A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

上原ひろみ@東京 国際フォーラム ホールA 2008.12.28(sun)

2008年12月29日 01時05分23秒 | こんな音楽も聴くんです
上原ひろみちゃんのHiromi's Sonicbloom 「ビヨンド・スタンダード日本ツアー」ファイナル。
キャパ5000人の東京フォーラムAが超満員。ジャズのコンサートにしては珍しく20代くらいの若いファンの姿が目立つ。Fuji Rockへの出演や絢香との共演を通じて新しいファン層を開拓してきた結果だろう。男性ファンが圧倒的に多く、休憩時間には男子トイレに長い列が出来る。ザ・フーと同じだ。

それにしても決して判り易いとはいえないひろみちゃんのコンサートにこれほど観客が集まることは驚異的である。現在の日本のジャズ・ミュージシャンで5000人の動員が可能なのは綾戸智絵さんくらいだろうだが、綾戸さんのファンは中高年で目当ては彼女の面白いトーク。ひろみちゃんはトークは苦手であくまで音楽で勝負だ。それも滅茶苦茶複雑な。
ひろみちゃんの音楽はジャズにカテゴライズされるものだとは思うが、普通のジャズでもフュージョンでもない。近いのは70年代のジャズ・ロックだろうか。ソフト・マシーン、ブラッフォードなどの名前が私の頭には浮かぶ。しかしそこまでロックっぽくはない。やはり"Hiromi's Music"と呼ぶしか無いのだろうか。

コンサートは「朝日の如くさわやかに」からスタート。最新アルバム「ビヨンド・スタンダード」からのスタンダード・ナンバー「月の光」「上を向いて歩こう」「マイ・フェイヴァリット・シングス」「キャラヴァン」などが演奏される。テーマこそオリジナル曲をなぞっているが、即興パートでは全く原曲の影も無い。時にはフリーキーなアドリブにも発展する。ひろみちゃんはピアノと3台のキーボードを操り、まるでキース・エマーソンのようだ。
何よりも印象的なのはひろみちゃんの笑顔だ。メンバーを見ながら溢れるようなスマイルで天才的なフレーズを連発する。まさに"元気が出るピアノ"だ。
ギターのデヴィッド・フュージンスキーのフレットレス・ギターは時に三味線のようなサウンドで変態的なフレーズを紡ぐ。

休憩を挟んで2時間強のステージのあと、アンコールの前にひろみちゃんの長いMC。ツアー・ファイナルということで感極まって涙が浮かぶ。北はノルウェー、南は南アフリカと休み無くツアーに明け暮れた2008年の最後を日本で飾れることが本当に嬉しいようだ。アンコールを2曲やり、終演のアナウンスが流れたところで再びメンバーがステージに登場。彼女のテーマ曲ともいえる「リターン・オブ・カンフー・ワールド・チャンピョン」で観客もオール・スタンディングで盛り上がる。これは完全にロックのノリだ。最終的に3時間近い熱演に満足。
上原ひろみ HP

ひろみちゃん
熱い涙を
忘れない

今年の日本レコード大賞で「ビヨンド・スタンダード」が優秀アルバムに輝いた。授賞式では演奏するそうなので30日のテレビ放映をお見逃し無く。



コメント
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