浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

きわめて知的な論

2020-10-25 21:29:27 | 読書

 日本人よりもよく勉強している。韓国の知的水準の高さに脱帽。

軍国主義批判した日本の政治学者「国家と宗教の誤った結合、ナチズムに帰結」

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

時間

2020-10-25 20:20:52 | その他

 今日自宅の庭で育てている花の世話をしていたら、近所の男性が話しかけてきた。彼は65歳になって民間企業を退職した。今までずっと会社で働いていて、休日は友人と飲みに行くという生活をしていた。ところが定年で退職したら、何もすることがない。そこで私に、どのような生活をしているかを尋ねてきたのだ。

 彼は時間をつぶすために、朝夕と2回散歩し、ネットを見たりしているが、ほとんどの時間を無為に過ごしている、頭を働かせるために株式の投資でもしようかと思っている、というのだ。また職場から離れてしまったので、一挙に人間関係もなくなり、家族くらいしか話す人はいないともいうのだ。

 近所には、他にも定年退職した人がいるが、その人は一日一回の散歩をして、まだ働いている奥さんの送迎のために車を出すという生活をしている。もう一人は、パチンコに行くことで日々を過ごしている。

 ずっと仕事をしてきた男たちは、退職するとなにもすることがなくなる。悲惨である。

 彼らと話すとき、私は農業でもやればと提案する。

 今日も私は畑に行って里いもを掘り出した。そこから急に蛙が跳びだしてきて、あわてて私は謝った。「起こしてゴメン」と。

 農作業は自然(太陽、雨、風、雲・・・・)との対話であり、この世に生きる他の生物との共生を確かめることでもある。ただ単に農作物をつくることだけではない。今までの労働とは全く異なるが故に、発見することも多い。

 しかしその提案は即却下される。

 日本人の多くは、何をしても良いという自由があっても、その自由のつかいかたを知らない、教えられていない。

 労働して賃金を得るということは、人生の時間を賃金を払う側によって拘束される、ということだ。私はその拘束に我慢してきたが、もういやだと思い、定年前にやめてしまった。それからは自由に本を読み、歴史の編纂事業に参加し、市民運動にも関わり、また農作業に励むようになった。今秋からは、タキイ種苗の会員となった。近所のホームセンターで売っている花は一般的なものが多いので、来春からは珍しい花でも育てようと決意したのだ。

 何をしてもよい自由があっても、どうしてよいかわからない男たち。そういう男性を図書館でも見かける、本を読むでもない。新聞は読んでいるが、そうでなければぼーっとしている。

 もったいない、と思う。せめて本を読む習慣があればと思う。本の中には、今まで知らなかったことが書かれている。小説では様々な人間の姿が描かれている。本を読めば、自分自身の視野は広がっていく。『韓国の民衆美術』を読んで感動し、ホンソンダムの『ひとが ひとを呼ぶ』(夜光社)を購入して光州民衆争乱の版画を見、韓国の民衆美術とつながる富山妙子の『アジアを抱く』を読んで感動し、富山とコラボした高橋悠治の音楽を聴く・・・・次々と新たなことが現れて来る。働いていればこんなことはできない。

 限られた人生の時間を、豊かな生をつくりあげるために自由につかいたい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【翻訳】 Misuse of SARS-CoV-2 testing in symptomatic health-care staff in the UK

2020-10-25 13:47:29 | コロナ

 これもランセットの記事である。感染者を増加させないためには、「日和見主義的で頻繁な検査を全国的に実施することが唯一の防御策」とあるが、その通りである。なお記事中にあるが、PCR検査の検出感度は、そんなに低くなく、ほぼ100%に近いことを付記しておく。

Misuse of SARS-CoV-2 testing in symptomatic health-care staff in the UK

 英国における症状のある医療従事者へのSARS-CoV-2検査の誤用

 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV-2)の無症状の医療従事者を対象とした検査は、タイムリーで論理的であり、英国政府が流行期に行っていたNHS(National Health Service)のスタッフに対する検査戦略とは対照的であった。NHSのスタッフへの検査方針は、症状のあるスタッフを検査するだけで、陰性の結果が出たスタッフを仕事に復帰させることで欠勤を減らし、その結果、意図的に自己隔離の期間を減らしていた。

 マット・ハンコック健康保健医療担当大臣は、「我々は[NHS職員の欠勤を]減らしたいと考えており、そのための方法は、検査の量を増やすことである」と述べている。この検査方法は、その後、公共部門の労働者の他のグループにも適用された。

 英国政府のSARS-CoV-2検査を無症状の伝播者の検出率を高めるためではなく、欠勤者数を減らすための戦略として利用しようとしたことは、SARS-CoV-2・PCR検査の有用性に関する誤った分析と誤解の表れであった。WHOはこうした検査を陰性の場合の妨害であるとして使用しないように明示的に助言してる。

 検査の検出感度は83%と低いかもしれないし、私たちの診療では、この数値はもっと低いと考えている同僚も少なくない。そのため、自己隔離をしているスタッフを、感染させないために十分な自己隔離が完了していないうちに仕事に復帰させることは、他のスタッフや患者、ケアレシーバーへのウイルスの拡散をかなりの数で増加させる可能性がある。症状に関係なく、NHSとソーシャルケア部門のスタッフを対象とした日和見主義的で頻繁な検査を全国的に実施することが唯一の防御策であり、この検査はWHOの既存のガイダンスにあるように、標準的検査として行われるべきであり、妨害的な検査ではないのである。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【翻訳】An open letter to Japan's new Prime Minister

2020-10-25 08:50:20 | コロナ

 ランセットの記事である。ここでも世界標準で行われている検査・追跡、隔離などを通して COVID-19の封じ込めに努力すべしということが指摘されている。もし日本がニュージーランド並みの封じ込めに成功したなら、世界から絶賛されることだろう。残念ながら、厚労省の医系技官の意見を重視しているがために、今もってPCR検査は抑制され、そのため全国各地で集団感染が起こり、 COVID-19封じ込めの手がかりはまったくなく、逆に感染者数増加へと向かっている。

 この公開された書簡が実現されることはないだろうと思いながら翻訳した。意識ある方々に参考にしていただければと思う。

An open letter to Japan's new Prime Minister

2020年9月16日、安倍晋三前首相の辞任を受けて、菅義偉が日本の新首相に就任した。

安倍総理の政治的遺産の一つに、日本のグローバルヘルスへの関与があった。安倍は、人間の安全保障と健康保険の首唱者である。安倍首相のリーダーシップの下、日本はWHOの機能を強化し、パンデミック緊急時資金調達基金(Pandemic Emergency Financing Facility)と疫病対策革新連合(Coalition for Epidemic Preparedness Innovations)を設立することにより、世界的な保健安全保障システムの刷新に貢献したが、これらはすべて、現在進行中のCOVID-19への世界的な対応において重要な役割を果たしている。

しかし、日本のCOVID-19への現在の対応には大きな課題がある。COVID-19の死亡率は比較的低いが、その結果の背景にある理由は、近隣の東アジア諸国の他の成功事例と同様に理解されるわけではない。日本の初期対応から得られた重要な教訓は逸話的であり、政府の対応について正式な科学的評価は行われていない。

政府は現在、「Go To Travel」キャンペーンで国内旅行を加速させ、「Go To Eat」キャンペーンでレストランでの食事を奨励している。説明責任の欠如は、政府の放任主義的なアプローチと相まって、最近のCOVID-19の大規模な復活をもたらした。
COVID-19への対応における日本の喫緊の課題は、菅首相にとって最優先事項である。 説明責任の欠如は、政府の自由放任主義的なアプローチと結合して、最近のCOVID-19の大規模な復活をもたらした。
COVID-19への対応における日本の緊急の仕事は、菅首相にとって最優先事項とすべきである。

第一に、厳格な手段を講ずることなく社会経済活動を維持し、長期的な経済的コストを最小限に抑えるためには、包括的な検査戦略を策定し、PCRと抗原検査の両方の能力を増強することが不可欠である。十分な検査と追跡能力を確保し、それぞれの地域で医薬品以外の管理された介入を実施することにより、COVID-19の感染を迅速かつ効果的に食い止めることができるだろう。第二に、脆弱でリスクの高い人々を支援することで、COVID-19の全体的な影響を軽減することができる。科学的評価に基づいたリスクを基礎にしたボトムアップのアプローチが検討されるべきである。「新しい生活様式」キャンペーンのようなトップダウン的な方法で実施される過度に単純化された実践は、エッセンシャルワーカー、移民労働者、サービス部門には適用されないかもしれないのである。最後に、何よりも重要なのは、第一線で働く医療従事者を守ることである。医療従事者の過剰な負担は増大している。エッセンシャルワーカーへの定期的な保護スクリーニングは、感染を減らし、労働力のさらなる枯渇を緩和し、彼らの健康状態を維持することになる。

COVID-19は、セクター全体の課題を提起し、人間の安全保障という課題において根本的な不平等を明らかにしてきた。日本の医療制度も例外ではない。国民の生活を救い、経済を活性化させるという菅首相の熱意を考えれば、私たち医療従事者や科学者は、菅首相が、脆弱でリスクの高い人々への共感を示し、第一線で働く人々を守ることによって、危機を管理し、コントロールすることを期待している。

人間の命を守ることを優先する日本の外交政策の基本的な価値観である人間の安全保障へのアプローチが極めて重要である。 活性化された科学と技術革新を通じたCOVID-19の国内封じ込めは、世界と地域の保健安全保障を強化することになる。このようなアプローチは、日本が、政治的な関心の高かったCOVID-19への対応を改め、パンデミックを終わらせるための世界保健政策においてリーダーシップを発揮するのにも役立つだろう。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大阪の住民投票

2020-10-25 08:50:20 | 政治

 すでに大阪都構想に関する住民投票(大阪市の廃止が本質)については、このブログに書いた

 11月1日が投票だというが、大阪市民が賢明な判断を下すことを願うばかりだ。賢明な判断というのは、もちろん「大阪市廃止反対」である。

 しかし橋下をはじめとする維新の政治家が推進してきた新自由主義的な施策は、全国で行われている。公務員を減らす、保健所を減らす、公営の事業を民営化する・・・・

 大阪市の財政を食い物にすることを目的とした今回の動き、全国の人たちは大阪の住民投票に関心をもっているようだが、足元の自分自身が居住する自治体の施策についても関心を抱くべきだ。

 大阪維新が先頭になってやっている新自由主義的な施策は、全国の自治体が推進していることを忘れてはならない。明日は我が身である。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする