エマールとデュトワのベートヴェン。

第1530回N響定期公演生中継 NHK-FM(12/8 19:00~)

曲 ラヴェル/組曲「マ・メール・ロア」
  ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第1番ハ長調作品15
  ストラヴィンスキー/バレエ音楽「ペトルーシカ」(1911年版)

指揮 シャルル・デュトワ
ピアノ ピエール・ロラン・エマール(ベートーヴェン)
    横山幸雄(ストラヴィンスキー)
演奏 NHK交響楽団

こんにちは。

N響のBプロが生放送されていましたので聴いてみました。時間の関係から、ピアノ協奏曲の第2楽章からです。

エマールさんのピアノはとても透明感がありました。一音一音をとても大切にしているのでしょうか。なめらかで、甘すぎるぐらいのニュアンスを漂わせながら、ちょっとだけリズミカルに音楽を進めます。デュトワ&N響の落ち着いたサポートと相性が良いと思いました。オーケストラは、全体的に控えめな表現で、エマールさんのピアノを支えていました。解説の諸石氏が、「二百年前にこの曲が誕生したとは思えない演奏だ。まるで、今誕生したかのような表現だ。」とか仰っていましたが、私は逆に、この曲の古典的な部分を、奇をてらわずに表現しているのではないかと思いました。確かに、古典美とか言われるような、厳格な構成感はなかったように聴こえましたが、中庸の美でしょうか。そんな美しさがあったと思います。

ストラヴィンスキーは、この前、NHKホールで演奏された「交響曲」が素晴らしかったのですが、このペトルーシカも、その時と似たような表現で音楽が進められていました。大変失礼な言い方ではありますが、金管がちょっと危なっかしいのも同じだったと思います・・・。ただ、重心を低くして、あえてバレエ音楽とは思えないような、端正なリズムをとっていたのはデュトワの個性でしょうか。デュナミークの小さな方向にも配慮がなされた演奏だと思います。こういう表現、結構好きです。

B定期はなかなか行く機会がないので、こうしてFMで中継していただけるとありがたいです。
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