日本民藝館にて「特別展 食の器」が開催中です

民藝運動の推進者で、日本民藝館の創設者でもある柳宗悦は、まさに自身の提唱した「用の美」を体現すべく、生活に最も身近な「食」に関する様々な器を蒐集しました。



その柳の食の器を紹介する展覧会が、現在、駒場の日本民藝館にて開催されています。展示の内容について簡単にpen-onlineのアートニュースにまとめました。

日本民藝館『食の器』展で、柳宗悦の目線から豊かな暮らしのヒントを見つけよう。
https://www.pen-online.jp/news/design/shokunoutsuwa/1


今回の「食の器」で特に興味深いのは、柳が日頃、用いていた食器が多く展示されていることでした。それらは日本の地方窯や朝鮮の焼きものだけでなく、盟友の河井寛次郎や濱田庄司らの作品も含まれていて、「使いこなす」ことを重視した柳は、いわば器を育てるべく、積極的に使っていたそうです。よって使用痕のある器も少なくありませんでした。

この他、柳が敬愛を寄せていた侘び茶の茶器をはじめ、主に江戸時代を中心とした儀礼や饗応のための器なども出展されていて、さながら器を通して柳の審美眼を見るかのようでした。



また併設展として、国内の土瓶や朝鮮半島で使われた膳、さらに江戸時代の菓子箱や菓子型なども公開され、まさに館内は「食の器」で彩られていました。



日常の食生活を見つめ直すような展示と言えるかもしれません。やや蒸し暑い館内にて、備え付けのうちわで扇ぎながら、古いケースの中の食器を見やっていると、どこか柳の生きた時代にタイムスリップしたかのようでした。


9月1日まで開催されています。

「食の器」 日本民藝館
会期:2019年6月25日(火)~9月1日(日)
休館:月曜日。但し祝日の場合は開館し翌日休館。
時間:10:00~17:00。 *入館は16時半まで
料金:一般1100(900)円、大学・高校生600(500)円、中学・小学生200(150)円。
 *( )内は20名以上の団体料金。(要事前予約)
住所:目黒区駒場4-3-33
交通:京王井の頭線駒場東大前駅西口から徒歩7分。駐車場(3台分)あり。
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