浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

宮沢賢治

2022-12-15 20:39:03 | 日記

 書庫に、ちくま文庫の宮沢賢治全集がある。若い頃、宮沢賢治は読まなければならないと思い買い求めた。しかし読んでいない。残り少ない人生、保管している本をつぎつぎと処分してきているが、全集ということになると捨てようという気持ちが萎える。

 おそらく母が買ったものだろうが、実家の本棚で、井上ひさし他『宮沢賢治に聞く』(ネスコ 文藝春秋 1996年)を見つけて読みはじめた。

 宮沢賢治に関してはほとんど読んだことはない。東京演劇アンサンブルの『銀河鉄道の夜』を見たことはあるが、本は揃っていても読んで来なかった。

 しかしこの本を読んで、ユニークな人生を送った変わり者の賢治に大いなる魅力を感じた。賢治は、子どものこころを持ち続けたのではないかと思った。人間は、成長するにつれて子どものこころを忘れ去っていく。子どもは、どんなことでも新鮮に感じる。成長するということは、新鮮さを感じる力をなくしていくことでもある。

 今まで宮沢賢治を読んでこなかったことは、人生の損失ではないかと思うほどだ。

 花巻も一度行ってこなければならないようだ。観光の動画を見たが、花巻の文化の厚みを感じた。

 昨日今日は強い風、それも冷たい風が吹き荒れた。昨日畑に行ったら、敷いたマルチが強い風でめくれあがっていた。今日はマルチがとんでいないかを確認するために行っただけ、すぐに退散。

 

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レイシズム

2022-12-15 08:05:41 | 社会

 『世界』1月号の本の紹介文を読む。秋元由紀氏、押野素子氏による「ベストセラーが照らすアメリカ黒人の生」はとてもよかった。紹介されているのは、岩波書店刊行の『評伝モハメド・アリ』と『カースト』である。それぞれ秋元氏、押野氏が翻訳したものだ。この対談を読んでいると、レイシズムに対抗するきちんとした本がアメリカでも発売されていて、多くの人々に読まれていることがわかる。人種差別の激しい国だからこそ、それを克服しようとしている人びとも多いということなのだろう。

 読みたくなった。

 押野氏は、「勤務先にアジア系の女性弁護士がいるのですが、最初、優しく対応していた白人の同僚たちは、彼女が有能とわかった途端、態度を一変させた。」、『カースト』を読んで、「支配カーストである白人は、有色人種の人間が期待するイメージから外れ、競争相手になることに、とても強い抵抗感をもっている。」ことがわかったと語る。

 この「白人」に「男性」をあてはめ、「有色人種の人間」を「女性」にすると、日本に於ける女性嫌悪にもあてはめることができる。

 秋元氏は、それをうけて「支配カーストがつくった社会構造は、被支配カースト同士が争うような仕組みになっている」と語る。

 日本の女性のなかには、女性をからかい、揶揄し、男たちの機嫌をとろうとする者がいる。他の女性との間に対立をつくり、それによって男たちの歓心を得るのだ。某女性国会議員がその典型である。

 自立的思考や知的能力をもたない女性が、なんとかのし上がりたいという野望を持つとき、他の女性、とりわけフェミニストたちを口汚いことばを駆使して排撃することにより注目を浴びようとする。醜悪というしかない。

 そういう知性をもたない者を抜擢するという日本の政治風土の貧しさ。日本社会の劣化の象徴であろう。

 『カースト』、『評伝モハメド・アリ』を読みたくなった。しかしなかなか高額で買うわけにはいかない。しばらくしてから図書館から借りようと思う。

 

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