「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.3 安藤陽子」 ギャラリーαM

ギャラリーαM
「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.3 安藤陽子」
6/30-7/28



ギャラリーαMで開催中の「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.3 安藤陽子」へ行ってきました。

第一弾の山田七菜子、また第二弾の俵萌子しかり、強くまた激しい絵具の質感を押し出す絵画の展示が続いた「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう」シリーズ。

打って変わって今回の第三弾、安藤陽子の作品は、抑制的でかつ朧げな光を放つ日本画です。



会場をぐるりと一周、ほぼ等間隔で並ぶのは、子どもから女性と、おおよそ若い世代を描いた人物の肖像です。

絹本着彩、いずれも先にも触れたように紛れもなく日本画ですが、不思議と背景に光源でもあるかのような独特の光をまとっていることに気がつきます。



この柔らかな光の秘密、一体何に由来するのかと作品へ近づいてみました。

すると支持体がフレームから言わば浮き出していることが分かるではありませんか。

ようは絹の裏は空洞です。それが作品に当たる光を透かせて、独特な光を生み出しているというわけでした。

さてこれらの人物、キュレーターの保坂がテキストでも述べたように、「悲しんでいるのか微笑んでいるのか。」よく分かりません。表情は実に曖昧です。



実際のところ作家の安藤は、比較的、親しい間柄にある人物をモデルに据えているそうですが、このどこか希薄な実在感と捉え難い浮遊感は、言わば西洋画のトローニーに近いものがあるのではないかと思いました。

繊細で透明感のある絵画平面、当然ながら実物と図版とはまるで異なります。質感は会場で見ないと分かりません。

【緊急企画・第二弾】αMトークイベント「徹底討論|本当に絵画は愛なのか?」
出演: 青山悟、今津景、梅津庸一、千葉正也、保坂健二朗
日時: 7月26日(木)19時~
会場: gallery αM 予約不要・参加無料
*Ust中継予定→http://ustre.am/MaPd

7月28日まで開催されています。

「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.3 安藤陽子」 ギャラリーαM@gallery_alpham
会期:6月30日(土)~7月28日(土)
休廊:日・月・祝。
時間:11:00~19:00
住所:千代田区東神田1-2-11 アガタ竹澤ビルB1F
交通:都営新宿線馬喰横山駅A1出口より徒歩2分、JR総武快速線馬喰町駅西口2番出口より徒歩2分、日比谷線小伝馬町駅2、4番出口より徒歩6分。
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