浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

学校教育の危機

2025-01-06 13:52:49 | 学校・教育

 このブログを立ち上げるに、いまだ時間がかかる。しかし修復にこれほど時間がかかったことを思うと、goo の技術力にも疑問符がつく。ブログの移転を検討しようと思う。こういう事態が二度と起こらないように、である。

 さて「教職離れにジェンダー格差 採用倍率「過去最低」、精神疾患で休職「過去最多」の新たな異変に迫る」という記事をみつけた。

 この報告には、さもありなんというしかない。学校教育の担い手が、たいへんな状況になっているということだ。その徴候がすでに現れていたのに、文科省はまったく手を打ってこなかった。この責任は、文科省が負うべきものだ。

 文科省が今まで行ってきたのは、ただ教育統制、統制の強化であった。ネトウヨに牛耳られた自由民主党の文教族、それは安倍派であるが、文科省は、彼らの要求に唯々諾々と従い、教育の国家統制を強化し、教職員への管理統制をすすめてきたからだ。

 教職員の統制について記すと、まず教職員に差別と分断を持ち込んだことだ。わたしが教員になった頃は、校長ー教頭ー一般教職員(各分掌、教科の主任はいたが、それは教職員による互選であった)で、きわめて平面的な組織構造であったが、文科省は、まず校長ー副校長ー教頭ー一般教職員(主任は管理職の任命となった)という階統制を導入した。そして教職員に「主幹教諭」を設け、さらに管理職による勤務評価により給与に差を付けるようになった。

 学校現場は、教職員同士の信頼関係と協力とによって成りたつ。いろいろな問題が起きれば、教職員が一丸となって取り組むなかで、問題は解決される。階統制を導入し、そこに勤務評定による給与の差を導入すれば、相互の信頼と協力関係にヒビが入ることは、教職員組合が主張してきたことだ。

 自民党右派と文科省は、教員の組合を敵視し、その破壊を目論見、その姿勢は一貫している。

 また子どもたちの成績評価についても、「観点別評価」というわけのわからない制度を導入し、教職員の仕事を増やした。

 わたしの在職中、歳を重ねるごとに、教科教育以外の雑用が年々増えてきたことを思い出す。わたしは定年前にやめたが、「もうやってられないよ」という気持ちでやめたのである。健康的な生活を送るためには、やめた方がよいという結論であった。

 わたしが退職してから10年以上経つが、おそらく教員への統制、教育統制はさらに強化されてきていることだろう。また教職員を増やさず、できうるかぎり安上がりで自民党右派・文科省の教育を押しつけようとしてきた結果、子どもの登校拒否は増え、病む教職員も増えてきたのだ。

 教職員が、精神的に追い込まれたり、休職したりするのは予想できたことだ。また当然、教職という仕事につこうという人も減るだろう。

 それは自民党、文科省が望むところでもあった。学校教育は利権とならないために、支配層は、カネを投下したくないのである。そして富裕層は私学に子弟を入れ、公教育には関心をもたない。

 庶民が公教育について考え、教育統制に抵抗しない限り、学校教育はよくならないだろう。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ブログが不調のまま | トップ | 浜松にドーム型野球場新設? »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

学校・教育」カテゴリの最新記事