浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

衆院憲法審査会、憲法学の専門家3人を招いて参考人質疑

2015-06-04 22:05:39 | その他
まず『産経新聞』記事。「与党参考人が安保法案「違憲」 “人選ミス”で異例の事態 野党「痛快」 憲法審査会」という記事である(産経新聞6月4日(木))


 衆院憲法審査会は4日、憲法学の専門家3人を招いて参考人質疑を行った。憲法解釈変更による集団的自衛権の行使を含む新たな安全保障関連法案について、与党が推薦した参考人をはじめ全員が「憲法違反だ」と批判した。与党が呼んだ参考人が政府の法案を否定するという異例の事態となり、“人選ミス”で墓穴を掘った。

 自民党や公明党などが推薦した早稲田大の長谷部恭男教授は審査会で、安保法案について「憲法違反だ。従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない」と明言した。

 これに対し、法案作りに関わった公明党の北側一雄副代表は「憲法9条の下でどこまで自衛措置が許されるのか突き詰めて議論した」と理解を求めた。だが、長谷部氏は「どこまで武力行使が新たに許容されるのかはっきりしていない」と批判を続けた。

 関係者によると、自民党は参考人の人選を衆院法制局に一任したという。ただ、長谷部氏は安保法案に反対する有識者の団体で活動しているだけに調整ミスは明らか。「長谷部氏でゴーサインを出した党の責任だ。明らかな人選ミスだ」(自民党幹部)との批判が高まっている。

 審査会幹事の船田元(はじめ)自民党憲法改正推進本部長は、長谷部氏らの発言について、記者団に「ちょっと予想を超えた」と釈明。船田氏はその後、佐藤勉国対委員長から「自分たちが呼んだ参考人の発言だから影響は大きい。安保法制の議論に十分配慮してほしい」と注意を受けた。

 一方、野党は衆院平和安全法制特別委員会で「政府・与党の矛盾」を追及する構えだ。審査会で長谷部氏の発言を引き出した民主党の中川正春元文部科学相は党代議士会で「憲法審査会で久しぶりに痛快な思いをした」と満足げに語った。


 そして『東京新聞』の「安保法案 参考人全員「違憲」 衆院憲法審 与党推薦含む3氏」という記事。これは夕刊に載っている。要するに、与党が呼んだ参考人すら、集団的自衛権の行使容認は憲法上許されないというのだから、安倍政権がやろうとしていることはいかにむちゃくちゃかということなのだ。

 衆院憲法審査会は四日午前、憲法を専門とする有識者三人を招いて参考人質疑を行った。いずれの参考人も、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案について「憲法違反」との認識を表明した。自民、公明両党の与党が推薦した参考人を含む全員が違憲との考えを示したことで、衆院で審議中の法案は憲法の枠内だとの政府の主張に対する疑義が鮮明になった。

 参考人として出席したのは、自民、公明、次世代の各党が推薦した長谷部恭男(はせべやすお)早稲田大教授、民主推薦の小林節(こばやしせつ)慶応大名誉教授、維新推薦の笹田栄司(ささだえいじ)早稲田大教授の三人。

 長谷部氏は、安保法案のうち集団的自衛権の行使を容認した部分について「憲法違反だ。従来の政府見解の論理の枠内では説明できず、法的安定性を揺るがす」と指摘。小林氏は「私も違憲だと考える。(日本に)交戦権はないので、軍事活動をする道具と法的資格を与えられていない」と説明した。笹田氏も「従来の内閣法制局と自民党政権がつくった安保法制までが限界だ。今の定義では(憲法を)踏み越えた」と述べた。

 いずれも民主党の中川正春委員の質問に答えた。法案提出前の与党協議を主導した公明党の北側一雄委員は「憲法の枠内でどこまで自衛の措置が許されるかを(政府・与党で)議論した」と反論した。

 国際貢献を目的に他国軍支援を随時可能にする国際平和支援法案が、戦闘行為が行われていない現場以外なら他国軍に弾薬提供などの後方支援をできるようにした点について、長谷部氏は「武力行使と一体化する恐れが極めて強い。今までは『非戦闘地域』というバッファー(緩衝物)を持っていた」と主張した。

 小林氏は「後方支援は特殊な概念だ。前から参戦しないだけで戦場に参戦するということだ。言葉の遊びをしないでほしい。恥ずかしい」と述べた。

 審査会は、参考人が立憲主義や改憲の限界、違憲立法審査をテーマに意見を述べた後、各党の委員が質問する形で進められた。

 安保法案をめぐっては、憲法研究者のグループ百七十一人が三日、違憲だとして廃案を求める声明を発表したばかり。安倍政権の憲法解釈に対し、専門家から異議が強まっている。



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「きみに贈る本」

2015-06-04 20:38:07 | 
 『東京新聞』夕刊に、「作家が選ぶ君に贈る本」というコーナーがある。今は佐川光晴さん。

 実はボクはこの作家を全く知らなかった。したがって一冊も読んでいない。

 しかし、この作家が薦める本、そしてその本の内容を説明する内容は心地よい。優しさをもった文章だ。今日は『よろこびの日』。岩波少年文庫だから、子ども向けか。作者は、シンガーという人、ノーベル文学賞を受賞しているそうだが、まったく知らない。

 60歳を過ぎてから、ここに載せられている文を書いたそうだ。自分を知るためには、自分がどんな人たちとともに生きてきたのかを振り返ったのだ。

 シンガーは、ワルシャワで生まれたユダヤ人。ナチスドイツに占領され、シンガーが生まれ育ったところは消え去った。だから生まれ育ったところはない、だから自分自身の思い出のなかに生きる人々を描いた。

 読みたいと思う。しかしもうこの本は販売されてはいない。だから図書館に予約した。

 
 ボクが生まれ育ったところは今もある。だが、子どもの頃の風景は消えている。

 広々と広がっていた田んぼは今はない。ところどころに家が建っている。家の前の寺院。そこにはたくさんの松の木があった。その松の木をボクはすべて登り、てっぺんからあたりを睥睨した。隣のおばさんから、「こらっ!あぶないからすぐに降りなさい」と言われたその松は、今は数本しか残っていない。

 あたりの家も建て替えられている。そして住んでいる人も代が替わって、ボクが子どもの頃大人だった人々の姿はない。唯一、ボクの母親だけが生きている。

 家の庭には、秋になるとコスモスが乱れ咲いていた。その花をとって、花弁を一つおきに抜いていき、それを空に投げる、するとコスモスの花はくるくる回りながら落ちてくる。そのコスモスもない。いつの頃か、一挙にコスモスは我が家の庭から消えた。ボクはコスモスを復活させようと種を買ってきて植えてみたが育たない。何度か試みて今はやめた。

 シンガーのように、ボクはどんな人たちと生きてきたのか、を振り返ってみたいのだが、今はその時期ではない。自叙伝みたいなものを書かれた方が、その後亡くなってしまうことが何件かあった。たとえば歴史学者の江口圭一氏。『まぐれの日本近現代史研究』という本が贈られてきて礼状を出した。するとほどなく訃報が届いた。

 ボクはまだあの世に逝くわけにはいかない。

 そういえば、ボクが「贈る本」は決まっている。五味川純平の『人間の条件』だ。今は岩波現代文庫に入っている(全三冊)が、これだけは読んで欲しいと思っている(映画にもなっている。映画も、とても感動的だそうだが、ボクはみていない)。

 ボクは、この小説の主人公の梶に囚われながら生きている。

 
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「非正規雇用の若者はもう国民年金保険料(15,590円)を支払うな!ー老後は生活保護を受けよう!ー」

2015-06-04 09:36:44 | 政治
 藤田孝典氏の「非正規雇用の若者はもう国民年金保険料(15,590円)を支払うな!ー老後は生活保護を受けよう!ー」という意見は傾聴に値する。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/fujitatakanori/20150413-00044780/

 政策により、かくも非正規雇用が増え、さらに非正規雇用が恒常化させられようとしているとき、労働者は生活費を切り詰めて耐えなければいけないのだろうか。

 耐え忍ぶ、これは美徳とされてきたが、いつも弱者に強いられてきたものだ。弱者はときに、「居直る」ことも必要ではないか。

 「いい加減にしろ!」という怒りが、今必要とされている。
コメント (1)
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女性週刊誌が動き始めた

2015-06-04 09:29:33 | 社会
 もちろんボクは女性週刊誌は読まない。しかし現在国会で審議されている「参戦法案」について、本質的な情報を提供しているようだ。

リテラの記事。

 http://lite-ra.com/2015/06/post-1156.html
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「社会保障」よりも「安全保障」の安倍

2015-06-04 09:02:40 | 政治
 腐臭を放つ日本年金機構。個人情報流出の問題に、郷原氏の怒り。監視する第三者機関を廃止したのは、安倍政権。

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160423/1


 そして郷原氏のブログ。

https://nobuogohara.wordpress.com/
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