goo blog サービス終了のお知らせ 

「via art 2010」 シンワアートミュージアム 

シンワアートミュージアム(中央区銀座7-4-12 ぎょうせいビル)
「via art 2010」
12/21-25



全国13大学より選抜された37名の学生アーティストを紹介します。シンワアートミュージアムで開催中の「学生アーティスト37人による選抜展 via art 2010」へ行ってきました。

今年で既に4回を数えるという学生アーティストのための公募展です。出品アーティスト、及び審査員については公式WEBサイトをご参照下さい。

出展作家・出展者大学/審査員一覧@via art 2010

絵画に立体、映像、インスタレーションと展示はまさに多種多様でしたが、以下私の印象に残った作家を簡単に挙げてみました。

足立篤史
ケント紙や英字新聞、それに雑誌などを素材とした戦艦や車のミニチュア。一瞬、紙で出来ているとは思えないほど巧く作られている。またさらに面白いのは素材と作品との関係。戦艦では兵士などの姿が写った資料や雑誌などを用いている。素材が作品のイメージをさらに豊かにしている様がとても良かった。

板木綾花
シャープペンシルのみで描かれた数点のドローイング。背景の黒にさらにシャーペンの黒を重ね合わせて草木や生き物を思わせるようなモチーフを展開する。細密でかつ流れるような線は艶やかだった。

大石麻央
TWS本郷の展示でも印象に深かった大石が「着ぐるみ」を2体展示。フェルトや羊毛などを使って小動物をぬいぐるみを制作する。顔は動物のようでも身体は人間。細長い手足をだらんと垂らしたその姿は何度見ても恐ろしい。

黒田大解
珊瑚と樹脂を素材にしたという小さなオブジェ。ぱっと見ると良く分からないが、近づくとそれが確かに車、つまりはタイトルにもあるホンダのフィットや日産のエルグランドであることが分かる。もう少し大きいサイズの作品を見てみたいもの。

佐藤学
高さ3メートルにも及ぶ大作の日本画、「星と糸と新月の川」を展示。三枚の和紙を天井から滝のように垂らしている。細かな線描や作り込まれた画肌の質感が見事。星空を覗き込んでいるような印象を受けた。

清水総二
チューリッヒの風景を朧げに描く。浮かび上がる建物や森などを表す色彩が美しい。まるで夢の中で見るような景色だった。

水代達史
細やかな金工の作品を6点展示。銅や真鍮はもとより、七宝や紫檀などを素材にして未知の生物を作り出す。カブトガニの表面の紋様のエッチングもまた巧みだった。もっと拝見したい。

箕輪千絵子
比較的大きなサイズの銅版画を3点展示。人間と樹木が交わって不思議なモチーフを生み出す。生々しい木肌の感触にはゾクゾクするほど。

会場は1階と地下の2フロアに分かれていますが、地下の言わばぶっ飛んだ展示もなかなか楽しめます。春名祐麻の「セイヨウジンにも解りやすい日本精神(仮)や渋家の「鬼盛りブートキャンプ」も異彩を放っていました。

今回、私は初めてこの展示を見ましたが、実のところ思っていたよりも興味深いものがありました。また一部作品は価格が設定されている他、それとは別に数千円の小品も販売されているのも好印象です。ただ見せているだけではありません。

展覧会ツイッターアカウント→@viaart2010 harold_1234をフォローしましょう 

明日、25日までの開催です。(午後5時45分終了)なお入場は無料でした。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )