窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

第62回YMSを開催しました

2015年09月18日 | YMS情報


  今回は僕が出席できなかったため、参加された方からのレポートになります。

  9月9日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第62回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。

  今回、株式会社カンザキメソッド代表取締役の神崎史彦氏による「これからの教育のゆくえ~2020年大学入試改革後の<学び>とは―~」というテーマでの勉強会でした。さらに2部では、神崎氏が自ら経営するこども向けの私塾でも取り入れているワークショップ、電子工作キット「litteBits」を使った学びの体験をさせていただきました。

  子どもがいない私は、子どもの教育について大変疎くてお恥ずかし限りですが、2020年には現・小学6年生(新・中学1年生)から大学入試が変わるといわれているそうです。文部科学省では中央教育審議会の答申を受け、センター入試廃止、一般・AO・推薦入試の区分廃止とともに、新テスト導入、多面的評価の実施を検討しています。つまり、いままでのような知識を詰め込んで筆記試験で高得点を出せばよい、ということではなく、問題解決能力の有無が問われる時代になることを示唆しています。

  学力の三要素は、1.探求 2.活用 3.習得 と言われています。特に社会に出て最も必要とされる「探求力」が今の日本人は低く、探求的な内容の教育も小学校・中学で不足していることが問題になっているのだそうです。

  なぜ、教育を変えたくても変えられないのか。現教職員が最大の抵抗勢力となるため、学習指導要綱がそう簡単には変えられないということが実情のようです。文部科学省もこの難題にまさに今、取り組んでいるんだ、ということを知りました。

  思い返せば確かに私の学生時代は、中間・期末試験の前に、ノートやテキストを丸暗記し、ひたすら数学のドリルを復習すれば、いい成績がとれる仕組みだったとおもいますし、テストの成績がよければ「優秀」と評価されていたとおもいます。そして、誰もが社会人になって、高学歴、有名大学出身の優等生が必ずしも仕事ができる、組織に高く評価される人とは限らないことに気付くのです。

  40~50代の私たちの職業人生は限られていますが、30年後の世界はどう変わるのか。「人工知能が人間の脳を超える」と言われています。つまり、コンピューターに任せれば仕事してくる世の中になると、従来の人間の職業が大幅に奪われていきます。会計士、税理士、弁護士の仕事も人工知能にとって代わられるだろうといわれています。その時代に生き残っていくのは、人工知能にとってかわられることのない、「クリエイティブで探求的な知恵」を持つ者のみとなります。

  なんだか、他人事ではない危機迫る耳の痛いお話でした。(汗)お子さんやお孫さんをもつ方にとっては、もっと考えさせられることが多かったのではないでしょうか。

  講義の途中で、こんなグループ討議の課題が与えられました。某有名私立大学の入試試験の過去の小論文問題です。

 「人は愛されることによって愛することを学ぶとは、アメリカの文化人類学者アッシュリー・モンタギューの言葉です。この言葉について具体的な例を挙げながら、あなたの考えを自由に述べなさい。(400字以内)」

こんな出題を私が高校3年生の時は、まともに回答できたかしら、、、「考えること」「探求すること」をあまり体験していなかった自分に気づかされました。



  第2部では、教育ICTに積極的に取り組んでいるゼッタリンクス株式会社 の浅川様のサポートによる、電子工作キットlittleBitsを用いたワークショップを体験しました。これは、今流行のプログラミング教育・IoT(モノのインターネット)の理解のための教材としても注目されているものです。簡単な電子モジュールのパーツをつないで、LEGOのように組み立てると自由な発想で自作の電気おもちゃが作れます。何をどうつなげると電流が流れて、パーツが動き、音や光を制御できるかを遊びながら考え学ぶことができます。



  米国ではすでに国家戦略としてsteam教育を積極的に実践しています。STEAMとは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、Art、数学(Mathematics)の略で、世界的な関心を集める「第4次産業革命」をけん引し、イノベーションを起こすための人材教育には小さい頃からこのSTEAMと呼ばれる教育が重要であるといわれているそうです。

  電子工作キットlittleBitsは情報通信技術を使った教材を用いて、小さい頃からITへの関心を醸成し、創造することの楽しさを体感させるために開発された米国生まれの玩具です。私は初めての体験でしたが、童心にかえって夢中になってしましました。私が小さい頃にこういった学びがあったらと思い残念でなりません。もしかしたら理系の進路を選んでいたかもw。



  ワークショップは、幼稚園から大人までどなたでも対象となり、少人数から100人規模でも、親子でも実施可能だそうです。ご興味がありましたら、是非このサイトを参照してみてください。

  とにかく、かつて私が学校で受けてきた教育よりも、現在、未来の教育はもっと創造的な探求心を高め、理系教育にシフトしているということを初めて思い知らされた、有意義かつ刺激的な学びでありました。



  懇親会は、Bar一期でいつものとおり★

過去のYMS活動レポートはこちら

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする