窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

エコノミーとエコロジーの語源

2009年06月18日 | リサイクル(しごと)の話
  今日は最近よく対比して捉えられている、エコノミーとエコロジーという二つの言葉の語源の話です。  
  
  "Economy"(経済)という言葉の語源を辿ると、"Eco-"はギリシャ語で「家・家庭・家計」などをあらわす"oikos(オイコス)"に由来する接頭語で、"-nomy"はギリシャ語で「法・秩序」をあらわす"nomos(ノモス)"に由来し、秩序や法則性、あるいは学問をあらわす語につく接尾語になります。つまり"Economy"というのは「家計の学問」という意味であり、いわゆる「家計のやりくり」から発展して今日の「経済」という意味になったものと思われます。

  一方、"Ecology"(環境)ですが、こちらは19世紀になってドイツの有名な生物学者ヘッケルが作り出した言葉(当然元はドイツ語)であると言われています。元々はある動物とその動物が関わる動植物との関係を研究する学問分野をあらわす言葉でした。それがいつ「環境」をあらわす意味として用いられるようになったのか分かりませんが、今日ではもっぱら「人」と動植物あるいは自然との関係を意味する語として認識されています。

  ところがこの"Ecology"も語源を辿ると"Eco"+"logy"、"-logy"はギリシャ語で「言葉・言語」をあらわす"logos(ロゴス)"に由来し、やはり学問や研究をあらわす語につく接尾語ですから、"Ecology"もやはり「家計の学問」という意味になってしまいます。もっとも"Eco"は「家」や「家庭」という意味を持ちますから転じて、共同体の最小単位、生活環境という位のニュアンスを持つのかもしれませんが、"Economy"と"Ecology"という今日ではまるで対立概念であるかのように捉えられている言葉が互いの語源を辿ると奇しくも同じような意味にたどり着くというのは、偶然とはいえ面白いことです。

  繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
無題 (苺うさぎ)
2010-10-21 20:13:10
お勉強になりました
情報量がすごいですね
返信する
ありがとうございます (窪田恭史)
2010-10-22 08:37:04
苺うさぎ様

コメントありがとうございました。
過分なお褒めをいただき恐縮です。

これからもご覧いただければ幸いです。

宜しくお願いします。
返信する

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