A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

ブロッツフェス2008@六本木 Super Deluxe 2008.9.25 (thu)

2008年09月27日 00時28分11秒 | 灰野敬二さんのこと
ヨーロッパのフリー・ミュージック・シーンの重鎮リード奏者、ペーター・ブロッツマンを囲んでのライヴ企画。
私は約25年前ICPオーケストラで来日した時と、その後近藤等則氏が招聘した法政学館と2度ブロッツマンのステージを観ているハズだ。あれから相当の年月が立ち、60歳を超えたブロッツマンの外見と激しいプレイが全く変わっていないのが驚きだ。
出演はマッツ・グスタフソン(reeds)、灰野敬二(guitar etc.)、ポール・ニルセン・ラヴ(ds)、ケン・ヴァンダーマーク(reeds)、八木美知依(琴)。先日のトニー・コンラッドの時同様、Super Deluxeは若いファンで満員だ。アヴァンギャルド・ミュージック愛好家が増えているのだろうか?
今回は3セット異なるメンバーを迎えてブロッツマンが吹きまくるという、"吉田達也叩きっぱなし"みたいなイベントだ。
最初が灰野さんとのデュオ。ジャズ系だから指弾きの演奏になるかと思ったら初っ端から鋭角的な音色で激しいコード弾きの嵐。吼えまくるブロッツマンに挑みかからんというほどの気迫の籠ったプレイ。途中ギターを置いてヴォーカル・パフォーマンスとパーカッションを聴かせる。ブロッツマンはテナー~アルト・クラリネット~アルトと持ち替える。アルト・サックスは人間の声に一番近い楽器と言われるが、灰野さんのヴォイスとの絡みを聴いて納得。最後は再びギターを持って対決。反駁という言葉が相応しい緊張感と迫力溢れる演奏だった。
続いて八木氏、ニルセン・ラヴとのトリオ。このトリオで来年ヨーロッパのジャズ・フェスに出演することが決まっているそうだ。こちらはうって変わって調和を大切にしたインプロを聴かせる。最近来日の多いニルセン・ラヴの達者なドラム、時にピアノ、時にベースを想わせる八木氏の琴(17弦と21弦のふたつを使用)、咆哮するブロッツマンのサックスが溶け合い起承転結のある演奏を展開。久々にまっとうなフリー・ジャズを聴いた気がする。
最後はグスタフソン、ヴァンダーマークとのサックス三重奏。即興ではあるが明らかな流れを持ったアンサンブルは流石インプロの猛者達。グスタフソンのバリトン・サックスがカッコいい。アンコールに坂田明氏がゲストで加わり四重奏になる。達人の技に舌を巻いた。
フリー・ジャズ/フリー・ミュージックの現在を実感できる有意義なイベントだった。

ブロッツマン
吼える姿は
ライオン丸

終演後灰野さんに挨拶に行くと、ジム・オルークの共演について書いた先日のこのブログの中で、"ディジリデュー"としたのは間違いで正確には"フヤラ"というスロバキアの楽器だと指摘された。
フヤラ
しかし本人が読んでいるとなると下手なことは書けないなぁ



コメント
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