グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

コーラルアドベンチャラーのお客様たちと(午後の部)

2023年09月20日 | 植物
オーストラリアのクルーズ船「コーラルアドベンチャラー」の伊豆大島寄港。
午前の三原山トレッキングの後、午後はバスで泉津切り通し、波浮港、地層大切断面を周りました。

泉津切り通しの前の道路の真ん中で、クルーズ船のクルーの方が寝転がっておられました。

何をしているのか不思議に思って聞いたら、「空を覆う木々の枝葉がきれい」とのこと。
で、私も上を見上げてみました。

確かに!(すご〜く共感しました)

生きもの好きのお客様が数人いらして、ところどころで虫の写真を熱心に撮影されていました。

この時、お客様が見つけたのは、キリギリスの仲間!

尖ったクロマツの葉の上にいるのは、初めて見ました!!
近くにいたジョロウグモも、「綺麗!」と写真を撮られていて、他人とは思えない親しみを感じました(笑)

波浮港は、上からの景色を楽しんだあと、港に降りて2手に分かれて散策しました。

私のチームは、まず最初に「鵜飼商店」でコロッケを購入。(この地で70年以上コロッケを揚げ続けている名物店です)

皆さん、島の商店を興味深そうに覗いていました。

その後、踊り子の里資料館へ。

入り口に、この場所が川端康成の小説「伊豆の踊り子」のゆかりの地と英語で表示されているのを見たお客様は、「(小説は)とても美しい物語だ!」と、熱く語ってくれました。

以前、英訳を読まれたことがあるそうです。

30分程度の散策でしたが

噴火と津波と人が作った港町の雰囲気を、楽しんでいただけていたら嬉しいです😀

最後は伊豆大島ならではの景色、地層大切断面と、これから向かう伊豆諸島の景色を堪能しました。

(翌日は八丈島、翌々日は三宅島に立ち寄られるとのこと)

17時の船の出港には、あんこさんの手踊りと御神火太鼓の演奏があり、

お客様も甲板に出て、手を振られていました。

この先も、どうぞ良い旅を!
素敵な笑顔と楽しい時間を、ありがとうございました!!

(かな)
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島にいない植物たち

2023年09月13日 | 植物
とあるツアーの下見で、元町保育園から

メモリアルパークまでの道を、歩いて往復しました。

メモリアルパークは、2013年の台風による土砂災害跡地に造られた公園で、綺麗に整えられています。

ゆっくり歩いたのは実は初めてでした。(山ばかり歩いているので😅)

保育園と公園の間の草地に、鮮やかな黄色が目に入りました。
「もしや??」と思って近づくと…

10数年ぶりに、ジャケツイバラの花に出会いました!

陸のガイドを始める前は、この花が高い木に這い上っている景色を見に行ったものでしたが、ツアーでは行かない谷で咲いていたため、ずっとご無沙汰していました。なつかしい…。

ところで、植栽された植物の名前が表示された札を見て、「あれ?」と思いました。

コナラ…、伊豆大島には自生していなかった木です。(コナラの自生地はこちら

モミジバフウ。

これも、伊豆大島には自生していない木のはずです。

シロヤマブキ。

これも島では聞いたことのない名前でした。

サルスベリの赤い花が、目立っていました。

花が綺麗なので、庭に植えている人もいると思います。

もしや、ここの植物たちは、「花が綺麗だから」、「紅葉が綺麗だから」、「大島にない植物を手近にみることができるから」という理由で、植えられたのでしょうか??

いろいろな意図があったのでしょうが、島独特の環境が「他地域と変わらないもの」になってしまうのは、ちょっと(かなり)淋しい気がします。

ここの植物たちは、島の未来に、どのような影響を与えていくのでしょうか?
色々な考えが、浮かんでは消えました。

(1)他の植物を駆逐し、分布を広げていく
(2)もともといる島の植物に負けて、いなくなっていく。
(3)もともといる島の植物たちと仲良く共存し、みんなの馴染みの植物になっていく。
(4)噴火で全て、いなくなる
(5)現時点では、想像もできないことが起こる

う〜む。
なんだか(5)もある気がします💦

これからも時々、意識して観察してみたいと思います。

(かな)
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サクユリ写真展と、サクユリの物語

2023年09月12日 | 植物
岡田港2階にある「ジオステーション岡田」で、サクユリの写真展が始まっています。

(サクユリを守る会主催・伊豆大島ジオパーク推進委員会協力。9月27日まで)

サクユリ は、伊豆諸島にのみ自生している固有のユリです。

大島ではウイルスやキョンの食害、人による盗掘で数が減っているとのことで、2018年から「サクユリ を守る会」が活動を続けており

その活動も報告されていました。

今年7月の観察会は、大島町の広報誌にお知らせが載っていたので、私も途中参加で見に行きました。
別の植物も観察したかったので、皆さんとは別のルートから歩き始めたのですが、

花はまさに最盛期。
溶岩地帯に咲き誇り、

マグマのしぶき(スコリア)が積もった、比較的フラットな地面にも咲き誇り、

他の草よりも、ひときわ高く伸びたた茎のてっぺんに、大輪の白い花をたくさん咲かせた個体は、神々しいほどでした。

場所によっては、ウィルスにやられて弱ってしまったのか、蕾のまま花が咲かずに萎れているものもありましたが

でも、たくさんの見事な花を、楽しませてくれました。

植物がほぼ生えていない場所を抜けて、観察会が行われていた「白石山」の麓に向かいました。


1km以上歩いて、観察会地点に着いた時には、柵の中の株を皆さんで数えている最中でした。

サクユリを守る会の方々が、環境省の協力で、種子を撒き、柵をして、キョンの食害からサクユリ を守りつつ、観察を続けているのですが

この日は、まだ小さな株が多く、花はあまり目立ちませんでした。

そして柵の外の株を数えていたジオパーク事務局のUさんが、衝撃的な事実を教えてくれました。
なんと「柵の外は全て、キョンに蕾を食べられてしまっている」というのです!

それを聞いて私も周囲を観察してみましたが、確かに茎の先端は見事に無くなっていました。

花がたくさん咲いている場所と、花が無くなった場所の違いは何なのでしょう?

花が見られなくなった原因をキョンの気持ちになって考えてみると、観察会の場所近くは草丈が延びていて、斜面を駆け上がれば「白石山」という緑の山があるので隠れやすい、ということなのかもしれません。
警戒心の強いキョンは、わざわざ危険を犯して、食べ物のない場所には来ないのかも?

それとも、いつか強者のキョンが、黒い大地を横断して、このサクユリの花を、全て食べてしまう日が来るのでしょうか?

それとも、キョンの食害どころではない”噴火”という大きな出来事で、あたり一面が焼き払われる日の方が近いのでしょうか??


2023年の花の時期は、もう終わってしまいましたが、岡田港でサクユリの写真を眺めつつ、伊豆諸島でしか見られない美しいユリの未来の物語に、思いをはせてみてはいかがでしょうか?

(今日の岡田港での展示写真は全て、ジオパーク事務局のUさんからいただきました)

(かな)

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継続観察には、気づきがたくさん!

2023年09月06日 | 植物
2週間前ガイドさせていただいた、春日部高校の生物・地学のフィールドワーク。
ガイドつきでの2日間のフィールドワークを経て、自分たちで課題を見つけ、ガイドなしで調査する日だった3日目。
生徒さんたちが考えた課題は、「シマホタルブクロの花の大きさを計測してみる」と言うものだったそうです。

2日目のガイド中、泉津切り通しの近くで、シマホタルブクロの花を見つけたとき、「伊豆諸島を南下し、本州からの距離が遠くなればなるほど、花粉を運ぶ昆虫の種類に合わせて花が小さくなると言う研究結果がある」と、私が話したのが印象に残ったようで、自分たちで実際に測ってみることになったそうです。

バスで島を一周し、数カ所の海岸で観察することにしたと連絡を受けていましたが、シマホタルブクロの花の最盛期は7月初旬…。もしや、花はほとんど咲いていないのでは?

私が心配していたら、昼前に先生から、「数は少ないですが、各場所で2〜3個ずつ見つかっています」と連絡がきました! 素晴らしい!!

そこで、「私も観察してみよう!」と思いたち、すぐあとに、まず泉津切り通しに見に行きました。

さらに、月曜日ブログ担当でもある嶋田に渡すものもあったので、待ち合わせ先をシマホタルブクロ前に!🤣🤣🤣
そこには別のジオガイドさんもいて、その方に新たな情報をもらい、確認したところ…

2cmぐらいの小さめの花から

3cm近くある細長い形のものまで、車移動1分以内の範囲の計3カ所で、花が見つかりました。


細長い花が咲いていたのは、この場所ですが

花数も多く、

元気に開いていました!


そして、観察から2週間たった今日。
「9月に入ったから、さすがにもう花は終わっただろう」と思いつつ、同じ場所を見に行ったところ…

まだ2カ所で、咲いていました!


花がいっぱい咲いていた場所は、数は減っていましたが…

同じような細長い形の花が、4つ。

蕾もありました!

野生の植物なので、もともと咲く時期に、バラつきがあるのでしょうか?
それとも、今年は気温が高いので、開花時期が延びているのでしょうか?

生きものの継続観察には、気づきがたくさんありそうです😊

(かな)
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タマアジサイ

2023年09月04日 | 植物

大島にはまだまだ紫陽花が残って咲いています。紫陽花と言ってもラセイタタマアジサイです

でも、最盛期は8月ですが

 

↓花盛りと思えるのですが、本当の花は蕾だらけ

 

ラセイタタマアジサイを分解してしまいました

茶色に見える船?に乗って(本当は茶ではなくてクリーム色

 

左側は蕾、右側花盛りその手前は虫を呼ぶための飾り

(しま)

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やっぱり歩く!

2023年08月14日 | 植物
山の日はやっばり三原山にいかなくちゃ

この夏初めてのナンバンギセル

この夏終わりのハマナデシコ

戦争の遺構 ”必殺必勝岩”

”カゴメシュスラン”かな?葉にカゴメ模様はあるけれど全体を見ると違うのかなと思う? キョンに食害されたのか5年以上見ていない(しま)
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三原山は?

2023年08月07日 | 植物
三原山は見えるようで見えない

近くの建物の中では(ドアーが開いていたので)
いや~  出してくれ~

そうだ!そうだ!出せ出せ  (この写真では2匹ですが。総勢13匹いました)

出口はどこでしょう?他甲虫君多数

出口をお探しの方々はドアーや窓から出ていくもの 箒で強制的にお出ましいただいたもの(箒で!)

終わってしまいそうなサクユリ


こんなに晴れてしまうと汗だらだら?いいえ結構涼しかったりしていたり?

ゆっくり歩いて 深呼吸してのんびりと島をたのしんでくださいね!(しま)
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ハマナタマメ

2023年07月28日 | 植物
一昨日、南部の海岸にハマナタマメの花が咲いていました。

私が知る限り、伊豆大島では、限られた海岸でしか見ることができない花です。

緑の中に埋もれるように咲いていて、一見目立たない感じですが

近づいてよく見ると、ピンク色の可愛い花です!

それに花の下には、まるでパイナップルのような形に蕾が並んで、なかなかカッコイイ!

そして、アリやら

カメムシやらの

虫たちに人気でした!

花数は多くないけれど、葉っぱは元気に広がっていました。

じつは、7月半に桜島のジオガイドさんから「桜島ビジターセンターの敷地内に咲いている」と教えてもらい、伊豆大島のハマナタマメの存在を思い出しました。

で、一昨日近くに行った時に探しに行ったら、咲き始めの美しい花を見ることができました。

嬉しかったです😊

(かな)

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ウバユリ

2023年07月26日 | 植物
ウミガメの保護活動をしている成瀬氏から「ウバユリが咲いていた」という情報をもらい、見に行ってきました。

ウバユリは陸のガイドを始める前、自然愛好会会長のO氏に群生地を教えてもらい、何回か見に行ったことがあります。
ただ場所が、枯れた沢の薄暗い森の中で、ツアーで行く場所ではなかったため、もう10年以上、花を見ていませんでした。

成瀬氏に教えてもらった場所に行ったら、すぐに目に入りました!

花弁が長く、あまり開かないので、サクユリのような華やかさはありませんが

花を正面から覗くと、なかなかカワイイです💖

虫にも人気があるらしく、ハチと思われる虫が中に入っていました。
(ピント合っていませんが😅)

こちらは、開花したて?

葉は花が咲くと枯れるようで、観察した個体は、全て黒くなっていました。


ウバユリの花は、比較的狭い範囲に合計33個見つかりました!(見落としがあるかもですが…)

確認したものは全て、茎に1個ずつしか花がついていなかったので、全部が今年開花したものかもしれません。

花が咲くのに5年以上かかるというネット情報が多いので、群生地から数年前の同じ年に風で飛んできたのでしょうか?
それとも??

何はともあれ、来年以降も見られたら嬉しいです😊

(かな)

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ネジバナの謎

2023年07月25日 | 植物
先日のツアー中に、噴火後に再生した植物たちのパッチ状群落の中に、ネジバナがたくさん生えているのを見つけました。

ネジバナは、わりと多くの人に身近なランだと思いますが、噴火後の裸地に生えてくることはありません。
なので裏砂漠などで見かけると、「おお!」と思うのですが…
周辺には全く生えておらず、パッチ状群落だけに生えてたので、不思議に思いました。

ランは単独では発芽できず、ラン菌と出会って初めて発芽できると言われています。
このパッチに特別な何か(何?)が、あるのでしょうか?

7月22日に調べに行き、探し回って、ようやく場所を見つけました。

数を数えたら、このパッチだけで25本も生えていました!!

一番背丈が長いのは、29cmもありました!

ほかには、ヒョロヒョロ伸びた頼りなげなものから

ドッシリして、空に向かって真っ直ぐに生えているものなど…、さまざまでした。

なんだか、たくましいネジバナですよね?

😊

小さいのは背丈5cmぐらいで、草に埋もれていましたが

花の色は鮮やかで、一番綺麗でした。

周囲に生えているのは、イタドリ、ススキなどお馴染みのメンバーばかり…。なのになぜ、ここはネジバナが集まる場所になったのでしょうか?

見に行けば何かヒントが見つかるかもと思ったのですが、いつもの如く、何ひとつわかりませんでした(笑)

謎解きは続く!!

(かな)
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