都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「マウリッツハイス美術館展」 東京都美術館
東京都美術館
「マウリッツハイス美術館展」
6/30-9/17
東京都美術館で開催中の「マウリッツハイス美術館展」の報道内覧会に参加して来ました。
しばらく前から首都圏各地の交通広告を埋め尽くした「世界一有名な少女」。
最近ではブームの発端ともなった大阪の「フェルメールとその時代展」(2000年)でも出品されましたが、以来12年、再びフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」が東京都美術館へとやって来ました。
第1章「美術館の歴史」展示室風景
東京では約30年ぶりの公開というこの少女のビジュアル、ともかくインパクトが強く、さもフェルメール展と思ってしまいがちですが、実際はそうではありません。
出品数50点の殆どは17世紀オランダ・フランドル絵画、うち6点をなんとレンブラントが占めています。
構成は以下の通りでした。
第1章 美術館の歴史
第2章 風景画
第3章 歴史画(物語画)
第4章 肖像画と「トローニー」
第5章 静物画
第6章 風俗画
オーソドックスなジャンルでの展示です。
都美館のスペースを鑑みればやや少ない作品数ということもあってか、会場はゆったりとした作りとなっていました。
冒頭、マウリッツハイス美術館の歴史をおさらいした後に登場するのは、オランダ絵画でもとにかく人気のある風景画の数々です。
左:ヤン・ファン・ホーイエン「ホーホエルテン近郊のライン川の眺望」1653年
そしてここではヤーコブ、サロモンのロイスダールの3点が忘れられません。
ヤーコブの「標白場のあるハールレムの風景」における水辺と帆船の美しい質感、とりわけ光を受けて透き通るような帆の繊細なタッチなどに惹かれる方も多いのではないでしょうか。
一方で山城を描いたサロモンの「ベントハイム城の眺望」も優品です。
左:ヤーコブ・ファン・ライスダール「ベントハイム城の眺望」1652年-1654年頃
このドイツの城を彼は12点ほど描いたそうですが、ともかくは堂々と聳え立つ城、そしてその下の奇岩とも言える岩の重厚感、さらには丘を覆う木々の細やかな筆遣いなど、画家ならではの物質感のある表現を味わうことが出来ました。
また一見、無人にも見えますが、実は右手方向に開ける小径には人、一番手前にはおそらくは犬を散歩する親子連れの姿が描かれています。
ロイスダールからは風景の迫力とともに、どこか箱庭を覗き込むかのような感覚を覚えることもありますが、そうした点でもまた興味深い作品でした。
右:ペーテル・パウル・ルーベンス「聖母被昇天(下絵)」1622-1625年頃
続いての歴史・物語画ではまずルーベンスの「聖母被昇天」が見逃せません。
実はこの作品は下絵ですが、だからこそルーベンス本人の素早い筆致、そしてそこから生まれる躍動感のある群像表現を味わえるのではないでしょうか。
またこのセクションでは点数からしても展覧会の主役、レンブラントの初期作、「シメオンの讃歌」も重要です。
左:レンブラント・ファン・レイン「シメオンの讃歌」1700年頃
黒に茶褐色を沈み込ませた暗がりの空間に浮かび上がるのは、幼きイエスを抱きかかえ、感極まった様子で歌うシメオンの姿です。
よく目を凝らすと背景には多くの人も描かれ、かなり奥行きがあることも分かりますが、レンブラント一流の明と暗のドラマティックな対比、そしてシメオンの着衣などにも見られる初期作ならではの細かな筆致には感心させられました。
右:ヨハネス・フェルメール「ディアナとニンフたち」1653-1654年頃
ちなみに今回、フェルメールは「真珠の耳飾りの少女」だけではなく、もう一点、同館で2008年に開催されたフェルメール展でもお目見えした「ディアナとニンフたち」も出品されています。
まるでイタリア絵画を思わせる優美な女性たち、一見するところ後のフェルメール作とは似ていませんが、手前の金色の真鍮のたらいのメタリックな質感、右手奥の黒服を着た女性のすらっとした立ち姿など、どこか中・後期作を連想させる面もあるのではないでしょうか。
第4章「肖像画とトローニー」展示室入口
そしてお次が目玉の「真珠の耳飾りの少女」です。
ともかく本作、知名度抜群、人気の一点ということで、展示の仕方も別格です。
「真珠の耳飾りの少女」展示室風景
広々とした展示室にただの一点、手前にはそれこそテーマパークばりの誘導列が控えています。
また作品は半円状の停止線の向こうのガラスケース中に収められています。やや作品との距離があるせいか、細かなタッチを味わうのは難しいかもしれせんが、幸いなことにケースの写り込みはあまりありません。作品の魅力を知るには不足ない展示でした。
ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」1665年頃
さてその少女、一見して感じたのは、図版などより遥かに小柄で幼く見えること、そして定まるようで定まらない視線、特に不自然なまでに偏った左眼の向きです。
またターバンの青は思いの外に白が強く、逆に黄色く垂れるそれは、後ろ肩の影からすると、もはやあり得ないほどに光っています。
あどけない様で開いた口には小さな白いハイライトがあり、それが眼球の中のハイライトと呼応しています。
また驚くほど巨大な真珠はほぼシルバーです。襟の白とは完全に塗り分けられています。
肖像画ではないトローニーだからこそのモデルとの曖昧な関係、またさらに少女自体の捉え難い面持ち。
「フェルメールへの招待/朝日新聞出版」
フェルメールの傑作というよりも異色作とも言える本作、これまで多くの人々の熱い視線を浴びて来たのにも納得させられるような不思議な魅力をたたえていました。
さてこの少女の後こそ本展のハイライトとしても過言ではありません。
それは6点も揃っているレンブラントのうち、工房作を含む4点の肖像画、トローニーが展示されているからです。
中でもどこか達観したように穏やかにこちらを見据える最晩年の「自画像」には心打たれます。
左:レンブラント・ファン・レイン「自画像」1669年
黒服に身を纏った画家は意外なほどに力強く、目元にこそ憂いを感じるものの、引き締まった口元からは自信すら感じられないでしょうか。
確かに老いてはいるものの、ふくよかでかつ暖色を帯びた顔は死を前にしているとは到底思えません。レンブラントの最後に達した境地、その迫力すら伝わる作品でした。
静物画ではだまし絵風とも言えるファブリティウスの「ごしきひわ」から目を離せません。
左:カレル・ファブリティウス「ごしきひわ」1654年
1654年のデルフトの爆発事故により命を落とし、同時に多くの作品も失われてしまったという半ば伝説の画家ファブリティウス。
その小品ではありますが、少し離れると鳥や手前の止り木が実際浮かび上がってくるかのような迫真性を持っています。
右:アーブラハム・ファン・ベイエレン「豪華な食卓」1655年以降
もちろんではさりげなく画家自身の姿が水差しに写り込む「豪華な食卓」(ベイエレン)、また蝋燭の炎が物悲しげな「燃えるろうそくのある静物」(クラースゾーン)など、重々しい静物画も見応え十分ですが、軽妙なタッチによって描かれたこの小鳥こそ、静物画の隠れた主役として捉えても良いかもしれません。
ラストの風俗画では一にも二にもヤン・ステーン、とりわけ順路の最後に掲げられた「親に倣って子も歌う」が一押しです。
ヤン・ステーン「親に倣って子も歌う」1668-1670年頃
風俗画としては異例とも言えるサイズ、まずはその大きさに圧倒されるかもしれませんが、やはり笑いそして語り、また飲み、それこそ半ば乱れるかのように集う人々の生き生きとした表現は画家の真骨頂だと言えるのではないでしょうか。
もちろんこの作品、単に家族の団らんを描いたのではなく、「こう遊ぶと後で痛い眼にあう。」といった教訓的な意味を持ち得ていますが、それをも忘れさせるほど放蕩や怠惰の誘惑、そしてその魔力を感じてなりません。
ちなみに画中でにやけた父親は画家本人なのだそうです。本人自ら悪い手本を見せるというこの作品、図録にも記載がありましたが、だからこそより高いリアリティーを生み出していると言えそうです。
第6章「風俗画」展示室風景
初めにも触れましたが、出品数は50点弱と、この手の大型企画展ではかなり少なめです。
上野といえば、もう一つの真珠を擁する西洋美術館のベルリン国立美術館展も話題ですが、そちらは北方やイタリア絵画との関係を素描から彫刻を通して横断的に提示しているのに対し、このマウリッツ美術館展は17世紀オランダ・フランドル絵画のみに焦点を当てています。
同じフェルメールを掲げながらも似て非なる二つの展覧会、ここは別々に楽しむべきものかもしれません。
ミュージアムショップ
なお速報記事でも触れましたが、ともかく本展はショップが極めて充実しています。
「青い日記帳」×マウリッツハイス美術館展コラボグッズ
定番の絵ハガキやクリアファイルから青い日記帳はじめとするコラボグッズ、さらには何と自転車へ至るオランダ関連商品までがずらりと揃っています。
ミュージアムショップ
これほどのスケールのミュージアムショップ、私自身記憶にありせん。思わず長居してしまいました。
さて早々から大変な賑わいと聞きますが、入場待ち時間の情報です。まず有用なのは公式サイトです。トップページで待ち時間が逐次更新されています。
「マウリッツハイス美術館展」公式サイト(@mauritshuis2012)
なお初日の土曜、また翌日の日曜ともに早速入場制限がかかり、10~40分程度の待ち時間が発生しました。
「美術手帖2012年6月号増刊/特集フェルメール/美術出版社」
初日から待ち時間が出来る展覧会など滅多にありません。幸いにも金曜日の夜間開館がありますが、この出足からすると、特に会期中盤以降は大変な混雑となりそうです。
【休室日の臨時開館と閉館時間延長のお知らせ】
・8月13日(月)は臨時開館。
・7月21日(土)~8月31日(金)の間は閉館時間を1時間延長して18時半閉館。
「マウリッツハイス美術館展:公式ガイドブック/朝日新聞出版」
まずは早めのご観覧をおすすめします。9月17日までの開催です。
「マウリッツハイス美術館展」 東京都美術館
会期:6月30日(土)~9月17日(月・祝)
休館:月曜日。但し7月2日、16日は開室。(7月17日は休室。)8月13日(月)は臨時開館。
時間:9:30~17:30 *金曜日は20時まで。7月21日(土)~8月31日(金)は閉館時間を1時間延長して18時半閉館。
住所:台東区上野公園8-36
交通:JR線上野駅公園口より徒歩7分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口より徒歩10分。京成線上野駅より徒歩10分。
注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
「マウリッツハイス美術館展」
6/30-9/17
東京都美術館で開催中の「マウリッツハイス美術館展」の報道内覧会に参加して来ました。
しばらく前から首都圏各地の交通広告を埋め尽くした「世界一有名な少女」。
最近ではブームの発端ともなった大阪の「フェルメールとその時代展」(2000年)でも出品されましたが、以来12年、再びフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」が東京都美術館へとやって来ました。
第1章「美術館の歴史」展示室風景
東京では約30年ぶりの公開というこの少女のビジュアル、ともかくインパクトが強く、さもフェルメール展と思ってしまいがちですが、実際はそうではありません。
出品数50点の殆どは17世紀オランダ・フランドル絵画、うち6点をなんとレンブラントが占めています。
構成は以下の通りでした。
第1章 美術館の歴史
第2章 風景画
第3章 歴史画(物語画)
第4章 肖像画と「トローニー」
第5章 静物画
第6章 風俗画
オーソドックスなジャンルでの展示です。
都美館のスペースを鑑みればやや少ない作品数ということもあってか、会場はゆったりとした作りとなっていました。
冒頭、マウリッツハイス美術館の歴史をおさらいした後に登場するのは、オランダ絵画でもとにかく人気のある風景画の数々です。
左:ヤン・ファン・ホーイエン「ホーホエルテン近郊のライン川の眺望」1653年
そしてここではヤーコブ、サロモンのロイスダールの3点が忘れられません。
ヤーコブの「標白場のあるハールレムの風景」における水辺と帆船の美しい質感、とりわけ光を受けて透き通るような帆の繊細なタッチなどに惹かれる方も多いのではないでしょうか。
一方で山城を描いたサロモンの「ベントハイム城の眺望」も優品です。
左:ヤーコブ・ファン・ライスダール「ベントハイム城の眺望」1652年-1654年頃
このドイツの城を彼は12点ほど描いたそうですが、ともかくは堂々と聳え立つ城、そしてその下の奇岩とも言える岩の重厚感、さらには丘を覆う木々の細やかな筆遣いなど、画家ならではの物質感のある表現を味わうことが出来ました。
また一見、無人にも見えますが、実は右手方向に開ける小径には人、一番手前にはおそらくは犬を散歩する親子連れの姿が描かれています。
ロイスダールからは風景の迫力とともに、どこか箱庭を覗き込むかのような感覚を覚えることもありますが、そうした点でもまた興味深い作品でした。
右:ペーテル・パウル・ルーベンス「聖母被昇天(下絵)」1622-1625年頃
続いての歴史・物語画ではまずルーベンスの「聖母被昇天」が見逃せません。
実はこの作品は下絵ですが、だからこそルーベンス本人の素早い筆致、そしてそこから生まれる躍動感のある群像表現を味わえるのではないでしょうか。
またこのセクションでは点数からしても展覧会の主役、レンブラントの初期作、「シメオンの讃歌」も重要です。
左:レンブラント・ファン・レイン「シメオンの讃歌」1700年頃
黒に茶褐色を沈み込ませた暗がりの空間に浮かび上がるのは、幼きイエスを抱きかかえ、感極まった様子で歌うシメオンの姿です。
よく目を凝らすと背景には多くの人も描かれ、かなり奥行きがあることも分かりますが、レンブラント一流の明と暗のドラマティックな対比、そしてシメオンの着衣などにも見られる初期作ならではの細かな筆致には感心させられました。
右:ヨハネス・フェルメール「ディアナとニンフたち」1653-1654年頃
ちなみに今回、フェルメールは「真珠の耳飾りの少女」だけではなく、もう一点、同館で2008年に開催されたフェルメール展でもお目見えした「ディアナとニンフたち」も出品されています。
まるでイタリア絵画を思わせる優美な女性たち、一見するところ後のフェルメール作とは似ていませんが、手前の金色の真鍮のたらいのメタリックな質感、右手奥の黒服を着た女性のすらっとした立ち姿など、どこか中・後期作を連想させる面もあるのではないでしょうか。
第4章「肖像画とトローニー」展示室入口
そしてお次が目玉の「真珠の耳飾りの少女」です。
ともかく本作、知名度抜群、人気の一点ということで、展示の仕方も別格です。
「真珠の耳飾りの少女」展示室風景
広々とした展示室にただの一点、手前にはそれこそテーマパークばりの誘導列が控えています。
また作品は半円状の停止線の向こうのガラスケース中に収められています。やや作品との距離があるせいか、細かなタッチを味わうのは難しいかもしれせんが、幸いなことにケースの写り込みはあまりありません。作品の魅力を知るには不足ない展示でした。
ヨハネス・フェルメール「真珠の耳飾りの少女」1665年頃
さてその少女、一見して感じたのは、図版などより遥かに小柄で幼く見えること、そして定まるようで定まらない視線、特に不自然なまでに偏った左眼の向きです。
またターバンの青は思いの外に白が強く、逆に黄色く垂れるそれは、後ろ肩の影からすると、もはやあり得ないほどに光っています。
あどけない様で開いた口には小さな白いハイライトがあり、それが眼球の中のハイライトと呼応しています。
また驚くほど巨大な真珠はほぼシルバーです。襟の白とは完全に塗り分けられています。
肖像画ではないトローニーだからこそのモデルとの曖昧な関係、またさらに少女自体の捉え難い面持ち。
「フェルメールへの招待/朝日新聞出版」
フェルメールの傑作というよりも異色作とも言える本作、これまで多くの人々の熱い視線を浴びて来たのにも納得させられるような不思議な魅力をたたえていました。
さてこの少女の後こそ本展のハイライトとしても過言ではありません。
それは6点も揃っているレンブラントのうち、工房作を含む4点の肖像画、トローニーが展示されているからです。
中でもどこか達観したように穏やかにこちらを見据える最晩年の「自画像」には心打たれます。
左:レンブラント・ファン・レイン「自画像」1669年
黒服に身を纏った画家は意外なほどに力強く、目元にこそ憂いを感じるものの、引き締まった口元からは自信すら感じられないでしょうか。
確かに老いてはいるものの、ふくよかでかつ暖色を帯びた顔は死を前にしているとは到底思えません。レンブラントの最後に達した境地、その迫力すら伝わる作品でした。
静物画ではだまし絵風とも言えるファブリティウスの「ごしきひわ」から目を離せません。
左:カレル・ファブリティウス「ごしきひわ」1654年
1654年のデルフトの爆発事故により命を落とし、同時に多くの作品も失われてしまったという半ば伝説の画家ファブリティウス。
その小品ではありますが、少し離れると鳥や手前の止り木が実際浮かび上がってくるかのような迫真性を持っています。
右:アーブラハム・ファン・ベイエレン「豪華な食卓」1655年以降
もちろんではさりげなく画家自身の姿が水差しに写り込む「豪華な食卓」(ベイエレン)、また蝋燭の炎が物悲しげな「燃えるろうそくのある静物」(クラースゾーン)など、重々しい静物画も見応え十分ですが、軽妙なタッチによって描かれたこの小鳥こそ、静物画の隠れた主役として捉えても良いかもしれません。
ラストの風俗画では一にも二にもヤン・ステーン、とりわけ順路の最後に掲げられた「親に倣って子も歌う」が一押しです。
ヤン・ステーン「親に倣って子も歌う」1668-1670年頃
風俗画としては異例とも言えるサイズ、まずはその大きさに圧倒されるかもしれませんが、やはり笑いそして語り、また飲み、それこそ半ば乱れるかのように集う人々の生き生きとした表現は画家の真骨頂だと言えるのではないでしょうか。
もちろんこの作品、単に家族の団らんを描いたのではなく、「こう遊ぶと後で痛い眼にあう。」といった教訓的な意味を持ち得ていますが、それをも忘れさせるほど放蕩や怠惰の誘惑、そしてその魔力を感じてなりません。
ちなみに画中でにやけた父親は画家本人なのだそうです。本人自ら悪い手本を見せるというこの作品、図録にも記載がありましたが、だからこそより高いリアリティーを生み出していると言えそうです。
第6章「風俗画」展示室風景
初めにも触れましたが、出品数は50点弱と、この手の大型企画展ではかなり少なめです。
上野といえば、もう一つの真珠を擁する西洋美術館のベルリン国立美術館展も話題ですが、そちらは北方やイタリア絵画との関係を素描から彫刻を通して横断的に提示しているのに対し、このマウリッツ美術館展は17世紀オランダ・フランドル絵画のみに焦点を当てています。
同じフェルメールを掲げながらも似て非なる二つの展覧会、ここは別々に楽しむべきものかもしれません。
ミュージアムショップ
なお速報記事でも触れましたが、ともかく本展はショップが極めて充実しています。
「青い日記帳」×マウリッツハイス美術館展コラボグッズ
定番の絵ハガキやクリアファイルから青い日記帳はじめとするコラボグッズ、さらには何と自転車へ至るオランダ関連商品までがずらりと揃っています。
ミュージアムショップ
これほどのスケールのミュージアムショップ、私自身記憶にありせん。思わず長居してしまいました。
さて早々から大変な賑わいと聞きますが、入場待ち時間の情報です。まず有用なのは公式サイトです。トップページで待ち時間が逐次更新されています。
「マウリッツハイス美術館展」公式サイト(@mauritshuis2012)
なお初日の土曜、また翌日の日曜ともに早速入場制限がかかり、10~40分程度の待ち時間が発生しました。
「美術手帖2012年6月号増刊/特集フェルメール/美術出版社」
初日から待ち時間が出来る展覧会など滅多にありません。幸いにも金曜日の夜間開館がありますが、この出足からすると、特に会期中盤以降は大変な混雑となりそうです。
【休室日の臨時開館と閉館時間延長のお知らせ】
・8月13日(月)は臨時開館。
・7月21日(土)~8月31日(金)の間は閉館時間を1時間延長して18時半閉館。
「マウリッツハイス美術館展:公式ガイドブック/朝日新聞出版」
まずは早めのご観覧をおすすめします。9月17日までの開催です。
「マウリッツハイス美術館展」 東京都美術館
会期:6月30日(土)~9月17日(月・祝)
休館:月曜日。但し7月2日、16日は開室。(7月17日は休室。)8月13日(月)は臨時開館。
時間:9:30~17:30 *金曜日は20時まで。7月21日(土)~8月31日(金)は閉館時間を1時間延長して18時半閉館。
住所:台東区上野公園8-36
交通:JR線上野駅公園口より徒歩7分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅7番出口より徒歩10分。京成線上野駅より徒歩10分。
注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
コメント ( 3 ) | Trackback ( 0 )