11月11日、mass×mass関内フューチャーセンターにおいて、第64回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。
今回の講師は株式会社Re-Creationの篠田真宏さん。「コミュニケーションギャップを解決しよう!」と題してお話しいただきました。
初めに、人に何かを伝達するために大切な思考パターンの順序として、TEDでのプレゼンでも知られているコンサルタント、サイモン・シネックの「ゴールデンサークル」という概念が紹介されました。即ち、What(何を)伝えるかというよりもHow(どうやって)伝えるか、さらにはWhy(なぜ)伝えるかを考えることが大切だということだそうです。NLP(神経言語プログラミング)開発者の一人でもあるロバート・ディルツはさらに細分化し、ニューロ・ロジカル・レベル(Where/When、What、How、Why、Who、Being)として体系化しています。
しかし、Whyから始めてもそれが思うように伝わるとは限りません。そこには今回のタイトルでもある「コミュニケーションギャップ」が生じるためです。ではなぜギャップが生じるのかということですが、それは人それぞれの脳に得意な思考・行動パターンがあるからなのだそうです(利き脳)。そこで、このパターンを四象限に分類したネッド・ハーマンの「ハーマンモデル」に基づいて、参加者の簡単な利き脳診断を行いました。篠田先生はこの四象限を分かりやすく以下のように表現されていました。
誠…左脳インプット、左脳アウトプット
礼…右脳インプット、左脳アウトプット
勇…左脳インプット、右脳アウトプット
義…右脳インプット、右脳アウトプット
ちなみに僕は、「義」タイプでありたいと思いつつ「勇」タイプなのかなと認識していましたが、実際に診断してみると「礼」タイプでした。そしてその後の解説を伺うとなるほど当てはまっているかもしれないと思いました。
この四つの利き脳の違いによって、どういう時に喜びを感じるかも違うのだそうです。例えば誠タイプであれば自由、礼タイプであれば一体感、勇タイプであれば可能性、義タイプであれば皆が喜ぶ、といった具合にです。
さらには脳が喜びを感じる自由、一体感、可能性、皆が喜ぶという概念も利き脳の違いによりそれぞれ受け止め方が異なるのだそうです。例えば、礼タイプであった僕にとっても「自由」は大事ですが、何を以て自由と感じるのかが異なるということです。言われてみればその通りなのですが、自分が日頃当たり前だと感じていることが、あくまで自分にとっての当たり前に過ぎないのだということに新鮮な驚きを感じ、反省もした次第です。
同じ概念でも受け止め方がそれぞれ異なるためにコミュニケーションのギャップが生じる。では、相手の利き脳を見極めて、それに合った言動をすればよいということになりますが、右利きの人が左手で箸を扱うがごとく、実際はそんな簡単ではなさそうです。
しかし、少なくとも人それぞれの利き脳パターンに違いがあることを認識すること。そして、より基本的なコミュニケーションの姿勢として、篠田先生は聖書の一節「それで、何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。」を挙げ、これを黄金律と呼んでおられました。一言で言えば、大切なのは「愛」であるということですが、その「愛」という概念さえも利き脳パターンの違いによって受け止め方に違いがあるので厄介です。
先ほども述べましたが、自分が日頃いかに「自分にとっての当たり前」で人に接してきたか、はっとさせられるお話でした。簡単なことではないかもしれませんが、少しでもこれからに活かせるようになっていきたいと思います。
次回、第65回YMSは12月9日の開催です。
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繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした