山の自然

身近な野山の花、虫や鳥たちの写真を撮ってます。それと農業も。

まるはだか

2008年06月05日 | 自然
我が村の氏神様を祀ってある神社のひのき林ですが、可哀想に木肌をはがれ、丸裸(赤肌が見えている部分)になっていました。

「ひのき傷害事件発生!」。
警察に通報せねばと思い村人に問えば・・・
なんだったと思いますか?
桧皮葺(ひわだぶき)に使うため樹皮を剥いだものでした。

桧皮葺とは、檜の皮を何層にも重ね屋根の瓦の代わりに葺いたものです。
日本の文化財の多くが桧皮葺の屋根を用いていますね。
よくご存じだと思いますが、桧皮葺の屋根の建物と言えば、岡山では吉備津神社本殿が有名です。

檜皮は、屋根葺材用に檜から採取した樹皮で、樹齢70~80年以上の立木から採取したものです。
一度採取後、10年ごとに採取していくそうです。
最近は、檜皮を採取する原皮師(もとかわし)、檜皮を採取できる樹齢70~80年以上の立木や檜皮採取を許可する森林所有者が少なくなったことなど檜皮の流通問題などと原因で銅板葺きに代わったりする例が多くなっているそうです。

木材の単価が下がり、山が荒れている現在、樹齢70~80年以上の立木は伐採対象になり、貴重な収入源になるため段々減少してると言われています。

「世界文化遺産貢献の森林設定等に関する有識者懇談会」が設置され、提言書「森林と木の文化の再生に向けて」が平成12年12月にとりまとめられました。
この提言を受けて、不足している桧皮の量的確保と安定供給を支える目的で、国有林内に「桧皮採取対象林」が設けられ確保にむけ対策が講じられています。

だんだん山が荒れて来ていますが、山は日本の国土の多くを占めています。
山が荒れると、土砂崩れ、大洪水など災害が生じます。
また、山から多くの栄養を含んだ栄養豊富な水が海の恵みを育ててくれていますが、その自然の循環が段々崩れて来ています。
これからは、もっと山を守っていきたいものです。