4月に「シャロウズの世界」でCDデビューを飾った現代グループサウンズの旗手ザ・シャロウズのPV「キミがいなくちゃ」が完成した。若さ溢れるパンキッシュなサウンドと妖しいルックスが最高にカッコいいPVに仕上がっている。
1960年代最後の3年間に徒花のように咲き日本中を巻き込んだGSブームが再評価されたのが1980年代前半、ネオGSと呼ばれるムーヴメントだった。ファントム・ギフト、ザ・コレクターズを筆頭にヒッピー・ヒッピー・シェイクス、ストライクス、ワウワウ・ヒッピーズなど数々のバンドが芝浦インクスティックや渋谷Live Inn、新宿JAMなどを拠点に活動し、ライヴ会場にはミニ・スカートの60'sファッションに身を包んだ少女達が押し寄せ、60年代さながらにゴーゴー・ダンスに嬌声を上げ、華やかな世界を作り上げた。80年代末ファントム・ギフトの解散とともにブームは終焉するが、このブームが産み落としたB級GSの発掘、及びガレージサウンドとしてのGSという概念はその後も脈々とアンダーグラウンド・シーンに流れている。デキシード・ザ・エモンズ、The 5,6,7,8's、私が一番好きな日本のガールズ・バンド、ルルーズ・マーブルなどがそれを継承してきた。そして21世紀になっても数々の若いバンドがGSの影響を受けたサイケな世界を展開している。ザ・シャロウズはその最右翼といえるが、彼ら以外にも面白いバンドが多い。この名づけて"21世紀GSシーン"の注目バンドを紹介しよう。
1999年京都で結成されアメリカ・ツアーや元ルースターズの花田裕之のバック・バンドを務めたザ・サイクロンズ。
2001年仙台で"薔薇王子"傷彦君を中心に活動を始め今まで7枚のアルバムをリリースしているザ・キャプテンズ。ハリウッド・ムーヴィーのような凝ったPVがいい。
2009年東京出身のザ・シャロウズと並ぶ若手の雄ジ・アポロンズ。
2000年札幌で結成、"ミスター・ダイナマイト"上杉リトル・ウルフ周太君の個性がユニークなTHE TON-UP MOTORS。彼らは7月に新作ミニ・アルバムをリリースしたばかり。
1998年長野で結成。GSに拘らず昭和歌謡、コメディ・ミュージック、R&Bなどを包括する幅広い音楽性を誇り、良質なインディーズ「サザナミ・レーベル」を主催するカマチガク氏率いるゴーグルエース。
どのバンドもノスタルジックでありながらとびっきり新鮮なサウンドを創り上げていて心痺れるのである。
GSの
伝統受け継ぐ
若者たち
今夜8月6日(土)新宿JAMにてTHE TON-UP MOTORS、ゴーグルエースが出演する「サザナミ・ナイト Vol.26」が開催される。静岡の期待の新人、原子力牧場の東京デビュー・イベントでもある。必見!