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『インストーラー』ユーロ未来警察

2009-11-14 07:33:47 | SF

インストーラー
CHRYSALIS(2007年フランス)
 監督          ジュリアン・ルクレルク
 脚本          ジュリアン・ルクレルク
             フランク・フィリッポン
 脚本協力        ニコラス・プーフェリ
             オード・パイ 
 出演          アルベール・デュポンテル
             マリー・ギラール
             マルト・ケラー
             メラニー・ティエリー
             エステル・ルフェビュール

 ■ストーリー■
 ユーロポールの刑事のダヴィッド・オフマンはパートナーのサラと犯罪者ニコロフを追い詰めるが反撃に遭いサラは殺され、ニコロフは逃亡してしまうのだった。ニコロフが殺したと思われる女性の死体が新たに発見され、ダヴィッドは新しいパートナー、マリー・ベッケル刑事と組んで捜査にあたることになるのだった。殺された女性はタチアナという名の女性で妹のエレーナとともに行方不明になっていることが判明するのだった。
 
 □■□ネタバレあり!!□■□
 
 ■感想■
 フランス製のノワール調のSF映画。
 監督は本作が長編デビュー作となるジュリアン・ルクレール。今作の前には2004年に“TRANSIT”という短編ホラーを撮っているようです。
 
 フランス映画って、大きく分けると、自己満足的な監督の1人よがり的な作品と、超エンターテイメントの作品に分かれますけど、今作は後者の方です!!
 フランス映画って、サスペンスやスリラーのジャンルの作品でも、ワケの分からない意味不明な“芸術映画”みたいな作品や、大したストーリーでもないのにダラダラしてる作品がけっこうあるから心配してたんですけど、今作は映画が始まるやいなや、ドンドン画面に引き込まれていくので、心配は杞憂になりました!!

 すごく面白いです!!


 映画の冒頭、母親と娘の親子が交通事故に遭うシーンが出てきますけど、この母娘のシーン、説明しすぎかも??こういう映画をたくさん観てる人には、ピーンときちゃいます!!
 犯罪者ニコロフが盗んだ機械“クリサリス”が記憶をデジタル化して記憶を書きかえたり出来る装置だっていうことが説明された時点でネタが割れちゃいます!!
 この母親と娘の病院でのシーンがちょくちょく出てきますけど、ネタが大したことないだけに
 説明しすぎ!!このシーン要らない!!
 って思っちゃいます!!
 
 今作のランニングタイム90分ですけど、惜しいです!!
 あと5分くらい短かかったら、もっとテンポが良くなってすごくすごく面白くなったのにっ!!
 「惜しいッ!!」
 
 公私に渡るパートナーを犯罪者に殺された刑事が犯人を追い詰めるストーリーとか、暗めで統一された画面の作品の雰囲気とか、いかにもフランス製のノワール調で好感が持てます!!
 犯罪物とSFの要素がうまく噛み合って、魅力ある作品に仕上がってます。

 フランス人はマーシャルアーツが好きなのか、主人公の刑事と犯人が殴りあう格闘シーンが2回用意されてますけど、こういうシーンもアクション映画ファンに目配せしているようで、ニタニタしちゃいます!
 でも、いくら強い刑事とはいえ、元ブルガリア情報部の犯罪者に最後勝っちゃうのは、やっぱり映画だから??
 普通だったら刑事とこの犯人の対決をクライマックスに持っていきそうなのに、後半、早々と2人の対決に決着をつけて、もう1人、関係者を皆殺しにしようとするヤツが出てくるのは、さすがひねりが効いてて良かったです!

 犯罪者よりも悪いヤツが出てきて、関係者や秘密を知っている人間をバンバン殺していくのはやっぱり怖すぎ!!
 ハリウッドのエンターテイメント映画だったらこんな展開にせず、単純に主人公の刑事ダヴィッドvsニコロフをクライマックスに持ってきて終わりにしてハッピーエンディングにしちゃうんでしょうね!!
 観たあとの感想は絶対にハリウッド映画の方が後味が良いんでしょうけど、こういう違いがハリウッド映画よりもヨーロッパのエンターテイメント映画の方が好きな要素なんですよね!!

 
 「結局悪いヤツは、身内か!!
 って感じで、いつものヨーロッパ映画的ノリですけど、こういうところも気にいっちゃいました。
 
 イギリス映画のスパイ映画を例をあげるまでもなく、フランス映画も組織や体制側に否定的なエンターテイメント作品って多いですからね!!
 ミュウ=ミュウ主演の『ミュウ・ミュウの女刑事』(1980年)を観たときには、ラストに向けての展開には思わずビックリして呆然としちゃいました!!
 「これがフランス映画のエンターテイメント作品なのね・・・」
 って!! 女刑事が主人公の犯罪物なのに、全ての期待を裏切る展開!!
 救いのないラストを含めて、フランス映画のエンターテイメント作品の実力を思い知らされました。監督はイヴ・ボワッセ、脚本はイヴ・ボワッセにクロード・ヴェイヨ。監督&脚本は、イギリスの小説家ジョージ・マークスタイン原作のスパイ物『殺しの季節』(ビデオ題:『遅れてきた死神』)(1981年)と同じコンビです。『殺しの季節』も日曜洋画劇場で放映されたTV吹替え音源つきでDVD化されないですかね??どこかのメーカーさん、お願いします。あと『ミュウ・ミュウの女刑事』もDVD化されないですかね??


 今作『インストーラー』の話題を戻すと、ヨーロッパのエンターテイメント作品としては珍しいくらいに最後も爽やかに終わって後味が良いですしね!!まるでハリウッドの作品みたいな爽やかさ!!
 監督のジュリアン・ルクレルクは、今後の作品も要チェックですね!!こういうエンターテイメント作品を作り続けて欲しいです!  80点

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