3月19日、神奈川県中小企業団体連合会主催の「CSR・環境ビジネスセミナー」にパネラーとして出席しました。CSRと環境をテーマにしたディスカッションでしたが、同じくパネラーとして参加された企業、組合さんが非常に面白く有意義な時間を過ごすことができました。
神奈川県相模原市にある、ビルの清掃・設備管理・環境衛生を一手に手掛ける「さがみビルメンテナンス協同組合」の鈴木正博理事長。2003年、ビルメンテナンスの組合としては初のISO14001を取得(因みに組合の全構成企業を含めての取得は全国初)した他、毎年環境報告書を作成することで水質汚濁とは切っても切り離せない運命にある清掃事業にあって環境対策への意識向上と情報公開を積極的に行なっていらっしゃいます。
そればかりでなく清掃・設備管理という事業の性質そのものを活用し、地元桜祭りの「空き缶清掃キャンペーン」や中学生の就業体験受入れ、マンション管理者として高齢者の就業訓練を行なうなど地域貢献にも大変積極的です。鈴木理事長は思いのたけを非常に情熱的な語り口で述べられる方で、その「想い」が組合員企業をまとめこれだけ幅広い活動を実現させている原動力ではないかと感じました。
もう一方は愛媛県今治市にある「池内タオル」の池内計司社長。デザイナーズブランドの下請け生産からの脱却を図るため1999年「環境」をテーマにした独自ブランドIKTを構築。 「最初の品質が長続きする商品が環境にもっとも優しい」という信念の下、10回洗濯しても最初の風合いが変わらないというだけでなく、
・原料・糸に使用する綿は枯葉剤を使用しない全てオーガニックコットン
・染料は乳幼児が口にしても安全なもの
・織機の動力を風力発電で賄う(ということで「風で織るタオル」と呼ばれているそうです)
・最終仕上げは石鎚山系の地下水を使用
・廃水はCOD12ppm以下
等々 、人と環境への安全に対しては妥協を許さぬ徹底した拘りぶりです。また、太さの異なる糸、モーダルやポリエステルなど綿以外の素材を組み合わせることで、染色の微妙な違いによる独特のグラデーション(地元の来島海峡をイメージしているそうです)と”Miracle Softness”と形容される風合い感で次第に人気を呼び、2002年のNYホームテキスタイルショーで日本企業として初の"Best New Product Award"を受賞。
池内社長曰く「環境=品質であるというストーリーが重要」とのことで、その信念が共感を呼び、差別化の難しくコモディティ化したタオルという商品にあって多くの熱いファンを獲得するに至ったのであろうと思います。何でも、取引先倒産の煽りで自らも民事再生を申請する事態に陥った危急存亡の折、消費者から自発的に「がんばれ池内タオル」というファンサイトが立ち上がり、会社に「私が何枚買えば池内タオルを救えますか」との問い合わせが寄せられたとか。 そこまで愛される企業が果たしてどれだけあるでしょうか。機会があれば是非四国にお邪魔して改めてじっくりお話を伺いたいと思います。
ここにあげた「さがみビルメンテナンス協同組合」さんにせよ、「池内タオル株式会社」さんにせよ、パネルディスカッションの中で感じたのは”Profit”よりも”Value”に生きる強い姿勢、それによってブレない企業行動を作り上げているという点です。また、自らの事業が持つ「公共性」を驚くほど深く認識しそれによってできることを徹底して行なう。この姿勢は同様に「公共性」を強く持つ我々再生資源業界にとって大いに参考になります。3時間半に及んだディスカッションが時間の経過を感じさせないほど多くを吸収できた一日でした。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/ny_kimono_m.gif)
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神奈川県相模原市にある、ビルの清掃・設備管理・環境衛生を一手に手掛ける「さがみビルメンテナンス協同組合」の鈴木正博理事長。2003年、ビルメンテナンスの組合としては初のISO14001を取得(因みに組合の全構成企業を含めての取得は全国初)した他、毎年環境報告書を作成することで水質汚濁とは切っても切り離せない運命にある清掃事業にあって環境対策への意識向上と情報公開を積極的に行なっていらっしゃいます。
そればかりでなく清掃・設備管理という事業の性質そのものを活用し、地元桜祭りの「空き缶清掃キャンペーン」や中学生の就業体験受入れ、マンション管理者として高齢者の就業訓練を行なうなど地域貢献にも大変積極的です。鈴木理事長は思いのたけを非常に情熱的な語り口で述べられる方で、その「想い」が組合員企業をまとめこれだけ幅広い活動を実現させている原動力ではないかと感じました。
もう一方は愛媛県今治市にある「池内タオル」の池内計司社長。デザイナーズブランドの下請け生産からの脱却を図るため1999年「環境」をテーマにした独自ブランドIKTを構築。 「最初の品質が長続きする商品が環境にもっとも優しい」という信念の下、10回洗濯しても最初の風合いが変わらないというだけでなく、
・原料・糸に使用する綿は枯葉剤を使用しない全てオーガニックコットン
・染料は乳幼児が口にしても安全なもの
・織機の動力を風力発電で賄う(ということで「風で織るタオル」と呼ばれているそうです)
・最終仕上げは石鎚山系の地下水を使用
・廃水はCOD12ppm以下
等々 、人と環境への安全に対しては妥協を許さぬ徹底した拘りぶりです。また、太さの異なる糸、モーダルやポリエステルなど綿以外の素材を組み合わせることで、染色の微妙な違いによる独特のグラデーション(地元の来島海峡をイメージしているそうです)と”Miracle Softness”と形容される風合い感で次第に人気を呼び、2002年のNYホームテキスタイルショーで日本企業として初の"Best New Product Award"を受賞。
池内社長曰く「環境=品質であるというストーリーが重要」とのことで、その信念が共感を呼び、差別化の難しくコモディティ化したタオルという商品にあって多くの熱いファンを獲得するに至ったのであろうと思います。何でも、取引先倒産の煽りで自らも民事再生を申請する事態に陥った危急存亡の折、消費者から自発的に「がんばれ池内タオル」というファンサイトが立ち上がり、会社に「私が何枚買えば池内タオルを救えますか」との問い合わせが寄せられたとか。 そこまで愛される企業が果たしてどれだけあるでしょうか。機会があれば是非四国にお邪魔して改めてじっくりお話を伺いたいと思います。
ここにあげた「さがみビルメンテナンス協同組合」さんにせよ、「池内タオル株式会社」さんにせよ、パネルディスカッションの中で感じたのは”Profit”よりも”Value”に生きる強い姿勢、それによってブレない企業行動を作り上げているという点です。また、自らの事業が持つ「公共性」を驚くほど深く認識しそれによってできることを徹底して行なう。この姿勢は同様に「公共性」を強く持つ我々再生資源業界にとって大いに参考になります。3時間半に及んだディスカッションが時間の経過を感じさせないほど多くを吸収できた一日でした。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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