◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「白い服とサングラスをかけた○○」って?

2010-07-28 19:59:56 | 言葉についてあれこれ
                               浮き輪の模様はドット
 先日、「とくダネ!」のナレーションで「白い服とサングラスをかけた○○」というのを聞いたのですが、聞いた瞬間、ほとんどの人が「ん?」と思うのではないでしょうか。でも、その疑問に対して、何がどうなっているのか考えてみるという人はそんなに多くないのかなぁ・・・<( ̄д ̄)>
 ○○は人の名前です。人垣の間にちらっと見えたその人は白い服を着てサングラスをかけていました。それで、ナレーションは「白い服とサングラスをかけた○○」ですよ、変でしょ?! ナレーションの原稿を書くのはだれなのかな? ナレーターって、初見で読んでいるのかな?
 こういう中途半端な日本語を本当によく見たり聞いたりします。「青ネギやラー油をかければ出来上がり」というナレーションで、画面を見ると、浅めの器に麺を盛り、その上に、豚骨ベースのスープで作った野菜たっぷりのあんをとろ~り、その脇に青ネギを一掴み添え、波線を描くようにあんの上にラー油をかけ、はい、出来上がり。
 青ネギは、上にかけたわけではなく、皿の端、盛った麺の脇にまとめてちょこんと置いた、ということは、「青ネギを添えてラー油をかければ出来上がり」ですが、手(言葉)を抜いて「青ネギやラー油をかければ出来上がり」ですよ。決まった長さに文字を無理やり詰め込んだ結果こうなったのか、それとも、この程度のセンスなのか。「添えて」なんてたった3文字、「着て」なら2文字でしょ( ̄д ̄)?!
 ところで、「とくダネ!」アナウンサーが「キャスティングボード」と言ったり、一般の人がテレビ局に送ったファックスに「キャスティングボード」と書いてあるのを見たりしたのでちょっと書いておきます。
 「キャスティングボート(casting vote)」、「ド」ではなく「ト」、「ボート(vote)」は、投票、表決、という意味です。議案の採決で賛否同数の場合や多数派の二つの勢力が均衡している場合、議長や少数派の決定投票で決まるわけですが、一般に、決定権を持つ、結果を左右するというようなことを「キャスティングボートを握る」と表現しますね。
コメント
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