立ってる!
多くの人が何だか分からなくなって少々困っている言葉がありますよね、「役に立つ」もそうではないでしょうか。ちょっと辞書を引いてみましょう。使ってみた結果、その働きが現れる、十分使える。「役立つ(やくだつ)」は自動詞、役に立つ。「役立てる(やくだてる)」は他動詞。「立って」を昔の金沢弁(能登もそうかな)で言うと「たちって」、幼い子に「立って」と言うときは「たっちしょ」でしたねぇ(⌒・⌒)。
「写真が何かお役に立てればと思って」は、「相棒」season13#14「アザミ」(脚本 太田愛)で登場人物の新宮 奏(しんぐう かなで)が右京に言ったセリフ。事件当時(15年前)に撮影された写真があるから見てほしいというわけですが、それは「写真が(真相解明の)役に立てばと思って」ですよ、「役に立つ」の仮定形「役に立てば」です。敬語にしたつもりでしょうけれど、日本語として成立していません。
例えば、「お役に立てればよいのですが・・・」と聞こえたとき、どういう状況を想像しますか? 「お役に立てず、申し訳ない」というセリフはたまに聞こえてきますよね、「相棒」でも米沢さんがたまに言います。言っている本人がだれかの手助けをすることになって、「(言っている本人が)お役に立てればよいのですが」ということになります。「役に立つ」→可能の「役に立てる」→仮定形の「役に立てれば」です。
あるとき、話し手が「お役に立てたいという気持ちがあり」と言ったのですが、これは「お役に立ちたい」と言うべきだとすぐに感じました。自分がだれかの役に立ちたいということを言うなら「お役に立ちたい」です。お金そのもの、情報そのものを差し出して「役立てる」という場合は「役立てたい」で、「お」は要りません。
「皆さんの意見をこれからの選択に役立たせていただきます」と書いたのは一般の人。「役立たせて」の基本形は「役立つ」ですが、「意見を」ですから「役立つ」は誤りで、「役立てる」でないといけません。「役立てる」を「~ていただく」の形にすると「役立てさせていただきます」となります。
「少しでも役立っていただければ」と言ったのは一般の人。「役に立ってもらわないと困るんだよ」と偉そうに言っている人を見ることはありますからね、「役立っていただく」なんて、言葉だけそれらしくしても謙虚には聞こえませんよ。「役に立ってくれる」なら私も言うことはありますが。どうしてもこういう意味のセリフが出る場面なら「少しでも役立ってもらえれば」と言ったほうがむしろ嫌味がないですし、できれば「少しでも役立ってくれれば」と言えばいいのではないでしょうかね。
「再生医療に役立てる情報がいっぱいある」とタレントが言ったとき、テロップは「再生医療に役立つ情報がいっぱいある」でした。再生医療に携わっている人が言うなら「役立てる情報」もありえますが、タレントが言うなら「役立つ情報」でしょうからテロップが正解。「役立てる情報」の場合でも、「再生医療に役立てるべき情報」もしくは「再生医療に役立てることができる情報」が自然です。
「我々のところに来ていただくのは十分お役に立てると思います」というのを聞いたときは、何を言いたいのかちょっと分かりませんでした。例えば、Aさんが我々のところに来れば、我々が、あるいは、我々のところにある何かが、Aさんの役に立つ、我々はAさんのお役に立てる、ということなら・・・、「我々のところに来ていただくのは有用だと思います」とでも言いましょうかね。
敬語でも、だれが上なのか、だれがだれに対して言っているのか、だれの行為なのか、聞いただけでは分からない、判別できないような言い方しかできないという状況になっていますが、何が(だれが)何の(だれの)役に立つのか、だれが何を役立てるのか、ちゃんと意識しないとちゃんと言えませんよ。
今日は石川県議会議員選挙の投票日なのですが、◇◇市とは違い、△△市は静かです。これまで、ポスターは見ましたが、選挙カーを一度も見ませんでした。もちろん、遠くにいるらしい音は何度か聞いたのですが、見えない。見たいけれど、見えない。選挙カーが回る頻度や密度が低いのでしょうかね。それに、何よりも、「○○を××の場に押し上げてください」といった必死さがまるでないのですよ。なんか、つまんない( ̄~ ̄)。
多くの人が何だか分からなくなって少々困っている言葉がありますよね、「役に立つ」もそうではないでしょうか。ちょっと辞書を引いてみましょう。使ってみた結果、その働きが現れる、十分使える。「役立つ(やくだつ)」は自動詞、役に立つ。「役立てる(やくだてる)」は他動詞。「立って」を昔の金沢弁(能登もそうかな)で言うと「たちって」、幼い子に「立って」と言うときは「たっちしょ」でしたねぇ(⌒・⌒)。
「写真が何かお役に立てればと思って」は、「相棒」season13#14「アザミ」(脚本 太田愛)で登場人物の新宮 奏(しんぐう かなで)が右京に言ったセリフ。事件当時(15年前)に撮影された写真があるから見てほしいというわけですが、それは「写真が(真相解明の)役に立てばと思って」ですよ、「役に立つ」の仮定形「役に立てば」です。敬語にしたつもりでしょうけれど、日本語として成立していません。
例えば、「お役に立てればよいのですが・・・」と聞こえたとき、どういう状況を想像しますか? 「お役に立てず、申し訳ない」というセリフはたまに聞こえてきますよね、「相棒」でも米沢さんがたまに言います。言っている本人がだれかの手助けをすることになって、「(言っている本人が)お役に立てればよいのですが」ということになります。「役に立つ」→可能の「役に立てる」→仮定形の「役に立てれば」です。
あるとき、話し手が「お役に立てたいという気持ちがあり」と言ったのですが、これは「お役に立ちたい」と言うべきだとすぐに感じました。自分がだれかの役に立ちたいということを言うなら「お役に立ちたい」です。お金そのもの、情報そのものを差し出して「役立てる」という場合は「役立てたい」で、「お」は要りません。
「皆さんの意見をこれからの選択に役立たせていただきます」と書いたのは一般の人。「役立たせて」の基本形は「役立つ」ですが、「意見を」ですから「役立つ」は誤りで、「役立てる」でないといけません。「役立てる」を「~ていただく」の形にすると「役立てさせていただきます」となります。
「少しでも役立っていただければ」と言ったのは一般の人。「役に立ってもらわないと困るんだよ」と偉そうに言っている人を見ることはありますからね、「役立っていただく」なんて、言葉だけそれらしくしても謙虚には聞こえませんよ。「役に立ってくれる」なら私も言うことはありますが。どうしてもこういう意味のセリフが出る場面なら「少しでも役立ってもらえれば」と言ったほうがむしろ嫌味がないですし、できれば「少しでも役立ってくれれば」と言えばいいのではないでしょうかね。
「再生医療に役立てる情報がいっぱいある」とタレントが言ったとき、テロップは「再生医療に役立つ情報がいっぱいある」でした。再生医療に携わっている人が言うなら「役立てる情報」もありえますが、タレントが言うなら「役立つ情報」でしょうからテロップが正解。「役立てる情報」の場合でも、「再生医療に役立てるべき情報」もしくは「再生医療に役立てることができる情報」が自然です。
「我々のところに来ていただくのは十分お役に立てると思います」というのを聞いたときは、何を言いたいのかちょっと分かりませんでした。例えば、Aさんが我々のところに来れば、我々が、あるいは、我々のところにある何かが、Aさんの役に立つ、我々はAさんのお役に立てる、ということなら・・・、「我々のところに来ていただくのは有用だと思います」とでも言いましょうかね。
敬語でも、だれが上なのか、だれがだれに対して言っているのか、だれの行為なのか、聞いただけでは分からない、判別できないような言い方しかできないという状況になっていますが、何が(だれが)何の(だれの)役に立つのか、だれが何を役立てるのか、ちゃんと意識しないとちゃんと言えませんよ。
今日は石川県議会議員選挙の投票日なのですが、◇◇市とは違い、△△市は静かです。これまで、ポスターは見ましたが、選挙カーを一度も見ませんでした。もちろん、遠くにいるらしい音は何度か聞いたのですが、見えない。見たいけれど、見えない。選挙カーが回る頻度や密度が低いのでしょうかね。それに、何よりも、「○○を××の場に押し上げてください」といった必死さがまるでないのですよ。なんか、つまんない( ̄~ ̄)。