A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

BioMechanica(バイオメカニカ)/GEZAN@西麻布 新世界 2014.10.6(mon)

2014年10月14日 00時15分15秒 | 素晴らしき変態音楽


"日本スペイン交流400周年記念"
BioMechanica JAPAN TOUR 2014
Arturo Lanz (Esplendor Geometrico) + Francisco Lopez from SPAIN

BioMechanica / GEZAN

PA:奥成一志
BioMechanica JAPAN TOUR 2014公式サイト



30年以上におよびスペインのアンダーグラウンド・ミュージック・シーンの最前線で活躍しているふたりのミュージシャン、アルトゥーロ・ランス(Esplendor Geometrico)とフランシスコ・ロペスによる最新ユニット「BioMechanica(バイオメカニカ)」が10月に初来日公演をおこないます。

昨年秋、Esplendor Geometrico(ジオメトリコ)はにせんねんもんだいやOGRE YOU ASSHOLE、bonanzas、そして六本木スーパーデラックスでは非常階段とのスペシャルコラボレーション(EG階段)と共演来日で大好評。今回はサイドプロジェクトの形、BioMechanica(バイオメカニカ)で来日です。東京公演はGEZANとの直接対決のみ。

進化したアンビエントといえるダークノイズ・インダストリアルな実験リズムテクノ音響の静寂、迎え撃つは爆裂疾走する真っ赤なエモーショナル・ノックアウトから浮かび上がるどこまでも透き通る世界観。滅多にない、双方新鮮な発光なる貴重な一夜。お見逃しなく。

●GEZAN


六本木EXシアターの並び、SuperDeluxeの斜め向かいにある地下のライヴハウス新世界は初めて。ステージと客席の間に奈落があり、下のフロアからステージを見上げることが出来る変則的な作り。大使館関係を含めスペイン人の客も多いので、海外のライヴハウスのような雰囲気がある。ステージに近い椅子席前方には女子が多い。


(写真の撮影・掲載については主催者の許可を得ています。以下同)

GEZANのライヴは4月の凸-DECO-レコ発ツアーファイナル以来、半年ぶり。その間、6月に「きんぷんかんぷん」という宝探しイベントで原宿探索をしたり、渋谷HMVレコードショップでアナログ7インチを買ったり、DVDやミニアルバムがリリースされたり話題に事欠かなかった。ステージに現れた4人は今まで通り自然体だが、当たり前のように奏でるギターやドラムの音が、かつての鑢のようにヒリヒリした感触ではなく、聴き手を包み込む寛容さに溢れていることに気がつく。半年前に「裸の付き合いしようぜ」「みんなロックンローラーになって下さい」と語った気持ちを確実に実行しているのだ。


GEZAN@新代田FEVER 2014.4.5(sat)

ロックを突き詰め、究極のやさしさを体現する為に彼らが進む道に間違いはない。BioMechanicaのメンバーやスペイン人客も笑顔で身体をシェイクさせた1時間のステージは、お楽しみはこれからだ、という未来の予感に満ちたWKTK空間を産み出した。最新ミニアルバム『ストロベリーエッジ』は、2nd『凸-DECO-』の真っ直ぐなメロディーに、1st『かつてうたといわれたそれ』のカオスを染み込ませたサウンドを展開し、マヒトの飄々とした歌と共に、包容力の大きなスケール感のあるロックバンドへの脱皮を証明した。常にギリギリまで自らを追い込んで活動してきた4人が、周りの状況を楽しむ余裕を持ちはじめた徴であり、それは11月1日に開催される『全感覚祭』に結実する。さらに新ユニットでの新しいお楽しみも有。


全感覚祭2014公式サイト
青葉市子とGEZANマヒトゥが新ユニット結成

●BioMechanica


80年代インダストリアル/ノイズの多くはメンバー写真は愚か、メンバー名ですら公表されないことが多く、醜悪で陰鬱としたレコードジャケットを眺め、残酷で陰鬱とした音を聴きながら、作り手の姿を想像するしかなかった。当然ながらそれは醜悪で残酷で陰鬱とした人物像にならざるを得なかった。こんな残虐作品を産み落とす連中は、社会的不適応者・無能者・畸形者・変態に違いない。「Fool's Mate」や「Marquee Moon」等の雑誌に時折掲載される写真は極度に不鮮明で猟奇的なフリークスの造形だった。

だから80年代ノイズのオリジネーターが20年以上経ってやっと来日して、演奏風景を目の当たりにして、想像とのギャップに戸惑うことが少なくない。Whitehouseのウィリアム・ベネットとConsumer Electronicsのフィリップ・ベストが上半身裸で肩を組んでマッチョな雄叫びを挙げる姿は、殺人鬼ではなく親爺のカラオケを思わせた。2010年のエスプレンドー・ジオメトリコ(以下EG)の来日公演では、精神を蝕むテクノイズではなく、お祭り騒ぎのダンス大会が展開され、闘牛好きなスペイン人のラテンの血を強く感じた。
エスプレンドー・ジオメトリコ@六本木 Super Deluxe 2010.6.5(sat)

ステージには右手にPCを乗せたテーブル、中央と左手にマイクスタンドが立っている。昨年のEG階段は観れなかったので4年ぶりだが、精悍なアルトゥーロ・ランスの顔には見覚えがある。フランシスコ・ロペスは最初は座っていたので判らなかったが、立上がると異常に背が高い。アルトゥーロがマイクを握って仁王立ち。フランシスコがドローンノイズを奏でる。腐食したビートが始まると、アルトゥーロが喉の奥から絞り出すような唸り声を発する。原始人か動物の咆哮のような非人間的な声。ステージを動き回りながら所々でポーズをキメて唸る。最初は滑稽にも思えたが、偏執狂的に繰り返す姿は、強迫観念に蝕まれた狂人そのもの。我関せずとミキサーのツマミを弄るフランシスコも狂っている。後半は享楽的なダンスビートにグルルルルル!!!!という唸り声を誇らしげに発して、1時間のステージは終了。気狂いを演じてもやはり陽気なラテン系の血は隠せない。



カオス系
ラテン系
でんぱ系

▼My KINPUN KANPUN、名前は「クリーミィサチコ」。可愛いヤツ。


[10/28 0:47追加]

コメント
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