窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

初の大晦日格闘技観戦①-RIZIN26(さいたまスーパーアリーナ)

2021年01月10日 | スポーツ観戦記


 少し更新が遅くなってしまいましたが、昨年の大晦日はご縁あって「さいたまスーパーアリーナ」へ総合格闘技イベント「RIZIN26」の観戦に行ってきました。自分でやっていた空手は別として、ボクシング以外の格闘技観戦は初めてです。その上、総合格闘技はかれこれ15年位観ておらず、ほとんど知識皆無で臨みました。



 第1試合、大相撲元十両貴ノ富士のスダリオ剛選手vs長年総合格闘技界を牽引してきたミノワマン選手。5分3RのRIZIN MMAルール。190㎝、114.65kgsのスダリオ選手が浴びせかけた、この大会話題のカーフキック(伝統派空手の足払いのような技)3発でミノワマン選手を沈め、グラウンディングの状態からパンチを浴びせかけたところでレフェリーストップ。172㎝、82.70kgs、44歳のミノワマン選手、少々気の毒な気がしました。一方、まだ23歳と若いスダリオ選手はこれからが楽しみです。



 第2試合、中原太陽選手vs倉本一真選手。5分3RのRIZIN MMAルール。どちらもアマチュアレスリングから修斗という経歴の両者ですが、中原選手は4年近いブランクがあっての復帰戦ということもあってか、実力に開きがあるように感じました。序盤の中原選手のハイキックを見た時、「勝負あったかな」という気がしました。試合は1R 2分12秒、倉本選手のグラウンドキックからレフェリーストップ。特に1R残り1分30秒頃でしたか、ストレートから倒れかけた中原選手の顔面への膝はヤバかったですね。



 第3試合は地元根岸出身、良く知りませんがYouTuberとして有名らしい、シバター選手。その対戦相手は直前まで知らされていませんでしたが、キックボクサーのHIROYA選手でした。RIZIN MIXルール。試合は当初ドロー判定だったのですが、後になってからシバター選手の腕ひしぎ十字固めにHIROYA選手がタップしていたのではないかというビデオ検証で、結果として2R38秒でシバター選手の勝利となりました。180㎝、92.60kgsのシバター選手に対し、167㎝、74.80kgsのHIROYA選手。体格差もさることながら、HIROYA選手は本来65kgs以下級の選手。試合が組まれてからどれだけの調整期間があったのでしょうか?



 第4試合、浅倉カンナ選手vsあい選手。5分3RのRIZIN女子MMAルール(肘あり)。試合は終始浅倉選手のペース。小刻みなパンチを的確に当て、組んでもアマチュアレスリング世界選手権3位の実績を持つあい選手ではありましたが、浅倉選手が主導権を握っているように見えました。判定で、浅倉選手の勝利。



 第5試合、佐々木憂流迦選手vs瀧澤謙太選手。5分3RのRIZIN MMAルール(肘あり)。結果は3R判定で佐々木選手の勝利でした。グラウンドになると佐々木の方が上手であり、それに伴って瀧澤選手は相当消耗している様子でしたが、それでもフルラウンド戦い抜く気持ちの強さと、パンチやキックにはかなり見るべきものがありました。今後注目していきたい選手です。因みに、佐々木選手の「憂流迦」というのはサンスクリット語で「天狗」を意味するらしいです。



 個人的には今大会のベストマッチだったかもしれません。弱冠19歳(僕の子供と同い年です!)、小学生から単身タイに渡り、日本人として初のムエタイ2大タイトルを統一したという、驚くべき吉成名高選手。対するは、こちらも19歳、ムエタイで3冠タイトル(ライトフライ、フライ)を持つペットマライ・ペットジャルーンウィット選手。正真正銘の実力者同士の一戦。ルールもほぼムエタイの3分3R、RIZINキックボクシングルール(3ノックダウン制)。軽量級の圧倒的スピード感、接近しての肘打ちなど、まさに息をのむ緊張感です。何より吉成選手の前へのプレッシャーが圧巻でした。終始試合を支配し、ショートストレート、右肘で2度のダウンを奪うと、最後は1R2分20秒、ボディへの膝蹴りから左肘のコンビネーションでKO。いやはや、ボクシングの井上尚弥選手を彷彿とさせる、もの凄い選手がいるものです。

 どうでもいい話ですが、ペットジャルーンウィット選手と僕は鼻の形が似ています。高校生の頃、先生に陰で「タイ人」とあだ名されていた理由が分かった気がしました。



 休憩を挟み、第7試合は大ベテランの所英男選手vsリオデジャネイロ・オリンピック、アマチュアレスリング銀メダルの太田忍選手。5分3RのRIZIN MMAルール。所選手は以前、実家近くの吉野町・マルワジムに来られていたようで、何となく親しみがあります。15年位MMAを見ていない僕でも、2005年にノゲイラ選手を破ったのは憶えていますし。

 一方、MMAはデビュー戦となる太田選手。結果はさすがに経験値の差か、2R2分24秒、アームバーに対するタップとなりましたが、それでも捕まえた時の馬力、体幹の強さはさすが銀メダリストで非凡なものを感じました。これからが楽しみです。



 第8試合は、昨年8月にRIZIN初参戦、ここまで2勝1敗の萩原京平選手vsキックボクシングからMMAに転向し、デビュー戦となる平本蓮選手。5分3RのRIZIN MMAルール(肘あり)。キックボクシングで輝かしい実績を持つ平本選手でしたが、この試合は2R1分29秒、グラウンドでコーナーに追い詰めた萩原選手が、マウントポジションから平本選手にパンチを浴びせかけ、TKOとなりました。

 個人的見解ですが、格闘技は制約があるからこそ、その中で有効な技術が昇華されていくものだと思っています。その結果磨かれた高度な技術が美しく、観る者の心を惹きつけるのではないでしょうか。ですから、選手一人ひとりのベースはレスリングであってもキックであっても良いのですが、異種格闘技戦のようなものよりも、MMAはMMAとしてのルールの中で磨かれた高度な技を競い合う方が面白いと思うのです。

<つづく>

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
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