『輪廻』
(2005年日本)
監督:清水 崇
脚本:清水 崇
安達 正軌
出演:優香
香里奈
椎名 桔平
杉本 哲太
小栗 旬
■ストーリー■
映画監督の松村は、35年前に起きた無差別殺人事件を題材に映画「記憶」を作ろうとしていた。その事件とは昭和45年、田舎の観光ホテルで医学博士大森の手によって家族を含む11人が惨殺されるというものだった。11人を殺したあと犯人の大森も自殺しており動機は謎のままだった。
映画「記憶」の出演者のオーディションで主人公のヒロインに杉浦渚が大抜擢される。しかし、渚はこの日以降不思議な幻影を見るようになっていくのだった。一方、女子大生の木下弥生も幼いころから謎のホテルの夢を見ていたが、最近、またこのホテルの夢を見るようになり気にしていた。そんなとき木下は、前世で殺されたという記憶を持つ女優、森田由香と知り合うのだった。
□■□ネタばれあり!日本映画ファンも読まないで!!□■□
■感想■
ジャンル映画界に影響を与えた『リング』(1998年)以降、注目を浴びたジャパニーズホラーの監督6人が作品を作る「Jホラーシアター」のシリーズ第2弾。
第1弾は落合正幸監督のトンデモ系ホラー『感染』(2004年)と、つのだじろうの怪奇コミック「恐怖新聞」を映画化した鶴田法男監督の『予言』(2004年)の2作。
第1弾が、あまり面白いと思わなかったので、第2弾の『輪廻』はどうだろうと思って鑑賞しましたけど、それなりに面白いホラー映画になってます!!
優香、香里奈のメインの出演者がホラー映画にマッチしてます。
ところで「Jホラーシアター」の企画はどうなってしまったんでしょうね??今作を観ててふと「Jホラーシアター」のことを思い出しちゃいました。
ケータイ小説が原作みたいな恋愛映画や難病物やTVシリーズの映画化作品を製作するんだったら、ちゃんとしたこういうホラー映画を次々作って!!
面白いかつまらないかは別として、エンターテイメント作品を作ろうとしてくれて、すごくうれしいです。
ケータイ小説が原作みたいな映画やTVシリーズの映画化作品なんて一過性のモノですからねー。
1年、2年も語られる作品じゃないですしね。
今作『輪廻』もTBSが製作に関わっているんでしょうけど、本当に、これくらいの作品は作って欲しいです!!
少なくとも世界の映画ファンに見せれるようなジャンルの作品を作って欲しいです!!
日本には、怪獣映画や時代劇やアニメのような世界に誇れるようなジャンルがあるので、Jホラーもそういうジャンルになると良いのに!!
時代劇と言っても、最近ブームのホームドラマの延長のような作品じゃなくて、1970年代の血みどろのスプラッター描写満載の若山富三郎版の「子連れ狼」シリーズや石原裕次郎の「影狩り」シリーズみたいな時代劇です。
ところで、今作『輪廻』なんですけど、香里奈演じる女子大生はホラー映画を観たことがないの??変な夢を見るからってその場所を探すなんて!!
自ら危険に飛び込んでいくなんて!!
まぁ、今作の場合、惨劇の起きたホテルの場所を探さなくても亡霊たちに連れ去られていってしまうんでしょうけどね。図書館で連れ去られた女優みたいにね。
それにしても優香が幼い少女の生まれ変わりでないことが分かってから、ヒッパリすぎ!!全体的にテンポが悪いし、ランニングタイム96分は少し長すぎ!!
あと10分くらい短かったら良かったのに!!
96分でなく86分ならTVの2時間枠で放映してもノーカットで放映しても、たくさんCM入れられたのに!!
ところで「記憶」を監督していた椎名桔平はどこ行っちゃったんでしょう??
映画製作中に現場から行方不明になってしまったって解釈で良いんですよね??優香を主演女優にしたから、てっきり椎名桔平が11年前に事件を起こした医学博士の生まれ代わりだと思ったんですけど、優香の正体を含めてちょっとミスリードに引っかかっちゃいました。
大体、リーインカーネーション物って悲劇的なラストの作品が多いから、今作もラストは悲劇的な展開になるんだろうなぁ。と思っていたら、想像したとおり悲劇的なラストに!!
マイケル・サラザン、マーゴット・キダー、ジェニファー・オニール主演のミステリー調のオカルト『リーインカーネーション』(1975年)とかロバート・ワイズ監督のオカルト映画『オードリー・ローズ』(1977年)とかね。
洋画では2作しか思い浮かばないですけど、この2作品の印象が強くて・・・。
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『リーインカーネーション』1975年
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