『ジャスティス闇の迷宮』
IMAGING ARGENTINA(2003年イギリス、スペイン、アメリカ)
監督 クリストファー・ハンプトン
脚本 クリストファー・ハンプトン
原作 ローレンス・ソーントン
出演 アントニオ・バンデラス
エマ・トンプソン
■ストーリー■
1976年、アルゼンチンでは軍事政権が独裁政治を行い反対勢力と思われた人間たちを誘拐し、監禁、殺害していた。しかし、そのことは“失踪”という扱いになっていた。
女性記者のセシリアはこの件を記事にしようとしていたが、彼女も軍部に誘拐され“失踪”してしまうのだった。児童劇団を主宰するセシリアの夫カルロスはセシリアの行方を捜すが、証拠は出てこないままだった。
ある日、劇団員の少年の父親が誘拐される事件が発生するが、カルロスは、父親が帰ってくるビジョンを思い浮かべるのだった。カルロスは誘拐された人間たちの運命を感じ取れる能力を身につけていたのだった。
■感想■
1976年から1983年までのアルゼンチンの独裁政権時に起きた30000人の行方不明者についてのドラマです!
アントニオ・バンデラスのキャラクターが超能力を持っているって言う設定なんで、もう少しエンターテイメント作品かと思いましたけど。超マジメなドラマでした。
とにかく、観終わったあと、どんより暗い気分になること必至です!!
こういうマジメな作品はあんまり観ないので、かなり疲れちゃいました。
でも、自分のようなエンターテイメント作品しか観ない映画ファンも、失踪者の運命を知ることが出来る超能力者をキャラクターの中に配することで、鑑賞しやすくなってます。
映画の中で、この超能力は、結局、なんの役にもなっていないところも妙にリアルです!!
普通のジャンル映画だったら、超能力を得た主人公が、将軍や、軍部に逆らってハッピーエンディングに向かうんでしょうけど、今作ではそうなりません!!
とにかく行方不明になった“失踪者”の運命や、さらわれたときのビジョンを思い浮かべるだけで何も出来ない!!
まぁ、そんなこと描いたら、アルゼンチンの歴史が変わっちゃいますからね!!
とにかく、現代史の中でも忘れてはいけないことを感じさせてくれるドラマになっています!
自分は、アルゼンチンで、1976年~1983年まで、このような事件が起きていたってことも今回、この映画を観て知りました。
30000人もの人間が“失踪”していたなんて!!
映画的に多少、救いのあるラストにはなってますけど、アントニオ・バンデラスとエマ・トンプソンの娘のことを考えると、イヤな気分に!!
アクション映画派としては、今作の敵として描かれる将軍やスパイとして潜り込もうとした若手将校が、あのまんまなのは消化不良な感じですけど、しょうが無いですよね。そういうカタルシスを感じさせないような作風の作品なんですからね。
映画のラストに出る字幕も、印象的です!。
映画の内容としては素晴らしくても、自分的には、けっこう苦手な感じでした!50点
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