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3月9日、mass×mass関内フューチャーセンターにおいて、第68回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。
今回は2009年にイギリスで行われた”Blackpool Magic Convention”において優勝し、日本人初の欧州チャンピオンとなったマジシャンの日向大祐様より、「東大卒マジシャンに学ぶ、あなたの魅力を引き出すタネ-欧州チャンピオンが語る、マジシャンの本当の秘密」と題し、初歩的なマジック体験を交えながらビジネスにも役立つコミュニケーションのポイントについてお話しいただきました。
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マジックというとテクニックや仕掛けに注目が集まりがちですが、プレゼンテーション能力も重要な要素を占めています。むしろプレゼンテーション能力こそが重要だそうです。何故なら、マジックはたとえどんなにテクニックが優れていたり、仕掛けが凝っていたりしても、それが観衆に伝わらなければ意味を成さないからで、そういう点ではまさにマジックもマジシャンと観衆とのコミュニケーションと捉えることができます。
テクニック、仕掛け、プレゼンテーション能力の三要素が揃って初めて人はマジックを不思議だと思ってくれるわけですが、中でもプレゼンテーション能力が重要であることの証明として、まず身近な物を利用した簡単なマジックを披露していただきました。さらにその種明かしまで教えていただいたのですが、確かにテクニックも仕掛けも単純だと言えます。それでも我々が見て驚くのは、その伝え方にあるからだということが分かりました。
すなわち、魅力的なマジシャンはプレゼンの達人であるともいえ、受信発信力、相手の意図を読む力、言葉を選ぶ力、柔軟な反応力、これらがその条件となります。
では、マジックの魅力とは何かという「魅力」の定義ですが、
1.共感しやすいこと(感覚)
2.分かりやすいこと(論理)
3.印象に残りやすいこと(記憶)
だそうです。それは我々ビジネス界に於いてもプレゼンの魅力を構成する要素として共通だと思いますが、魅力を高めるために必要なのはどのようなリソースを揃えるかということよりも、既にあるリソースをいかに効率的に伝えることができるかということの方が大切なのだそうです。
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そのことを理解するために、後半では実際に4つの初歩的なマジックを体験しつつ、効率的に「伝える」ことの大切さと難しさを学びました。
【体験1】
・ある瞬間に意識を集中させる。
・状況をハッキリさせる。
・徐々にハードルを上げる。
【体験2】
・時間的、空間的に集中するポイントを絞る。
・予想を裏切る。
【体験3】
・自分で答えを発見させる。
【体験4】
・前提を共有しておく。
・質問をすることで関わってもらう。
全員初心者なので、リソースが急に増えることはない訳です。上記のポイントは、いずれも前述の魅力の構成要素のいずれかに該当します。
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マジック自体初めて覚えましたが、仕事にもすぐに役立つ要素が満載でした。
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次回、第70回YMSは4月13日(水)開催の予定です。
過去のセミナーレポートはこちら。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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