて、思わぬ展開になるオカルト映画です!!(「オカルト映画」ファン向けで無いので要注意!!)
思わぬ展開!!余りの展開にビックリ!ビックリ!ビックリ!良い意味で驚かされました!!
 
 「えーっ!オカルト映画じゃ無かったの??」
 観てて、思わず叫んじゃいました!それも余りの面白い展開で、ついウレシくて、ニタニタしながら叫んじゃいました!
 実は、冒頭のフランシス・ンが武装強盗犯と銃撃戦を繰り広げるあたりで、今作って実はアクション映画??って思わせる雰囲気をだしているんですけどね。でも本当に、刑事が主人公のサスペンス映画だとは思いもしませんでした。
 普通は、幽霊が見えてしまうヒロインが主人公だと思いますよね!こういうダマシは、好きですよ!
 
 「さすが香港映画!!

 やっぱり、香港映画には、オカルト映画より、アクション映画が似合います!
 
 こんな“超”のつくような荒業のストーリー展開の作品を劇場用の長編映画のストーリーで実際にやってしまうとは!!
 やっぱり、香港映画は最高です!!今作の展開と雰囲気が1番近い作品といえば、やはり香港映画のラウ・チンワン、レオン・カーワイ主演、リンゴ・ラム監督のサスペンス映画『ヴィクティム』(99年)でしょう!!
 『ヴィクティム』も、ホラー映画と思わせる展開で、実は…っていうところが本作にほとんど同じ展開ですからね!!(←これって超ネタバレでした!すいません)

 今作のヒロインが、幽霊が見えるからってタイトルに“カルマ”ってつけたポニー・キャニオンも素晴らしいです!!自分は、こういうセンス大好きです!!
 もう「カルマ」の完結編として認めちゃいます!カルマのシリーズ(日本で勝手につけたシリーズですけど…)の中で1番スキです!

 こういう面白い作品でも、今作は知名度が低いから香港映画ファンにしか観られていないんでしょうねぇ、多分!自分も、今まで今作の存在を知りませんでした。ビデオ屋で、香港映画コーナーで見てて偶然気がついたんですよね。
 でも、ホラー映画なんだろうなぁ。香港映画のホラー映画って苦手なんだよなぁ。って思って観たんで、このストーリーにはうれしくなっちゃいました。香港映画ファン以外にも、ミステリー映画ファンや、サスペンス映画ファンにもぜひ観て欲しい作品です!! 75点

カルマ 震える記憶 [DVD]

ファインフィルムズ

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『インブジブル・ターゲット』80年代風ノワールを!!

2008-12-23 00:33:51 | 香港映画

インブジブル・ターゲット
男児本色 INVISIBLE TARGET(2007年香港)
 監督          ベニー・チャン
 脚本          ベニー・チャン
              メロディー・ルイ
              ラム・リン
 出演          ニコラス・ツェー
              ショーン・ユー
              ジェイシー・チェン
              ウー・ジン
              アンディ・ウォン
              サム・リー

 ■ストーリー■
 白昼、現金輸送車を爆破して現金を奪う事件が発生した。爆発の巻き添えでチャン刑事の婚約者は死んでしまうのだった。半年後、暴力的な捜査をするフォン警部補は不審なワゴン車の職務質問をして、逆に襲われ部下の警官に多数の重傷者を出してしまうのだった。ワゴン車に乗っていたのは、半年前、現金輸送車を襲ったグループだったのだ。一方、警官のワイ巡査は、行方不明の警官の兄タツが、現金輸送車を襲った犯罪者のグループの一味ではないかと疑われていたのだった。犯罪者のグループを追う3名の警察官たちは、捜査のため、お互いに協力していくのだった。

 ■感想■
 『香港国際警察NEW POLICE STORY』(2004年)のベニー・チャン監督の描く香港アクション映画。
 
 ベニー・チャン監督といえば、その他にも『ヒロイック・デュオ 英雄捜査線』(2003年)、『ディバージェンス 運命の交差点』(2005年)といった香港ノワールのアクション映画の佳作を撮り続けてます。

 日本公開した作品を観て思うところ、ベニー・チャン監督は、何人かの登場人物を中心にストーリーを展開していくことが好きなのか、今作でも主人公3人と敵側2人を中心に描いていきます。
 アクション映画では無いですけど『プロジェクトBB』(2006年)もジャッキー・チェン、ルイス・クー、マイケル・ホイと3人組の主人公を描いていました!
 
 
 ニコラス・ツェー、ショーン・ユーと並んで、ジャッキー・チェンの息子ジェイシーがヒーロー側のキャラクターの1人として登場しますが、他の2人に比べて、今一、インパクトが弱いです!   
 
 復讐心に燃える刑事ニコラス・ツェー!
 暴力的な警部補ショーン・ユー!
 2人の登場人物の設定が目立つ設定になのに比べて、ジェイシー・チェンのキャラクターは、兄の無実を信じるマジメな警官っていう設定なんでインパクトが弱いんですけどね。

 白昼、街の真ん中で爆弾を使う強盗団も、冒頭では、かなり目立ってましたけど、本格的なストーリーが始まる前に、いつのまにか3名の仲間が死んでるし、黒幕がいたり、その黒幕に裏切られたりと、登場したときの印象とは別に、ストーリーが進むにつれて小物感が漂ってきちゃいます!!
 
 「なぜ??なぜ??なぜ??」
 
 「黒幕がいる」設定なんかいらなかったのに!!また強盗の1人が、そんなに極悪じゃなかったりして、「なぜ??」な設定がてんこ盛り!!
 凶悪な強盗は、最初から最後まで凶悪な方が観ていて面白いのに!!

 今作の印象を言うと、1980年代風の香港ノワールアクションを、たくさんの爆発シーンやアクションを入れて、今の俳優を出演させて仕上げています!!
 ニコラス・ツェーや、ショーン・ユー、ジェイシー・チェンといった若手の俳優が出ていなかったらいつの作品か分からないくらいな雰囲気になってます!!
 ハデな爆発シーンと言えば、最後の警察署の爆発シーンの数々!
 あれじゃ、犯人も主人公たちもただじゃすまないでしょ!下手したら生きてないです!!でも、主人公たちはピンピン生きてるあたりもいかにも香港映画です。 60点 

インビジブル・ターゲット DTS コレクターズ・エディション(2枚組) [DVD]Happinet(SB)(D)このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『スカイ・オブ・ラブ』皆既月食の彼方へ

2008-11-19 23:59:55 | 香港映画

スカイ・オブ・ラブ
愛、断了線 SKY OF LOVE(2003年香港)
 監督          タン・ファータオ
 脚本          ミン・ユエ
 出演          ジジ・リョン
              ケン・チュウ
              トン・ダーウェイ

 ■ストーリー■
 1981年春、先輩のウェンにあこがれるシャオジャーは、成り行きで壊れたアマチュア無線機を持ち帰ることに。皆既月食の日に、偶然無線機からジャーフェイという若者の声を拾うのだった。それ以降、ジャーフェイと交信するシャオジャーは、彼が同じ大学に通っていることを知るのだった。意気投合した2人は会う約束をし、2人はお互いに待ち合わせ場所に行くもののなぜか会えなかった。そして、あるとき、ジャーフェイが2002年の人間だと知るのだった。
 
 ■感想■
 F4のケン・チュウと『ターンレフトターンライト』(2002年)のジジ・リョン主演の恋愛映画。
 
 未来の人間と無線を通じて会話をすることが出来るようになった女子大生の恋愛を描いています!!
 
 って、今作は韓国映画『リメンバー・ミー』(2000年)のリメイクです!!
 日本でも吹石一恵主演で『時の香り リメンバー・ミー』(2001年)としてリメイクされています!!
 自分はオリジナル版もリメイク版も観ていないので、今作で初めて、このストーリーを観るので、けっこう楽しめました。
 今作がリメイクとは知らなかったので、てっきりジム・カヴィーゼル、デニス・クェイド主演の2000年のSF映画『オーロラの彼方へ』が元ネタになっていると思って観ていました。
 その後、記事にするので調べたら、今作が韓国映画のリメイクと知ってビックリしちゃいました!!
 
 今作は『オーロラの彼方へ』が元ネタじゃないんで、連続殺人鬼も出てこないし、歴史が変わることも無いです!!

 1981年と2002年の世界をちゃんと変えて撮っているんですよね!2002年は画面が明るく、1981年はいかにも20年前に見えるように!!
 オリジナル版もそうだったら何とも言えないですけど、こういう細かいところも好きです!香港映画。
 
 恋愛映画は、香港映画以外ではほとんど観ないですけど、やっぱり香港映画は良いですね!恋愛映画に興味無い人間が観ても、ちゃんと楽しんで観れるように映画を作ってくれますから!
 それに今作はランニングタイムが90分と、ちゃんとエンターテイメント作品にぴったりの時間に収めています!!意味も無く長くダラダラした作品は観てるのが大変ですからね!!

 香港映画好きな映画ファンにはモチロン、普通の恋愛映画ファンが観ても十分楽しめるはず!!変な風にグチャグチャしないところも観てて好感が持てます!!1981年と2002年と21年の時間差があるんで、あんまりグチャグチャになりそうも無いですけどね!!
 でも21歳くらい年齢の差があるカップルって、実際にはけっこういたりしますもんね。年齢差のある恋愛映画といえば、マーク・バーンズ、リン・フレデリック出演のスペインのSF映画『熱愛』っていう作品もありましたね。

 今作をハリウッドでリメイクを作ったら、せいぜい時間差が5年くらいの差で、完全な恋愛映画にしちゃうんでしょうね!!
 香港映画ファンで見逃している映画ファンには必見の1本です。  50点 

F4 Film Collection スカイ・オブ・ラブ 特別版 (初回限定豪華BOX仕様)ワーナー・ホーム・ビデオこのアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『人肉燈籠』レオン・カーファイ主演ホラーコメディ

2008-10-09 00:01:16 | 香港映画

人肉燈籠
人皮灯篭 GHOST LANTERN(1993年香港)
 監督          アンドリュウ・ラウ
 脚本          アンドリュウ・ラウ
 製作          ウォン・ジン
 出演          レオン・カーファイ
              チンミー・ヤウ
              ロイ・チョン

 ■ストーリー■
 古代の中国の伝説では「茅山術(ぼうさん術)」という呪いでは、人の生皮で燈籠を作ると、相手の魂を永遠に閉じ込めると言われていた。実際に作った人もおり、この伝説は、あながち噂では無かった。
 組織のボス、ホンの怒りを買い腹心の部下フェイは殺され「不運の穴」に埋められるのだった。「不運の穴」に埋められた人間は、生まれ変わっても不幸な人生をおくると言われていた。また、ホンは思いを寄せていたフェイの恋人ヨンを殺してヨンの生皮でランプを作るのだった。このランプの灯が消えない限り、ヨンは生まれ変わることが出来なかいため、フェイとヨンの2人は永遠に会うことが出来ないのだった。
 
 時が移り現代、生まれ変わったフェイは、左手が不自由で生まれ、また何をやってもついていない人生を送り、チンピラになっていた。またフェイはチンピラをやりながら刑事コンのタレコミ屋になっていた。そんなとき、香港に組織の大物、ホンが帰ってきたことによって抗争が起き始めるのだった。フェイの入っている組織とホンの組織が劇場で争いが起き、フェイは絶体絶命のピンチに陥ってしまうが、そのとき、女性の幽霊に助けられるのだった。

 ■感想■
 レオン・カーファイ主演のホラーコメディ。
 日本版のタイトルからしてアンソニー・ウォン主演の残酷系ホラー『八仙飯店之人肉饅頭』(1993年)のような系列の作品かと思ったんですけど、良く観たら製作年度が今作の方が1年早かったです。
 スタッフ、キャストは監督がアンドリュウ・ラウ、製作がウォン・ジン、主演がレオン・カーファイ、ロイ・チョンといった1流の作品でした。
 
 香港の漢字題も“人皮灯篭”だから、日本版タイトルの『人肉燈籠』もそのまんまなんですけど、タイトルに「人肉」ってつくんで、てっきりもっともっとおどろおどろしい作品かと思っちゃいました。

 ホラーとはいえ、コメディ映画なんで「笑える」映画になってます!!
 コン刑事の母親が、コン刑事のデート中に幽霊になって現れるシーンとかは、大爆笑でした。なんか飲み物でも口に入れていたら、思わず吹き出しちゃうくらいです!!
 
 その他にも緊張感がまるっきり無しのお笑いのシーンがいくつも用意されてます。中盤からは、とうとう「これって『ゴッド・ギャンブラー ツインズ大作戦』(2002年)だったっけ??」みたいな展開に!!
 『ゴッド・ギャンブラー ツインズ大作戦』も製作がウォン・ジンだから同じネタを使ったってコトですね!!
 
 どこが『ゴッド・ギャンブラー ツインズ大作戦』なのかは、両作品を観て見比べて下さい!!
 面白さが2倍に感じれるはず!!
 本当に、これってホラーだったけ??みたいな感じで進むんですけど、でも、そこは香港映画なんで、後半の展開は油断は出来ない作品になっていきます。
 
 最後までコメディタッチなハッピーな感じで進むのかと思いきや、最後はちゃんとホラー映画らしくまとめています。
 でも、本当に悲しいラストです!!(ネタバレすいません)
 ホラー映画っていうより、悲恋映画みたいです。
 
 「なんで最後はこうまとめちゃうの??」って、突っ込みたくなるようなラストの展開です!!         
 ハリウッドだったら考えられない展開です。これだから香港映画は止められないです!!
 
 香港映画のホラー映画系のアクション映画『幽霊刑事』(2001年)を観たときも、ラスト5分の展開に「えっ!何が起きたの??」って呆然としましたけど、今作のラストもかなりのモノです。
 ラストに行くまでの展開が最初の方からずっとコメディタッチだったんで、ラストの悲劇的な展開がより一層、際立っちゃいます!!
 
 この日本版のタイトルに引かないで香港映画ファンにはどんどん観て欲しい1本です!!香港エンターテイメント映画ファン必見の1本です!!まぁ、スタッフとキャストを観ればそんなコト言わなくてもみなさん観てるんでしょうけど、自分はパッケージにだまされて観ていませんでした!

 とにかく、こういう10年以上前の香港映画のエンターテイメント作品が、DVD化されてリリースされていくのはウレシイですよね!!どんどん香港映画の未公開の作品をソフト化していって欲しいですね! 65点   

人肉燈籠アートポートこのアイテムの詳細を見る


今作を観たあとに観るとより一層笑えます!!

ゴッドギャンブラー ツインズ大作戦ビデオメーカーこのアイテムの詳細を見る


今作とはまるっきり関係無いですけど、ラストが展開が香港映画の力を見せつけます!!

幽霊刑事フルメディアこのアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ぼくの最後の恋人』飲みすぎに注意!

2008-08-02 22:07:57 | 香港映画

ぼくの最後の恋人
千杯不酔 DRINK、DRANK、DRUNK(2006年香港)
 監督          デレク・イー(イー・トンシン)
 脚本          デレク・イー(イー・トンシン)
 出演          ミリアム・ヨン
              ダニエル・ウー
              アレックス・フォン
              ヴィンセント・コック
              テレンス・イン

 ■ストーリー■
 ミス酒豪と呼ばれているファン・シウマンはビールのキャンペーンガール!店の店主や界隈を仕切るボスとも仲良くやっていた。ある日、彼女は、酔いつぶれたイケメン、マイケルを声をかけたがキッカケで家に連れ帰るのだった。
 マイケルは、街中にあるフランスレストランのオーナーシェフだったが もうからずに借金のかたに店を閉めるところだった。かねてからカフェをやりたがっていたシウマンは、借金を肩代わりして、昼は「カフェ」、夜は「レストラン」として2人でやっていくことにするのだった。

 □■□ネタバレあり!□■□
 
 
■感想■
 イー・トンシン監督の描くラブコメディ。
 出演は、『風雲!格闘王』(2003年)、『Mr.BOO!花嫁の父』(2004年)のミリアム・ヨンと、『ワンナイトインモンコック』(2004年)でもイー・トンシン監督作に出演したダニエル・ウー。
 
 イー・トンシン監督といえば恋愛映画『つきせぬ想い』(1993年)、『忘れえぬ想い』(2003年)や、ノワール『ワンナイトインモンコック』を監督したり、ホラー映画『カルマ』(2000年)の脚本まで、色んなジャンルで名作に関わっている監督なんで、一体どんな内容の作品を撮るんだろう??
 って思って今作を観たら、ごくごく普通の香港のラブコメディでした。それもかなりベタなコメディでした!
 香港映画の監督だから、色んなジャンルの作品を撮るのが普通なんですけどね。

 ミリアム・ヨンが画面に登場してきたとたん、ライトバンから降りてくるところのシーンで“転ぶ”というベタなギャグシーンが!!そんなシーン、映画で今さらやること無いと思っていたんで、思わず笑っちゃいました!!
 ヒロインの設定もいくら飲んでも酔わない「ミス酒豪」って何ッ!!
 冒頭、店でムリにキャンペーンガール仲間に「飲め」とか言ってる客に、彼女から「一緒に飲みましょう」とか言って、さっそく次のシーンがゲロ吐きシーン!!
 本当に香港映画ってゲロを吐くシーンが好きですよね!
 今作では、ていねいにも、ゲロを掃除するシーンまで用意されてますからね!!

 恋愛映画は一切観ない自分ですけど、香港映画だけは別です!
 観てる人を楽しませようという精神にあふれてますからね!!恋愛映画でも、ゲロをはいたりしちゃいますからね。

 それに、やっぱりイー・トンシン監督なんで、ラブコメディとはいえ展開が後半、かなりドラチックになってます!!主人公たちが知り合って、案の定、付き合いだしてからの展開が長い、長い!
 ミリアムのことが好きだったアレックス・フォンとのことも、すぐに解決しちゃいます!!普通の作品だったらこういうコトが事件になるんですけどね。
 今作の場合は、フランスから来たダニエル・ウーの友人が、2人の店にやってきたり、ダニエル・ウーが大手レストランに引き抜かれたりと、色んな事件が起きすぎ!!
 まるで、TVシリーズを観てるみたいな印象になるほど!!
 
 普通だったら、主人公たちがイジを張ったり、ケンカしたり、恋のライバルが登場したりっていう展開で、最後はやっぱりハッピーエンドって感じなのに、今作ときたら、大手レストランに引き抜かれる一件で、さっさと2人は別れちゃうんだから、ビックリ!!

 このあと展開はどうなるの??と思っていると、最後はハッピーエンド!!
 でもそこは、香港映画なんで、簡単にハッピーエンドにしないで、2人は別れて終りみたいな展開も、十分に考えられますから、けっこう心配になっちゃいました!! 60点

ぼくの最後の恋人ジェネオン エンタテインメントこのアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『妄想 diary』オキサイド・パン監督サスペンス。

2008-07-20 11:24:10 | 香港映画

妄想 diary
妄想 DIARY(2006年香港)
 監督          オキサイド・パン
 脚本          オキサイド・パン
              パク・シン・パン
 出演          シャーリーン・チョイ
              ショーン・ユー
              イサベラ・リョン

 ■ストーリー■
 恋人のセンクワンと別れたロン・ウィンナは、街でセンクワンとそっくりな男性を見かけ人違いで声をかけてしまうのだった。友人にアドバイスされセンクワンのことは忘れて、その男性に勇気をもって声をかけたのだった。その男性はワイホウという名前の男だった。ウィンナはレイホウを呼び出し食事に誘い、関係を持つのだった。ウィンナの話では、前の恋人センクワンは交通事故で死んでしまったと言うのだった。2人はつきあい始めるが、ある日、ウィンナは「センクワンが病気で死んでしまった」というのを聞き、以前に聞いた話と違うことに気づくのだった。


 ■感想■
 人気アイドルユニット「TWINS」の1人シャーリーン・チョイ、ショーン・ユー主演のサスペンス映画。
 アイドルが出演してても、いわゆるアイドル映画にならない香港映画!
 当たり前なんですけど、ちゃんとした劇場映画になってます!!
 
 シャーリーン・チョイは、もう出演した作品で日本公開した(DVDスルー含みますけど)作品で主な作品だけでも、タイトルあげたらいくつもあります!
 『ツインズ・エフェクト』(2003年)
 『ツインズ・エフェクト2 花都大戦』(2004年)
 『ツインローズ』(2004年)
 『新世紀Mr.BOO!ホイさま カミさま ホトケさま』(2004年)
 『6AM』(2004年)
 『ドラゴンプロジェクト』(2005年)
 『愛と死の間で』(2005年)
 『プロジェクトBB』(2006年)等々あるんで、こんなに出演作があるんだから、もうアイドルじゃなくて、「女優」さんですね。
 今度8月に公開される『カンフーダンク』(2008年)にも出演してます!!

 監督、脚本は『レイン』(2000年)、『the EYE【アイ】』(2002年)、『アブノーマル・ビューティ』(2004年)のオキサイド・パンです。
 『レイン』や『the EYE【アイ】』のインパクトが強かったオキサイド・パン監督ですけど、今作を観ると、ごくごく普通のサスペンス映画が得意な普通の監督にしかみえないです。
 アクション映画を撮ることが多い香港映画界では、こういうサスペンス映画を撮り続ける監督っていうだけで珍しいんでしょうけどね。
 オキサイド・パン監督作では、アーロン・クォック主演の“C+偵探 THE DETECTIVE”というミステリー系の作品もあるんで、こちらも楽しみです!!日本で公開して欲しいですね。

 香港映画なんで、ランニングタイムが86分と短めです!でも、始まって30分もしないうちにネタ割れ状態です。でも、本当は、あと10分くらい短くても良かったかも。
 始まって20分強で、「精神分裂」や「妄想」についての説明が入ります。オキサイド・パン監督の作品だし、「恋愛物」なわけ無いですし、最初からスリラー映画だと分かって観る観客ばかりですよね。
 それにタイトルの「妄想」もすでにネタバレに近いですしね。

 始まって、1時間くらいしてから、脚本と監督のクレジットが出ることが1番の「ビックリ」かも!!
 そこからが本来の「ネタ割れ」の時間のはずなのに、そこに行くまでにある程度、ネタバレ状態です。
 ショーン・ユーが、会社に行かないことや、口数が少ないことで観てる人は「絶対にオカシイ!!何かあるはず」って思うはずですもんね。
 ショーン・ユー演じるワイホウの扱いも、あんまりにもあっけないところもいかにも香港映画です。これがハリウッドだったら、何とか脱出しようとするシーンとかあるはずなのに、一切無いですからね!! 

 脚本家と監督のクレジットが出てから、本当はそこからネタバレシーンになって衝撃を与えようとしたのかもしれないですけど、全然驚けない!!フランス映画のオードレ・トトゥ主演の『愛してる、愛してない...』(2002年)みたいな感じで急展開な印象を与えたかったのかもしれないですけど、今作『妄想 diary』の展開では、自分的には、あんまり効果をあげてるとは思えないです!!まぁ観てる人を驚かせようとは思っていないんでしょうけどね!!
 
 後半部分が『愛してる、愛してない...』くらい急展開だったら面白かったですけど、ウィンナの正体が分かるくらいじゃあんまり驚けないです。パン兄妹の熱烈なファンには面白く感じれるかも!! 30点

妄想 diary [DVD]
オキサイド・パン
ポニーキャニオン


『愛してる、愛してない...』事前に作品の情報を得ないで観て下さい。

愛してる、愛してない...レントラックジャパンこのアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『パートナー』未公開香港ノワール

2008-07-01 00:32:03 | 香港映画

パートナー
横行覇盗 PARTNERS(2000年香港)
 監督          ビー・チャン
 脚本          ポール・チュン
 製作          ダニエル・ラム
 出演          エリック・ツァン
              サイモン・ヤム
              マイケル・ウォン
              リーアム・パン
              マリー・クワン
              チャップマン・トウ 

 ■ストーリー■
 元兵隊クァンは、元警官のリックと組み武装強盗のチームを組んだ・順調に銀行を襲いマレーシアに飛ぶのだった。マレーシアでフイとも組むのだった。フイは友人も多く人脈もあった。その強盗団に運転手のホンを加えたチームに潜入捜査官ワーは半年かけて仲間になるのだった。タイで強盗を働くがワーはすでに正体がばれており、銀行を襲撃中に殺されてしまうのだった。ワーを殺された香港警察は、タイ警察に捜査の協力を依頼するのだった。順調に仕事をこなす彼らだったがリーダー格フイには、「金」以外に目的があったのだった。

 □■□ネタバレあり!□■□
 
 ■感想■ 
 エリック・ツァン、サイモン・ヤム、マイケル・ウォン主演の香港ノワールアクション。
 この作品、スタッフを観ていたら脚本家のクレジットが無かったような気がするんですけど、どうなんでしょう??
 まぁ、確認しているのは英語の表記ですけどね。
 普通は脚本家のクレジットで「Written by」とか「Screenplay by」とか出るのに、今作では「Scriptwriter」とかって出てたようにみえたんですけど。
 TVのモニターが小さいので自信が無いんですけど、確かそうだった気が。実は漢字の方は字が小さすぎて見えませんでした。いまだに脚本が無いんでしょうかね??かつて香港映画は脚本が無かったんで、その流れで作っちゃったんでしょうかね??
 とりあえず、有名な俳優を3名をそろえるコトが出来たから、タイに行ってもらって、銀行襲撃シーンやら口論してるシーンを撮っちゃいました。みたいな感じなんでしょうか??
 違ってたらすいません。

 っていうのも、あんまり複雑な感じな作品でないのと、思わせぶりにも関わらず良く分からないストーリーで、ちゃちょいのちょいで作った感が漂ってるからです。
 それでもランニングタイム80分と短めなのと、ストーリーが単純なので、けっこう楽しく観れます。さすが香港映画。こういう作品は手堅くまとめます。本当にこういう未公開な香港映画のアクション映画を観れるだけで幸せな気持ちになれます!
 「韓流」ばっかりソフト化してないで、「香港映画」の「アクション映画」や1990年代以前の「武侠映画」をどんどんソフト化して公開して欲しいです。
 
 
 エリック・ツァンがいくら自分たちを危ない目に合わせたからといって、思い余って撃っちゃうのはまずいでしょ!!サイモン・ヤムのキャラクター、壊れすぎ!!それもマグナムで!!マグナムで撃ったら確実に殺しちゃうでしょ!!確実に当たらなくてもかすっただけでも大ケガですよね。
 あと、それからマシンガンの弾が切れたからって、取り出すのがリボルバーの拳銃だなんて、効率悪すぎ。拳銃を揃えたのもサイモン・ヤムなんだから、それなりの拳銃も用意しておかないと。
 マイケル・ウォンも、いくら好きになった女性が、エリック・ツァンとデキちゃったからって、排除しちゃおうだなんて、気が短かすぎ!!

 とにかく主人公たちに感情移入できにくい作品でした。
 最後のオチなんですけど、エリック・ツァンとデキちゃうマイケルウォンが好きになる女性のレイチェルの正体とかって特に必要なかったような気がするんですけど、どうでしょう??なんか取ってつけたようなオチで好きになれませんでした。

 とにかく、こういう風にキャラクターを万人受けするようにしないところも「香港映画」!!ハリウッドのメジャー映画とは大違い!!感情移入出来ないキャラクターたちが主人公でも、香港警察の潜入捜査官のエピソードやら、銀行襲撃シーンを入れたりして、それでも観客が退屈しないように作ってあるあたりも、さすが香港映画!好きです!! 50点   

パートナー《ある犯罪者たちの顛末》 [DVD]
エリック・ツァン
ARC
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『Mr.BOO!花嫁の父』渡る世間にBOO!

2008-06-28 16:04:41 | 香港映画

Mr.BOO!花嫁の父
煎釀三寶 THREE OF A KIND(2004年香港)
 監督          ジョー・マ
 脚本          ジョー・マ
              マット・チョウ
              サニー・チャン
              ルーン・ホン・モン
 出演          マイケル・ホイ
              ミリアム・ヨン
              ラウ・チンワン

 ■ストーリー■
 「武侠」小説家のフェイは、スランプに落ち13年間も新しいアイデアが思いつかなかった。ある日、娘ソフィの勤める会社の社長フランキーが家に転がり込んでくるのだった。プレイボーイのフランキーは、フェイを心配させないよう女性をフェイの家に呼びパーティを始めるのだった。
 多くの女性たちとのパーティを楽しむフェイは、フランキーを数日間泊めることをOKするのだった。そんなある日、ソフィが新しくきた庭師とソフィがデートすることになるのだった。いつのまにかソフィのことが気になっていたフランキーはソフィを尾行するのだった。

 ■感想■
 「Mr.BOO」シリーズのマイケル・ホイ主演の香港コメディ。
 
 競演は『サウンド・オブ・カラー地下鉄の恋』(2003年)、『風雲!格闘王』(2003年)のミリアム・ヨン。
 2004年に「Mr.BOO!」シリーズの最新作『新世紀Mr.BOO!ホイさま カミさま ホトケさま』でMr.BOOを演じたラウ・チンワン。
 
 字幕でマイケル・ホイ演じるフェイが書いてる小説が「カンフー小説」になってますけど、どう考えても「武侠小説」ですよね。新しい小説のアイデアでも「ギロチン」とかって言ってるし、マイケル・ホイの部屋に飾ってある武器とか見てもそうですよね。
 
 最後の方では「神彫侠侶」の歌まで出てきちゃって!!
 笑うシーンなんだか、感動的なシーンなんだか、とにかくニコニコしながら観ちゃいました!歌の中で「東邪」や「西毒」とか歌詞の中に出てきちゃって、香港じゃ武侠小説が、すごく一般的なんでしょうね!!TVドラマでも「武侠物」がけっこうやってますもんね!!最近は日本でもDVDになったり、スカパーで放映されてるみたいですしね!!

 ところで、今作なんですけど、タイトルにあえて「Mr.BOO!」ってついてますけど、往年の「Mr.BOO!」シリーズを想像すると、あまり(というか全然)ドタバタ調なシーンがなくて、普通なホームドラマでも観てるみたいな印象を受けちゃいます。
 前半と後半に出てくる「毒」ネタとか、もっともっと笑えそうなシーンなのに、なんか“ほのぼの”としたシーンになってます。
 あとマイケル・ホイの小説のファンが、どこまでもマイケル・ホイを追い回すところも「笑える」シーンのはずなのに、なぜか後半の「フェイランド」での感動的なシーンなための伏線になっちゃってます!

 それにしても13年間も新作を書いていないのに、あんなに裕福な生活をして、マイケル・ホイが書いた「武侠小説」って、すごくヒットしてるんでしょうね!!
 最後の方の感動的なシーンのためにも、もっともっとバカバカしい「笑える」ドタバタチックなシーンをたくさん入れていて欲しかったです。そうしたら、最後のシーンで、より一層感動できたのに!!

 ラウ・チンワンも、当初、結婚しても、ミリアム・ヨンと一緒に住まないと言っていたのに、なんか騒動が起きているうちに、最後は、ずっとそばにいることに!!こういういい加減な設定も大好きな香港映画!!
 残念なのは、今作は日本語吹き替えがついていないコトです!
 広川太一郎さんの声ではもう吹き替えで観ることは出来ませんけど、こういうコメディみたいな作品こそ日本語吹き替えで観たいのにっ!!でも字幕でもけっこう面白く観れますよ!!
 香港映画のコメディには甘いんで 60点            

Mr.BOO!花嫁の父 [DVD]
マイケル・ホイ.ミリアム・ヨン.ラウ・チンワン
(株)イーネット・フロンティア

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『北京ロック』メイベル・チャン監督作

2008-06-01 21:16:08 | 香港映画

北京ロック
北京樂與路 BEIJING ROCKS
 監督          メイベル・チャン
 脚本          アレックス・ロウ
 出演          ダニエル・ウー
              スー・チー

 ■ストーリー■
 建築家の父親を持つマイケルはアメリカ育ちの香港人で売れないシンガーソングライターだが、北京のプールバーで問題を起こし裁判待ちの状態で国外へ出られない生活だった。ある日、ライブハウスであるロックグループと出会いグループのメンバーのルーやインたちと意気投合する。ある日ダンサーをしているロック・グループのインが観客とケンカをし警察に拘留されてしまうのだった。インを警察から出すためルーたちのグループは歌舞団のメンバーと地方巡業することになるのだった。新曲のイメージの沸かないマイケルは、彼らと行動をともにすることにするのだった。

 □■□ネタバレあり!□■□ 
 
 ■感想■
 『誰かがあなたを愛してる』(1987年)のメイベル・チャン監督の描く青春物。
 『誰かがあなたを愛してる』、『宋家の三姉妹』(1997年)のメイベル・チャン監督の作品だから、すごくすごくマジメな作品だろうなぁとは思っていたんですけど、想像通りにマジメな作品でした。
 それもランニングタイムが110分と香港映画としては、少し長めの作品でした。
 
 「うわー!長すぎ!!」 
 
 あれだけ内容の濃い香港ノワールの傑作『インファナル・アフェア』(2002年)だって100分強の長さだったのに、こんな普通の青春ドラマが110分だなんて、かんべんして欲しいです!!

 香港映画のアカデミー賞の金像賞にノミネートされたっていうんで、つい観ちゃいました。
 でも、ノミネーションって言っても「撮影賞」「主題歌賞」「オリジナル音楽賞」「音響効果賞」ですけどね。ちなみに、その年は『少林サッカー』、『アクシデンタル・スパイ』、『ダイエット・ラブ』と、エンターテイメント作品の傑作があったんですよね!

 自分は、ジャンルとして、ドラマって苦手なんですよね!!香港映画だっていうんでつい借りてきて観ちゃいましたけど、香港映画で無かったら絶対に観ないジャンルの作品です!
 映画ファンの中には、こういうマジメな青春物が好きな映画ファンも大勢いるんで、今作みたいな作品をDVD化してくれるのもウレシイんですけど、香港映画のコメディ映画やアクション映画の未公開作品がたくさんあるんで、そういう作品を、もっともっと公開して(DVDスルーでいいので)欲しいです!
 最近は、レンタルDVD屋でも「韓流!韓流!」で劇場映画コーナーもですけど、TVドラマのコーナーもほとんどが「韓国映画」が多くて、香港映画の新作があんまりDVD化されないんで悲しくなっちゃいます!

 こういう青春物を観て、感動することって無いんですよね。
 コメディタッチの作品だったら、けっこう笑いながら観れるですけど、マジメにやられてもね!!
 北京を舞台にした作品で、ロックを描いているんで、香港や中国の人が観たら、けっこう面白く観れるのかもしれないですけど、自分的には、どうも今一、ストーリーに入っていけなかったです。登場人物たちの行動も、良くわからないです!最後の方で、ルーはなんでバイクでむやみにトラックに突っ込んで行ったんでしたっけ??あの展開って、観てる人を感動させようって意味なんでしょうか??意味不明なんですけど!!そういう登場人物の誰かを殺して感動させようってシーンはあんまり好きじゃないんですよね。こういう映画だったら、最後の最後まで、特に変わった出来事とか事件が起きなくても良かったのに。
 それに、自分って、実は「音楽映画」も苦手でした!「音楽」って自分は映画音楽くらいしか興味無いんですよね!

 そうは言っても、香港映画!それなりに楽しめたんで、こういうジャンルの作品が好きな映画ファンにはけっこう楽しめるかも!!自分はダメでしたけど。 20点

北京ロックジェネオン エンタテインメントこのアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『傷だらけの男たち』本格ノワール

2008-03-13 01:03:34 | 香港映画
傷だらけの男たち
傷城 CONFESSION OF PAIN(2006年香港)
 監督 アンドリュウ・ラウ、アラン・マック
 脚本 フェリックス・チョン、アラン・マック
 出演 トニー・レオン、金城 武、スー・チー、シュー・ジンレイ、チャップマン・トー、ユエ・ホア

 ■ストーリー■
 刑事ポンと上司ラウ・チンヘイは、連続強姦魔を逮捕する。その夜、帰宅したポンはベッドの上で自殺した恋人を発見するのだった。恋人は身ごもっていたことがわかるのだった。
 3年後、ポンは刑事を止め私立探偵になっていた。恋人が自殺する数日前に来ていたバーで、恋人が誰かと待ち合わせをしていたことを突き止めるのだった。恋人の死から立ち直れず、酒びたりの生活を送っていた。一方、ラウは金持ちチャウの娘スクツァンと結婚し幸せな日々を過ごしていた。しかし、ある日、チャウと執事が強盗に殺される事件がおきるのだった。犯人グループは仲間割れをして全員死亡して事件は解決したように見えるが、この事件に不振な点があり、スクツァンは事件の調査をポンに依頼するのだった。

 ■感想■
 アンドリュウ・ラウ、アラン・マック監督、フェリックス・チョン、アラン・マック脚本という『インファナル・アフェア』(02年)のスタッフが作り上げた犯罪サスペンス。出演も『インファナル・アフェア』のトニー・レオン、チャップマン・トーとキャストまで『インファナル・アフェア』の出演者まで揃えちゃいました。
 
 『インファナル・アフェア』のような一部の隙も無いようなサスペンス映画を想像してましたけど、今作は、愛と悲しみを描くノワール作品になってます。
 スクツァンの父親が殺される強盗事件の犯人も、すぐに出てくるので犯人当てがメインストーリーで無いことが観客に示されます。
 でも、その犯人のおかげで
 「え、なんで?なんで??」
 って観客を混乱させる展開に!
 さすが、香港映画!一筋縄ではいきません。ストーリー的には、良くありがちなストーリーと言えなくも無いんですが、そこに恋人や夫婦、家族の愛を描いて、感動的な映画にしてます!もちろん、犯人が凶行に走る原因を探るシーンはサスペンス映画調な展開に!

 もう、こういった傑作の香港映画の実力を見せられると、ハリウッドのメジャー作品って何なんだろう??って思っちゃいます!
 もちろん、ホラー映画や、制作費のかかったSF映画、アクション映画なんかはハリウッドにはかなわないですけど、ドラマを描くことにかけてはもう絶対に香港映画にかなわないですね。香港映画のすばらしいところは、ドラマをただ単調に描くんではなくて、エンターテイメント作品として十分成立させておきながら、ちゃんと感動的なドラマを描いてるんですもんね。

 感動的なドラマを描きながら、サスペンス映画、ノワール作品としても十分面白い作品にしてしまう香港映画!アンドリュウ・ラウ、アラン・マック監督って最高です!もちろん、脚本のフェリックス・チョン、アラン・マックも最高です!
 アンドリュウ・ラウ監督の『デイジー』も、脚本をフェリックス・チョンがリライトしてました。どちらかというと「しつこい!」「ありえない設定の恋愛物」と、自分はあんまり得意でない韓国映画ですけど、『デイジー』は、完全な香港ノワール作品にしちゃってました!
 あと、「走り屋」の少年たちを描く『頭文字D』も、すごく面白い作品に仕上げてました!自分はレースとか「走り屋」に興味なんか全然無いのに、興味が無い自分が観ても思わず画面に引き込まれる面白さ!!さすがです!!!
 

 それにしても、今作も内容が濃い作品です。映画を観ているというより、まるで1クールのTVドラマでも観ているかのような感じに落ちいっちゃうような印象を受ける作品です!!ランニングタイム111分と、どちらかと言えば90分くらの作品の多い香港映画の中では、時間的にも大作なみのランニングタイムですもんね。それでも111分なんですけど。
 アクション色の強い「香港ノワール」というより、もう今作を観ていると、香港映画は、フランス映画的な本格的なノワール作品を今風なアクションシーンを交えて描いて見せてくれているといいても過言じゃ無いですよね!ノワール映画ファン必見!!80点
傷だらけの男たち

エイベックス・エンタテインメント

このアイテムの詳細を見る
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『死の森』パン映画

2008-03-11 00:01:26 | 香港映画
死の森
森冤 FOREST OF DEATH(2007年香港)
 監督 ダニー・パン
 脚本 ダニー・パン、カブ・チェン
 出演 スー・チー、イーキン・チェン、レイン・リー、ラウ・シウミン、トミー・イェン、ラム・シュー

 ■ストーリー■
 タイ、日本、北米、オーストラリアにある自殺の名所の森と並ぶ「死の森」。「死の森」は、迷路のように複雑で磁石も効かないのだった。先週も捜査中の刑事が心臓発作で死亡する事件が起きたばかりだった。自殺者の多くはこの森から遠くに住む者たちだった。自殺しようとしたが生き残った男は、真っ白な姿で目が真っ赤な女性を見たというのだ。
 この「死の森」で起きたレイプ殺人事件を捜査している女性刑事ハ・チュンチ-は、容疑者パトリック・ウォンを捕らえるものの決定的な証拠を欠いていた。ハは植物学者シューホイがTV番組で植物にも意識があり、植物が話すという研究をしていることを知り捜査の協力を頼むのだった。

 ■感想■
 パン兄弟のダニー・パン監督の描くファンタジー映画。
 でも、香港映画なんで、ファンタジーと言っても、レイプ殺人事件に、自殺者と血なまぐさい要素がたくさん出てきます!これがつまらないファンタジー映画だと事件らしい事件も起きないで、製作者たちの自己満足みたいなファンタジー映画になることが多いんですけど、今作は香港映画なんで、観てる人を退屈させないようにちゃんと殺人事件の捜査が見せ場のように用意されてます。大好きです!香港映画!正確には、香港映画というより、オキサイド・パン映画ってコトになるんですかね。
 まぁ、でも、こんな「死の森」の自殺者を扱ったファンタジー映画なのに、レイプ事件の捜査がメインのように中盤までストーリーが進んでいくのは、映画的には“ミスリード”なんじゃ無いの??なんて思う映画ファンもいるんでしょうね!
 
 自分的には、そんなミスリード、全然OKです!観客を退屈させないように、どんどん新たな事件が起きる香港映画、最高です!
 でも、「行方不明者になった自殺者がなぜ年をとってないの??」その説明は無かったですけど、まぁ、ファンタジー映画ですからね!

 それにしてもパン兄弟って、映画のテーマに色んなものを持ってくるのがウマイですね!網膜手術をした女性が体験する恐怖を描く『the EYEアイ』(02年)を出すまでも無く、次から次へと、エンターテイメント映画ファンが喜びそうなテーマの作品を撮り続けますよね。ちなみに、近所のレンタルビデオ屋に『妄想』(06年)と『リサイクル死界』(06年)が置いてない!!
 あんまり、住んでる場所の悪口、言いたくないですけど、なぜ置かない!!『ファンタスティック・フォー銀河の危機』(07年)みたいな中身のまるっきり無い作品を、何十本もそろえるなら、1~2本減らして香港映画を!!
 前にも、近所のビデオ屋の記事は書いたことがあるんでもう書きませんけど、なんとかして欲しい!ハリウッドの大作と韓国映画(&韓国ドラマ)ばかり品揃えしないで、ちゃんと色んな作品を揃えて欲しい!!
 「観たい!」と思ってる自分でさえ観れないんだから、普通に「なんか面白そうな作品無いかな??」とか思ってビデオ屋に来る人が将来、どんな映画ファンになるのか考えると、暗い気持ちに!

 でも、そんなコト言っても、実際に『妄想』や『リサイクル死界』を見たら、また普通にけなしちゃいそうですけどね!!

 あとは、ブログの記事を読んでいただければ、どんな作品が、自分の近所のレンタルビデオ屋においてあるのかバレバレですけど、なんか「ワガママ言うな!もっとメジャーな作品しか置いてない地域もあるぞ」とか言われちゃいそうですね。

 話題を今作『死の森』に戻すと、それにしても、香港映画って、作品のヴォリューム感が違いますよね!ランニングタイム97分の作品ですけど、前半と後半でノリの変わるってこともありますけど、今作も140分くらいのハリウッド作品を観ているような感覚に陥ります。退屈しちゃうって意味じゃないですからね!
 後半は、事件らしい事件も起きずに、普通にホームドラマを見ている感じですけど最後までしっかり退屈させないのは、さすが!58点
パン・ブラザース製作 「死の森」

竹書房

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ヴィクティム』リンゴ・ラム監督傑作スリラー

2008-02-25 22:51:05 | 香港映画
ヴィクティム
THE VICTIM目露凶光(1999年香港)
 監督 リンゴ・ラム
 脚本 リンゴ・ラム、ジョー・マ
 出演 レオン・カーフェイ、ラウ・チンワン、エミリー・クワン

 ■ストーリー■
 ある駐車場で、元会社員のマーが誘拐される。その後、マーは巷で「幽霊ホテル」と噂される廃屋で救出されるのだった。しかし、「幽霊ホテル」で発見されたマーは、以前の人格と打って変わった人柄になっていた。誘拐の目的もつかめぬまま、刑事のピットは相棒は捜査を続けるのだった。

 □■□ネタバレあり!□■□
 ■感想■
 リンゴ・ラム監督のスリラー映画。
 出演は主人公の刑事にレオン・カーフェイ、誘拐されたあと人柄が変わってしまう被害者にラウ・チンワン。 
 『』(89年)、『マキシマム・リスク』(96年)、『レプリカント』(01年)のアクション派のリンゴ・ラム監督がホラー映画を撮るなんて珍しいなぁ!と思ったんですけど、一時期の1970~1980年代のイタリア映画界のように、香港映画の監督もどんなジャンルでも監督しちゃいますから不思議は無いですけどね。

 脚本は、リンゴ・ラムとジョー・マ。ジョー・マはゾンビ映画『香港ゾンビ』(98年)、ハードアクションと思わせといて人情物のような展開になる刑事物『OVER SUMMER』(99年)、旧正月映画『ラヴァーズ&ドラゴン』(04年)と色んなジャンルの作品の製作に関わっています。

 脚本が、リンゴ・ラムとジョー・マの今作ですけど、やはりタダの作品ではありませんでした!
 
 駐車場で、ひき逃げまでして車が暴走する事件が誘拐事件とわかる出だしからして暴走ぎみの今作ですけど、思わず画面に引き込まれます!なんで駐車場の係りをひき逃げしたのかが最後までわからないです!そんなことしたら警察が絶対に捜査を始めるのに!
 リンゴ・ラム監督が珍しいホラー映画を撮ったんだな!と思ってると、だんだんとストーリーの展開が変わってきます!余りの急展開に呆然!!!
 「え、これって、何??」
 余りにも展開が急なんで、着いていくのがやっとでした!
 それに、なんというヴォリューム!まるで1クールのTVシリーズを観ているかのような錯覚に陥っちゃう感じです!
 誘拐事件→幽霊ホテルのくだり→人柄のまるっきり変わったラウ・チンワンと恋人の生活→誘拐犯の正体→警察の捜査
 とこれでもかの展開で、観ている人を楽しませてくれます。そこに主人公のレオン・カーフェイの奥さんの浮気疑惑やら、アクション映画お得意のカーチェイスシーンまで入れて見せ場がてんこ盛り状態です!
 レオン・カーフェイを主人公にした警察物のTVシリーズを観ているかのような印象を受けるほど!ホントに香港映画ってすごすぎ! 
 
 ハリウッドだったら、同じ長さでは絶対に作れないストーリーでしょう!今作はランニングタイムが103分ですから!バリー・ウォン監督の『ムービング・ターゲット』(04年)を観たときもあまりのストーリーの詰め込みすぎにビックリしましたけど、『ムービング・ターゲット』はTVシリーズの映画化なんで、いやでもヴォリュームがあったんでしょうけど、今作はオリジナルでのこの展開!すごいです。
 もしハリウッドだったら、こういう映画を作ろうとしたら安直にホラー映画にしちゃうんでしょうね!ホラー映画と思わせといて、純粋な犯罪物!それも超ハードなアクションシーンをまじえての警察物にちゃんとなっているところがスゴイです!レオン・カーフェイの相棒が殺されるシーンとかもすごすぎ!直接的なシーンはホンのちょっとしかないのに、あの血まみれのシーンが銃撃戦の凄さを表してますもんね!
 「もう香港映画、好きです!」
 こういう映画でも、レオン・カーフェイの奥さんの浮気疑惑の件でホッとさせるシーンを入れる卒の無さ!(実際、こんなことされたら笑っていられないけど。何が「こんなこと」かは映画を観て下さい!笑えるはず。あ、あまり笑えないかな??)

 香港映画というと、ジョニー・トウやアンドリュウ・ラウ、バリー・ウォンばかりに目がいっちゃいそうですけど、こういう作品が作られちゃうんだから止められないです!まぁ、今作も監督は大ベテランのリンゴ・ラムなんですけどね! 
 かなりオススメな1本です!75点
ヴィクティム

アートポート

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ドッグ・バイト・ドッグ』後味悪し。

2008-02-17 09:10:22 | 香港映画
ドッグ・バイト・ドッグ
DOG BITE DOG 狗咬狗(2006年香港)
 監督 ソイ・チェン
 脚本 セット・カムイェン、メルビン・リー、マット・チョウ
 出演 エディソン・チャン、サム・リー、ラム・シュー

 ■ストーリー■
 香港に殺し屋がやってくる。殺し屋はレストランで標的を殺すのだった。捜査にあたった刑事リンとワイは犯人を追い詰めるがリンが殺されてしまうのだった。相棒の刑事を殺されたワイは、犯人逮捕に執念を燃やすのだが。

 ■感想■
 『ノイズ』(01年)のソイ・チェン監督の描くアクション映画。
 トラウマをかかえた刑事と殺し屋の対決を描くストレートなアクション映画と思いきや、良くわけの分からない作品になってます。
 主演は『インファナル・アフェア無限序曲』(03年)、『ベルベット・レイン』(04年)のエディソン・チャンと『ワンナイトインモンコック』(04年)のサム・リー。
 自分は、香港映画のアクション映画が好きなんですけど、今作はダメでした!舞台になるのが、船底だったり、ゴミの山だったりするのがもうダメでした!
 それぞれのシーンとか暴力的なんですけど、ただ暴力的なだけで全然盛り上がらないです。そのシーンに行くまでのストーリーの流れとかが、いきあたりばったりのような気が!演出なんでしょうけど、画面の色調もくすんでるし、アクション映画としてスッキリしない感じです。

 刑事側の主人公サム・リーもなんか家族のトラウマを抱えていて、スッキリしない感じです。ソイ・チェン監督ってアクション映画向きで無いのかな??『ノイズ』を観るかぎり、ホラー映画にも向いてないと思いますけどね。
 
 ところで、今作は世界各国で絶賛されたらしいですけど、それってどんな人たちから絶賛されたんですかね??映画評論家??一般の映画ファン??
 普段からエンターテイメント映画を観まくっている映画ファンやジャンル映画のファンから絶賛されたとは思えないんでうすけどね。どちらかといえば、絶賛されない作品だと思うんですけど。ストーリーもありきたりだし、バイオレンス描写も香港映画としては、ごくごく普通だし、特別面白い作品だとは思わないんですけどね。今作は、東京国際映画祭でコンペティション部門出品作品ですけど、香港映画のあるジャンルの作品を知るってためには、良いかもしれないですけど、もっともっとエンターテイメントで面白い作品がある気がするんですけど。バリー・ウォン監督のエンターテイメント作品とかがもっと観たいなぁ!って思うんですけどね
 こういう大ざっぱで荒い雰囲気の作品をハードボイルドだと感じるんですかね??香港映画ではごくごく普通のアクション映画だと思うんですけど。『ロンゲストナイト』(97年)の衝撃度が100だとしたら、今作の衝撃度は10くらいかな??そんな名作と比べないでも『ディバージェンス運命の交差点』(05年)の方がよっぽど面白いです!

 ストーリー上、ちょっと疑問に思ったんですけど、ヒロインって大きい病院への移送中にさらってきたんですよね。破傷風の治療って大丈夫だったんですか??別にそんなに気にしてないんですけど。
 今作を一言で言うと後味が悪い作品でした。香港映画ファン以外にはオススメできない感じです。あんまり今作の感想は無いです。20点
ドッグ・バイト・ドッグ

アートポート

このアイテムの詳細を見る

殺し屋と刑事の対決と言えば!
ロンゲストナイト~暗花~

ハピネット・ピクチャーズ

このアイテムの詳細を見る

こちらも、刑事物!
ディバージェンス ~運命の交差点~

タキコーポレーション

このアイテムの詳細を見る
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする