A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【熱愛!アイドル洋楽COVERS①】浅香唯/倉田まり子/宮沢りえ/小林麻美/原田知世/中山美穂

2014年10月03日 00時49分27秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


荻野目洋子が5年ぶりの最新アルバム『ディア・ポップシンガー』で1985年のヒット曲『ダンシング・ヒーロー』(アンジー・ゴールドのカヴァー)やネーナ、ワム、スウィング・アウト・シスター、キッス等洋楽ポップスの日本語カヴァーを歌った。去年木村カエラが全編洋楽カヴァーのアルバム『ROCK』を出したし、MACOという新人シンガーがテイラー・スウィフトやケイティ・ペリーといった最新洋楽のカヴァーで話題になっている。21世紀以降のJ-POP界ではカヴァーといえば昔の日本の楽曲の焼き直しを指すことが多くなったようだが、歴史的に見ると20世紀初頭に日本にポピュラー音楽が流入して以来、海外の楽曲を日本流にアレンジするのが主流であり、60年代ポップスやグループサウンズは勿論、70年代以降の歌謡曲に於いても洋楽カヴァーヒットは多数あった。

私感にすぎないが、90年代小室サウンドや渋谷系が洋楽を徹底的に研究し大胆にパクリ、オリジナル(と称する)J-POPを産んだことで、楽曲をカヴァーしなくても、雰囲気だけは洋楽風のサウンドを可能にしたのではないか。小室の楽曲タイトルがローマ字ばかりなのも洋楽幻想をアピールするためだったといえまいか?ネットが発達した世界で洋楽/邦楽と分類するのは無意味だろうが、洋楽への憧れや夢が失われることのディスアドヴァンテージもあるのではないか?80年代MTVの躍進でテレビで洋楽のプロモーションビデオが流れ、それまで写真でしか観れなかった海外アーティストの動く姿が拝めるようになった頃、洋楽への憧れはそれまで以上に高まった。アイドルブームが絶頂期を迎えたのも80年代。このシンクロは互いに刺激し合い、80'sアイドル洋楽カヴァーの華麗な世界を産み出した。そんなアイドル洋楽戦国時代を彩った名曲名演をググってみた。

●浅香唯「ルカ」(スザンヌ・ヴェガ)


ダンスビート全盛の80'sに清楚なアコギサウンドで涼風センセーションを巻き起こしたスザンヌ・ヴェガの1987年のヒット曲を、85年に"フェニックスから来た少女"としてデビューし、TVドラマ『スケバン刑事』でブレイクした浅香唯がカヴァー。92年の12thアルバム『STAY』に収録。シングルカットはされなかったが、TV歌番組で披露された。児童虐待をテーマにしたオリジナルの歌詞を、メッセージ色を薄めはしたが、上手く訳している。浅香の仄かな色香がいい雰囲気。





●倉田まり子「恋はAmi Ami」(LIO)


浪人時代にリアルタイムでテレビで観てのけぞったカヴァー。ベルギーのテクノロリータ美少女LIO(リオ)に惚れ込んでいたが、彼女のヒット曲(原題:Amicalement Votre)をアイドルが日本語歌ってるのを目の当たりにした衝撃たるや!それまで倉田まり子には太川陽介の彼女(USO)的なイメージしかなかったが、この一瞬だけ推し状態に。オマケとして麗しのLIO様のジャケット写真も掲載。



 

●宮沢りえ「GAME」(デヴィッド・ボウイ)


りえちゃんといえば「サンタ・フェ」(91)のヘアヌードと貴花田との婚約解消(92)などお騒がせイメージが強いが、汗の匂いのしないクールな歌声は魅力的。個人的にはブルーハーツとの共演曲「ボーイフレンド」(93)ですべて赦す。そんなりえちゃんは3rdシングルでデヴィッド・ボウイ75年のヒット曲「Fame」を「GAME」としてカヴァー。恐らく90年にこの曲のリミックス「Fame90」が話題になったためと思われる。甘えるような声に心を赦すと、ふわりと抜け出して消え去ってしまいそう。殿方はくれぐれもご注意を。





●小林麻美「雨音はショパンの調べ」(ガゼボ)


年齢はずっと上だが、こちらも風のようなイメージの持ち主小林麻美の84年の8thシングルは、イタリアの男性歌手ガゼボの83年のヒット曲。イタロディスコを代表する曲。70年代アイドルとして活躍した小林が、アンニュイな大人の女の魅力を振りまきNO1ヒット。訳詞は松任谷由実。B面はセルジュ・ゲンズブール作ジェーン・バーキン75年の「ロリータ・ゴー.ホーム」の日本語カヴァーという両面悩殺シングル。ようつべに小林麻美ヴァージョンがないので、2大アイドル夢の共演動画にて。





●原田知世「彼と彼女のソネット」(エルザ)


82年デビュー、翌年映画『時をかける少女』で大ブレイクした原田知世の87年12thシングル。オリジナルはフランスの女声歌手エルザの86年のヒット曲「哀しみのアダージョ(原題: T'en va pas)」。訳詞は大貫妙子。のちに北欧ポップスに接近する原田の欧州志向が感じられる透明感溢れるカヴァー。のちにフランス語版カヴァーも発表した。





●中山美穂「HERO」(マライア・キャリー)


85年デビュー、ミポリンのニックネームでブロマイド売上No.1の人気を誇った中山美穂の94年の30thシングル。80'sアイドルの多くは90年代に入ると女優やバラドルへの転向を図る中、ミポリンはあくまで歌手と女優の両立を維持して、94年28thシングル「ただ泣きたくなるの」をミリオンヒットさせ快進撃を続けていた。「HERO」はマライア・キャリーの93年の大ヒット曲のカヴァー。中山自身が訳詞を手がけ、見事な歌唱力で歌い切った。





80年代後半~90年代初頭にアイドル洋楽カヴァーブームは最高潮に達するが、それはバブル時代の象徴のジュリアナ東京を中心に吹き荒れたユーロビート旋風の産物だった。その現象に関しては次回分析する。

カヴァーして
カヴァーされ
カヴァの循環運動

●でんぱ組.inc「Sabotage」(ビースティー・ボーイズ)


21世紀アイドル洋楽カヴァーはこれで決まり!英語詞のママでアレンジもオリジナル通りなのに、紛れもない萌えきゅんソングに変身させるトキメキ秋葉原パワーに驚愕せよ!ばびゅん!



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