THE NECKS
30th Anniversary
初来日ツアー
December 2016 Japan
東京公演 12/14(Wed)
会場:WWW X(渋谷)
開場7:00PM/開演8:00PM
ADV./DOOR:¥3,800/¥4,300 (税込/ドリンク代別)
オーストラリアでクリス・エイブラムズ(p)、トニー・バック(ds)、ロイド・スワントン(b)によってザ・ネックス The Necksが結成されてから30年。ジャズ、アヴァンギャルド、ミニマル、トランス、アンビエントなどの境界を超えたインプロの最前線を行くバンドとして世界中に数多くのファンを持つ。メンバーのトニー・バックは90年代の一時期日本に滞在していたので、大友良英などと共演していたことを記憶しているファンもいるだろう。現在30周年記念ヨーロッパ・ツアー中だが、急遽待望の日本ツアーが決定した!(JazzTokyoNewsより)
オーストラリアの音楽シーンのことは余り伝わって来ないので往々にして驚かされる。筆者の知る中では毎年のように来日して灰野敬二、ジム・オルークと共演するオーレン・アンバーチが筆頭格で、彼の地にも前衛音楽/実験音楽シーンが存在することは想像できるが、実際にそれを体験できることは多くない。そんなことを考えていた矢先に30年間独自の音楽活動を続けるピアノ・トリオTHE NECKSの初来日が決定した。招聘元は東京JAZZ。来年から渋谷で開催されることが発表になり、前哨戦としてこの変態音楽を招聘するとは頼もしい。
とはいえ、一般的には無名に近い豪州の偏屈バンドを、新宿ピットインならまだしも、アイドルの登竜門として(筆者に)知られるキャパ700人のライヴハウス公演は、果たして動員大丈夫か、という不安があったのも確か。蓋を開ければ丸椅子を並べて着席ではあったものの、ほぼ満席の盛況ぶり。変態音楽愛好家だけでなく、この界隈では有名なミュージシャンの姿も多い。その筋の人にとっては文字通り「待望の」初来日だったようだ。勉強不足で聴いたことがなかった筆者は、来日の報に触れてネットをググったが、1曲30分以上の長尺でしかも全く変化のないドローンサウンドに「一体此れは何?」という疑問が沸々と沸いてきて、怖いもの観たさで駆けつけることと相成った。
45分x2セットのステージは、初めて観る豪州変態音楽の衝撃と可能性を強く感じさせる夢眠(ゆめみ)心地の特殊体験だった。ドラムが叩くきっかけに合わせない振りをして、思い思いに反復フレーズを繰り返す。ドラマーは普通にビートを刻むことはなく、様々なパーカッションや玩具を使って、サウンドエフェクトを創り出す、イマジネーションの妙に感服した。「サザナミのように広がる音の波紋」と形容される三者の音のレイヤーは、筆者にとってはポストロック/シューゲイザーの一部のバンドが得意とする静から動へのメタモルフォーゼを思わせる胸の鼓動と同義である。ミニマル音楽の付和雷同ではなく、孤独な音楽家の不安定な輝きが絡まり合い「凡百のミュージックを超えた超自然的な存在の在り方」としてシンセカイで光り輝いている。
未知の国
未知の表現
未知の音
NTS: The Necks live at Cafe Oto - 07.11.16