A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

坂田明&芳垣安洋バースデイ・ライヴ@新宿 Pit Inn 2011.2.23 (wed)

2011年02月25日 00時40分00秒 | 素晴らしき変態音楽
山下洋輔さんの新作を聴いていたら無性にジャズのライヴが観たくなった。タイミングのいいことにツイッターでその日の夜新宿Pit Innで坂田明&芳垣安洋バースデイ・ライヴがあることを知り、衝動的に駆られて観に行くことにした。普段の私は計画的にライヴ観戦の予定を立てる方である。今回の衝動は10年位前に偶然不失者のライヴがあることを知りいたたまれず観に行ったときと同じだ。最近ONJQやエマージェンシーのCDを図書館で借りてきて聴いていたのも何かの偶然か。

出演は坂田 明(Sax,Cl)芳垣安洋(Ds)水谷浩章(B)高岡大祐(Tuba)高良久美子(Vib,Per) 大友良英(G)青木タイセイ(Tb,etc)という現代フリージャズ界を代表する面々。
坂田さんと芳垣さんは2月21日が誕生日と同じで、毎年一緒にバースデイ・ライヴを開催しているとのこと。今年は諸般の事情で二日遅れの開催になった。坂田さん66歳、芳垣さん52歳。
平日の夜のため客席は空いていて、予約なしでも2列目の席に座れた。

最初は全員がステージへ。むさくるしい男たち(大友、高岡、青木、水谷)が後ろのほうに神妙な顔で1列に並んでいるのが笑える。芳垣さんがジョーク交じりのMCでメンバー紹介。時々鋭いツッコミを入れる坂田さんとのやり取りが面白い。「この組み合わせでやると何故かお客さんの9割が男性なんだよね」と芳垣さん。確かにいつも以上に男性率が高かった。

1曲目は全員でアブストラクトなインプロヴィゼーションから重厚なテーマ、そして坂田さんの激しいサックス・ソロ。凄い。2曲目は坂田さん+低音部隊(高岡、青木、水谷)。骨太の低音合奏の上を坂田さんのクラリネットが舞う。3曲目(本当は1st Setは4曲の予定だったがノリがよくて演奏が伸びたためにこれがラスト)は坂田さん+芳垣さん+大友氏+高良嬢による自由度の高いセッション。ここで休憩。

2nd Setは坂田さん+大友良英ニュー・ジャズ・トリオ(大友氏+水谷氏+芳垣さん)によるオーネット・コールマンの名曲「ロンリー・ウーマン」。坂田さん、大友氏共にそれぞれの最新アルバムで取り上げている曲だけに、非常に密度の高い激烈な演奏を繰り広げる。私のフェイバリット・ナンバーでもあり、この日のハイライトといえる演奏だった。2曲目は坂田さん+芳垣さん+青木氏+高岡氏+高良嬢。冒頭ブレス音だけを聴かせる演奏に乗せて坂田さんが「呼吸というのは吸ってから吐かなければ大変なことになります」と真面目ぶったMCで会場を沸かす。演奏中所々にジョークを入れたヴォーカルも聴かせ大受け。最後に再び全員で演奏。縦横無尽のインプロヴィゼーションを堪能した。
アンコールは坂田さん+芳垣さんのデュオ。大らかなパワーに溢れる演奏でライヴ終了。

やっぱり観に来て良かった。ジャズの現在進行形に触れた素晴らしい一夜だった。

坂田さん
金曜日には
ソロを観る(予定)

フリージャズは死んではいない。


コメント
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