タイトルは、『選択』10月号の記事である。 COVID-19について相対的に正しい報道をしてきたのは、この『選択』である。一般のマスコミは腰が据わらず、批判的な記事もあったが、多くは政府広報をそのまま報じてきているのが実状である。
COVID-19対策で日本が失敗している理由は、何度も書いてきたが、「感染症ムラ」がおのれの利権のためにPCR検査を抑制しているからだ。その一方で、未だ効果があるのか、製造できるのか全く不明のワクチンについては全額国庫負担などと言っている。本当に日本の公衆衛生は狂っている。「感染症ムラ」が担っているからだ。
この『選択』の記事も、こう書いている。
「 pcr検査の抑制などコロナ対策の失敗の根源には、厚労省・国立感染症研究所(感染研)・保健所などで構成される「感染症ムラ」の利権確保の思惑がある。この「感染症ムラ」をはじめとする官僚機構と制御するのは政治の役割で、政府でその任を担うのが加藤であり、与党では田村だった。しかし2人がその役割を果たしたとは言えない。」
厚労相であった加藤は、「事務レクでは、医務技監や医系の局長・課長の説明を追認するだけだった」という。要するに加藤は「感染症ムラ」の庇護者であったのである。
政府は、日本のコロナ対策は成功したと語っているが、しかし感染者の数はなかなか減っていかない。
記事では、こういう数字を挙げている。
「確かに、欧米と比べれば日本の死者数は少ない。人口10万人あたり1.2人で、米国(61.0人)、英国(61.7人)とは比べものにならない。ただ、欧米と日本では、流行したウイルスの遺伝子型が異なり、、一概には比較できない。またアジアでは、中国0.33人、韓国0.8人、台湾0.03人より多く、ベトナム0.04人、タイ0.08人、マレーシア0.4人にも及ばない。」
要するに、日本のコロナ対策は失敗したということだ。しかし厚労省はじめ政府はそれを認めない。
また日本経済の落ちこみは大きい。
記事は、以下のように記している。
「日本のコロナ策は失敗だったと言わざるを得ない。最大の問題はpcr検査を抑制し、ひたすら「三密回避」と唱え続けてきたことだ。これでは国民の不安は解消されず、消費が落ち込む。世界各国が検査を増やし、実際に陰性を確認することで、国民に安心を提供してきたこととは対照的だ。迷走を続ける日本のコロナ対策は、A級戦犯2人のかじ取りでどこに向かうのだろうか。」
私はこのブログで何度も同じことを記してきたが、しかし一向に改善されない。こういう状況の中で、「GO TO 〇〇」を行い、特定の企業にカネをまくことによってどれほどの経済的効果が生まれるのか。
若い人は動くかも知れないが、感染したくない、金を持つ中年以上の人びとは動かないだろう。経済的回復を図るためには、何度も書くが、PCR検査を拡充するしかない。ワクチンよりも、検査が優先されるべきである。
厚労省の医系技官こそ、A級戦犯である。