A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

Evan Parker/Ingebrigt Flaten「The Brewery Tap」

2008年12月12日 01時10分22秒 | 素晴らしき変態音楽
ヨーロピアン・フリー・インプロヴィゼーションの雄エヴァン・パーカー(ts,ss)と先日アトミックのメンバーとして来日したノルウェーの若手インゲブリグト・ホーケル・フラテン(b)のデュオCD。
エヴェン・パーカーは1944年イギリス生まれ。20代の頃から即興に目覚め、盟友デレク・ベイリー(g)、ハン・ベニンク(ds)等と共に音楽の極北を追求する。1970年にはINCUSレコードという、フリー・インプロヴィゼーション専門のレーベルを立ち上げ、布教活動に勤しむ。一切の感情を廃したような冷徹な即興を展開し、音楽シーンに大きな影響を与えた。90年代にはエレクトロ・ユニットを結成するなど、新機軸も取り入れた活動を行う。
2000年代になってかつての"即興"シーンも様変わりする中、パーカーも色々な若手と共演し、還暦を過ぎた現在でも精力的に演奏活動を続けている。
その最新のもののひとつが「醸造所のタップ」と題されたこのアルバムだ。2007年8月13日オスロでのライヴ録音。最近パーカーはこの辺の北欧の若手ミュージシャンと共演することが多く、彼等の才能を高く評価していることが伺える。テナーサックスとアコースティック・ベースというミニマルな編成ながら、その演奏はタイトル通り芳醇なものだ。それでいて不要なものを削ぎ落としたようなストイックさも感じさせる。テナーなのに循環呼吸奏法をやるパーカーの体力にも驚くが、彼のプレイに付かず離れず絶妙のアンサンブルを聴かせるフラーテンのプレイも見事だ。
フラーテンは1971年生まれだから27歳差の共演である。即興音楽の新旧世代の出会いが豊穣な音世界を産み落とした。

ストイック
エヴァン・パーカー
フラーテン

アトミック来日の時に物販で買い求めたCDのうちの一枚である。他のCDも夫々個性的で素晴らしい。



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