おそらく母子家庭や父子家庭の生活についての関心は、体験者しかないだろうと思う。昨日も記したが、ボクも母子家庭の出身である。だからボクは、こういう問題にはとても強い関心をもつ。
子どもの頃は「鍵っ子」だった。学校から家に帰ると、カギを開けて入る。いつもボクはカギを持っていた。
母親の帰りが遅いときもあった。そのとき、近所のおばあさんが母が帰宅するまでいてくれた。
母が公務員であったから、ボクは生きてこられたという認識を持っている。公務員は、年齢とともに昇給があった。また高度経済成長の時代のなかでボクは成長したのだが、親の給与も、経済成長率のあとを追って伸びていった時代であった。
だからといって、豊かな生活ではなかった。でも当時は、今のようにお金があっても「もの」がなかったから、経済的な格差は表には出てこなかったように思う。また家の周囲も田畑がひろがるところであり、農家も贅沢な暮らしをしていなかった。だからカネがなくても、格差を実感しないで生きてこられたのだと思う。
今は、格差がはっきりと見えるから、貧しい家庭、とりわけひとり親家庭は大変だと思うし、子どもを育てていくことの困難さは、昔の比ではないと思う。
ボクはこういう問題を考えるときに、いつも「底辺の視座」ということを思う。これについてボクはいつも話してきた。社会は、底辺からみるととてもよく見える、と。解決策も同じだ。底辺に生きざるをえない人々が幸せになる社会こそが、みんなが幸せになることができるのだ。豊かな人たちにではなく、困難を抱えている人たち、経済的、時間的に厳しいなかで子どもを育てているひとり親家庭、こういう人たちに安心できる環境を整えることこそが、必要なのだ。
この本には、具体的な提案がたくさんある。こういう提案がどんどん実現されていけば、社会も安定していくだろう。
民生委員時代、「ひとり親家庭」を訪問したが、すべての母親の顔は疲労の色を濃くしていた。たいへんだろうなと思いながらも、決められたことしかしてあげなかったが、今もしっかりと生きているだろうか。
現在の政府の政策は、格差をより拡大しようとする方向に動いている。しかし、それを人々は押しとどめようとはしていない。選挙結果がそれを物語る。
困難の原因を考えるためには、社会科学的な思考が必要だ。日本人は、それが弱い。だから改善されないのだ。いつも少数の人が苦しい中で運動をして、何とか悪化にブレーキをかけることができている。だが、現状を見ると、もうぎりぎりだ。
本の帯には、「これ以上、がんばれない・・・」だけが記されている。こういう現実は変えなければならない。
是非読んで欲しい。
子どもの頃は「鍵っ子」だった。学校から家に帰ると、カギを開けて入る。いつもボクはカギを持っていた。
母親の帰りが遅いときもあった。そのとき、近所のおばあさんが母が帰宅するまでいてくれた。
母が公務員であったから、ボクは生きてこられたという認識を持っている。公務員は、年齢とともに昇給があった。また高度経済成長の時代のなかでボクは成長したのだが、親の給与も、経済成長率のあとを追って伸びていった時代であった。
だからといって、豊かな生活ではなかった。でも当時は、今のようにお金があっても「もの」がなかったから、経済的な格差は表には出てこなかったように思う。また家の周囲も田畑がひろがるところであり、農家も贅沢な暮らしをしていなかった。だからカネがなくても、格差を実感しないで生きてこられたのだと思う。
今は、格差がはっきりと見えるから、貧しい家庭、とりわけひとり親家庭は大変だと思うし、子どもを育てていくことの困難さは、昔の比ではないと思う。
ボクはこういう問題を考えるときに、いつも「底辺の視座」ということを思う。これについてボクはいつも話してきた。社会は、底辺からみるととてもよく見える、と。解決策も同じだ。底辺に生きざるをえない人々が幸せになる社会こそが、みんなが幸せになることができるのだ。豊かな人たちにではなく、困難を抱えている人たち、経済的、時間的に厳しいなかで子どもを育てているひとり親家庭、こういう人たちに安心できる環境を整えることこそが、必要なのだ。
この本には、具体的な提案がたくさんある。こういう提案がどんどん実現されていけば、社会も安定していくだろう。
民生委員時代、「ひとり親家庭」を訪問したが、すべての母親の顔は疲労の色を濃くしていた。たいへんだろうなと思いながらも、決められたことしかしてあげなかったが、今もしっかりと生きているだろうか。
現在の政府の政策は、格差をより拡大しようとする方向に動いている。しかし、それを人々は押しとどめようとはしていない。選挙結果がそれを物語る。
困難の原因を考えるためには、社会科学的な思考が必要だ。日本人は、それが弱い。だから改善されないのだ。いつも少数の人が苦しい中で運動をして、何とか悪化にブレーキをかけることができている。だが、現状を見ると、もうぎりぎりだ。
本の帯には、「これ以上、がんばれない・・・」だけが記されている。こういう現実は変えなければならない。
是非読んで欲しい。