◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「○○党が敗北をきしたのだ」って?

2010-07-25 08:52:50 | 気になる言葉、具体例
                                小魚も好きだもんね
 アメリカのどこかで行われた議員選挙に関する報道で、ナレーターが「与党民主党が敗北をきしたのだ」と言いました。明らかに「きした( ̄__)」と聞こえたのですが、「敗北をきしたのだ」は日本語として成立しません。もしかして「を」ではなく「に」?
 「きす」で考えられるのは「帰す」もしくは「期す」ですが、「帰す」なら「敗北に帰したのだ」で、「を」ではなく「に」ですね。例えば「水泡に帰す」はよく聞きます。そして、「期す」は、「勝利を期す」のであって、「敗北を期す」なんてありえません。
 多分、「与党民主党が敗北を喫したのだ」と言いたかったのではないかと思うのですが、「きっした(_ ̄ ̄)」とは聞こえませんでした。アナウンサー、キャスター、ナレーター、中継先でしゃべっているリポーター、記者、ディレクター、伝えることが仕事の人たちがとにかく変です。言葉そのものも、イントネーションも変ですから、本当のところは分かりません。原稿には何と書いてあったのかなぁ( ̄~ ̄)?
 「喫する」は、そうする事態になる、させられるという意味です。例えば「惨敗を喫する」、「惨敗」は惨めな負け方で負けること、ということは、力の差はあったのかもしれませんが、だからといって最初から負けるつもりで戦うわけもなく、勝つぞと意気込んで戦ったのです。それでもめためたにやられてしまった、「喫した」わけです。
 別の番組のナレーターも「3連敗をきした( ̄__)前田アナに」なんて言いましたよ。「を」で、「き」が高い音ですから、どうしても「期した」となるのですが、それだとおかしいですからねぇ。「3連敗を」と聞こえた時点で直感的に「喫した」だと思って聞くのですが、絶対に「喫した」とは聞こえません。全くどうなってるの?
 また、あるとき、「産科医のめぐみが一堂に会した」と聞こえて画面を見ると、魚やらキノコやら野菜やら、山海の恵みを集めて作ったおいしそうな料理が並んでいました。うまそうぢゃないくわぁ・・・( ̄¬ ̄) このように、ときどき画面とナレーションの食い違いに「へっ?」となります。( ̄_ ̄)ムムゥ
 ところで、木曜日の夜、継続捜査がどうたらこうたらいう新番組を見たのですが、プロがそんなにとろくてどうするんだ?!というシーンが連続して耐えられなくなり、もう少しで終わりというあたりでテレビを消してしまいました。あ~~~見て損した! プロがプロらしくないのは何にしても困ります。
コメント
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