先日、もと毎日新聞記者で、大宅壮一ノンフィクション賞を得たHさんから電話があった。最近静岡市に住むようになり、市営沓谷霊園の大杉栄らの墓(この墓には、大杉栄、伊藤野枝、橘宗一の遺骨が葬られている)に行き、たいへん感動した、ということであった。
Googleの地図には、大杉らの墓が示されているが、タクシーで行く場合はほかのところに連れて行かれることがある。はじめて行かれる場合は、静岡東中学校の西側、長源院の入り口付近の交差点で降りて、霊園沿いに西方に向かい、左側にある入り口から入ればすぐに大杉らの墓を見つけることが出来る。
大杉栄・伊藤野枝・橘宗一墓前祭は、昨年の虐殺100周年で、いちおうの幕を引いた。墓前祭は断続的に行われてきた。最近では、2013年から2023年まで毎年9月に行われてきた。
その実行委員会では、「沓谷だより」を発行してきた。今でもそれを求める方がいるが、現在では最終号しか残っていない。
今まで大杉についてはいろいろ論じられてきたが、この数年、野枝に注目が集まっている。東大の加藤陽子さんが、NHKの「100分で名著 フェミニズム」で、野枝を取り上げたこと、あるいは「風よ あらしよ」としてNHKのドラマになったり、それが映画化されたりしたからでもある。
野枝については、もっともっと注目されても良いと思う。私は学生時代から野枝が好きで、彼女の全集はもとより彼女に関係する書物を多数、今でももっている。
時間的余裕がでたら、もう一度野枝について考えようと思っている。
さて、大杉らの墓を訪ねた方は、北街道沿いの古書店・水曜文庫に行くとよい。そこでいろいろな情報が手に入るはずである。Hさんも、そこを訪ねていったそうだ。