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「フェルメール 光の王国展」 フェルメール・センター銀座

フェルメール・センター銀座
「フェルメール 光の王国展」
1/20-8/26



フェルメール・センター銀座で開催される「フェルメール 光の王国展」のプレスプレビューに参加してきました。

ラブレター展(Bunkamura)での3点を含め、真珠の耳飾りに首飾りなどと、今年は計6点もの作品がやってくる「フェルメールイヤー」ですが、さらにまた新たな形にてフェルメールに親しむことの出来る美術イベントが始まります。

それが期間限定でオープンするフェルメール・センター銀座での「フェルメール 光の王国展」です。


フェルメール・センター銀座展示風景

監修は足掛け4年にわたり全世界のフェルメールを訪ね歩いた生物学者の福岡伸一氏です。展示ではフェルメールの生涯を様々な資料で探るとともに、現存するフェルメール全37点をリ・クリエイト作品で紹介しています。如何せん希少価値のあるフェルメール作だけに、その全点を精巧なリ・クリエイトで見ることだけでも、また新たな美術体験と言えるのではないでしょうか。

さてこのリ・クリエイトとは何ぞやということですが、それは単なる実物の複製ではありません。


フェルメール・センター銀座展示風景

実は今回、オランダの「フェルメール・センター・デルフト」の協力の元、世界各地のフェルメール作品を制作当時の姿を推測してデジタルマスタリングしています。それがリ・クリエイトです。つまりここには350年前の色彩、また質感を追求して新たに生まれたフェルメールが展示されているというわけでした。(当時の再現ということか、総じて発色は強く、また画面は明るく見えます。)

率直なところ、必ずしも全てが均一なクオリティではありませんが、何点か、とりわけ小品に関しては、思わず目の前の作品が実物と勘違いしてしまうほどの高い再現性を誇っています。


「小路」リ・クリエイト作品

一例として挙げたいのが2008年に「フェルメール展」(東京都美術館)に出品された「小路」です。この作品を実際に見た時も、たとえば煉瓦から窓枠までの細密な描写に至極感心したものですが、その高い質感をリ・クリエイトでも存分に堪能することが出来ます。


「小路」リ・クリエイト作品(拡大)

もちろんこれらは全て実寸大であり、所蔵館と同じ額装です。また作品を制作年代順に並べることで、フェルメールの作風の変化を分かりやすい形で追えました。それに福岡氏のオリジナルテキストによる詳細な解説がついた音声ガイド(約45分。ナレーションは宮沢りえと小林薫。)を片手に廻ると、よりリアルなフェルメール体験が出来るかもしれません。


音声ガイド

なお音声ガイドはiPhoneアプリでもダウンロード出来ます。こちらは会場で借りるよりも150円安い350円での提供です。会場の音声ガイドはiPod nanoを用いていますが、パネルが小さいなど、慣れていないと少々難しい面があるかもしれません。iPhoneをお持ちの方はアプリに当たった方が良さそうです。

フェルメール・センターiPhoneアプリ

アプリについてはフェルメールと言えばお馴染みの「青い日記帳」でも紹介されています。そちらも是非ご覧ください。

「フェルメール・センター銀座 iPhoneアプリ」@青い日記帳


アトリエ・コーナー

リ・クリエイトでのフェルメール巡礼の後は、フェルメールに関する資料の他、フェルメールのアトリエの再現展示が待ち構えています。アトリエでは記念撮影も可能とのことでした。


「王立協会の書簡」(レプリカ)

またイギリスにある幻のフェルメールの素描を展示するという企画も進んでいるそうです。実現した際は話題となりそうです。


「デルフトの眺望」リ・クリエイト作品

比較的精巧な「デルフトの眺望」を前にすると、この作品の実物を見たいとい強い願いがわきあがりました。リ・クリエイトを見て実際の作品と対面した時の記憶を甦らせながら、まだ見ぬフェルメールに思いを馳せるのも良いのではないでしょうか。

そう言えば私が初めてフェルメールに接したのは、2005年、国立西洋美術館の「ドレスデン国立美術館展」での「窓辺で手紙を読む若い女」でした。

場所は銀座松坂屋のすぐ裏、みゆき通り沿いの銀座ソトコトロハス館の3、4階フロアです。入場料は1000円でした。(夜間特別鑑賞券あり。詳細は公式WEBサイトへ。)


ミュージアムショップ

今後、会場内にはカフェが新設される他、各種講演などのイベントも予定されているそうです。そちらの動きにも注目です。

「フェルメール 光の王国/福岡伸一/木楽舎」

フェルメール・センター銀座は明日、1月20日にオープンします。

*当初会期より延長され、8月26日(日)までの開催となりました。

「フェルメール 光の王国展」 フェルメール・センター銀座
会期:1月20日(金)~8月26日(日)
休館:毎月、第1と第3月曜日。(祝日の場合は開館。)
時間:10:00~18:00
夜間:木・金・土のみ夜間特別開館(19時から22時)。特別夜間鑑賞券は3000円。1日100名限定で音声ガイド、ドリンク代を含む。特別鑑賞券はぴあ他、各種プレイガイドのみで取り扱い。
住所:中央区銀座6-11-1 銀座ソトコトロハス館
交通:東京メトロ 銀座線・丸ノ内線・日比谷線銀座駅A3出口より徒歩2分。

注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
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