全部私が食べるんです
「釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助」の第1話(脚本 佐藤久美子)が1月23日に放送されたのですが、営業三課の佐々木課長(吹越満)が「朝本さん、昔、社長の逆鱗に触れて、札幌支社に左遷させられたことがあるらしいんだけど」なんて言いましたねぇ。第2話では、佐々木課長と秋山営業部長(伊武雅刀)がこんな会話をしていました。
部長「社長のお怒りは相当なもので、翌日早々札幌行きの辞令が下りたというわけさ」
課長「しかし、なにも左遷させなくても」
部長「社長も若かったし、なにしろあの性格だろ? 信頼していた分、余計裏切られた気持ちになったんだろうね」
「左遷」というと「させられた」と続くパターンを聞くことが多いのですが、誤りだと気づかない人は日本語のセンスに問題あり。そのうえ「左遷させなくても」ですから完全に勘違いしています。社長が朝本さんを「左遷した」、朝本さんは「札幌支社に左遷された」です。「なにも左遷させなくても」は、社長が朝本さんを左遷したことについて話しているのですから「なにも左遷しなくても」と言えばいいのです。
不思議なのは、その後、朝本さん(武田鉄矢)自身が社長に向かって「私、左遷されて、今では、よかったと思っております」と言ったことで、左遷された本人のセリフは「左遷されて」なのですよ。ただし、台本にそう書いてあったのか、台本は「左遷させられて」だったけれど、武田鉄矢が「左遷されて」が正しいと気づいてそう言ったのか、それは分かりません。
「左遷」とは、低い官職・地位に下げること。「下げる」であって「下がる」ではないことを理解すればいいだけです。「下げる」の受身表現は「下げられる」でしょ、だから「左遷される」なんだってば! というわけで、1月10日に書いたばかりですが、また「させる」「される」「させられる」について書きます。
ますむら・ひろしの「アタゴオルは猫の森 7」(2004年7月発行)には「オレを船長にさせてくれーっ」というセリフが出てきます。ますむら・ひろしは早くから「させ」症候群を発症しているようです。船長を誰にするかということなら「オレに船長を決めさせてくれ」ですが、この場合はオレが船長になりたいのですから「オレを船長にしてくれーっ」と言わなければいけません。
「させ」症候群は「~ていただく」症候群と関係があるのですが、どっちが先に広まったのでしょうか。芸能人の「出させて(ださせて)いただく」は、「出させて(でさせて)いただく(出演させていただく)」もしくは「出して(だして)いただく」が正しいわけで、「だして」が「ださせて」になるのは「させ」症候群の症状とも言えます。さらに、「出す」と「出る」の区別もできていません。
「~ていただく」症候群の患者は、「○さんに来ていただく」と言うべきところで「○さんが来ていただく」と言う羽鳥慎一のように、前半「○さんが」の主体は「○さん」で、後半「来ていただく」の主体は「自分」というように、主体が一貫していません。「させ」症候群の患者は、主体が誰なのかを全く意識していません。「出す」のは誰なのか、「出る」のは誰なのか、全く考えていないようです。
池上彰は、「左遷される」なのに「左遷させられる」、「自宅軟禁の状態にされていました」なのに「自宅軟禁の状態にさせられていました」と言いますから、「される」を「させられる」と言うのが癖になっているようです。誰でも一つや二つ勘違いしていることはありますが、しょっちゅうテレビに出る人ですからね、変な日本語を連発してスーパースプレッダーになるようでは困ります。
昨年6月に放送された「池上彰 緊急スペシャル!」でも、ある財閥ファミリーの生活について話していたときに「(お坊ちゃまが)母親にお風呂に入れさせてもらってます」と言ったのですが、ネット上でも「子どもを風呂に入れさせパジャマに着替えさせ」という一般の人の記述を見ました。ちなみに、財閥のお坊ちゃまの入浴の様子は「星の王子 ニューヨークへ行く」のアキーム王子・・・( ̄・ ̄)ブフッ。
風呂に入れる(いれる)、風呂に入る(はいる)、風呂に入らせる(はいらせる)。「母親にお風呂に入れさせてもらってます」はどれにも当てはまらず、日本語として成立していません。正しくは「母親にお風呂に入れてもらってます」です。そして、「着替えさせ」はいいのですが、「入れさせ」は誤りで、「子どもを風呂に入れて」もしくは「子どもを風呂に入らせて」です。
まず、単純に「させ」症候群の症状が出て「いれる」が「いれさせる」になると考えられますが、「子どもを風呂に入れる」と「子どもが風呂に入る」を分かっていないことも原因でしょう。一人で風呂に入れる(はいれる)年齢の子どもに「お風呂に入りなさい」と言って入浴を促すのは「風呂に入らせる(はいらせる)」です。
以前、「館内に特別に入れさせてもらった」「何とか中に入れさせてもらいました」という例を紹介したことがありますが、「入れてもらった」か「入らせてもらった」が正しいわけで、みぃ~んな「入れる(いれる)」と「入る(はいる)」の区別ができていません。「プロデューサーが自分を出してくれる」「中にいる人が自分を入れてくれる」という感覚をすっかり忘れているようです( ̄д ̄)。
ところで、2007年1月30日にロンドのボトルチョコレート(コビトのボトルチョコレート)について書きましたが、先日、イオンで面白い物を見付けて買ってきました。カジエボア リキュールセレクション、ケースに12個入って1080円、原産国はフランス、輸入者はイオンリテール。おふらんすのボトルチョコですよ(⌒・⌒)。
「釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助」の第1話(脚本 佐藤久美子)が1月23日に放送されたのですが、営業三課の佐々木課長(吹越満)が「朝本さん、昔、社長の逆鱗に触れて、札幌支社に左遷させられたことがあるらしいんだけど」なんて言いましたねぇ。第2話では、佐々木課長と秋山営業部長(伊武雅刀)がこんな会話をしていました。
部長「社長のお怒りは相当なもので、翌日早々札幌行きの辞令が下りたというわけさ」
課長「しかし、なにも左遷させなくても」
部長「社長も若かったし、なにしろあの性格だろ? 信頼していた分、余計裏切られた気持ちになったんだろうね」
「左遷」というと「させられた」と続くパターンを聞くことが多いのですが、誤りだと気づかない人は日本語のセンスに問題あり。そのうえ「左遷させなくても」ですから完全に勘違いしています。社長が朝本さんを「左遷した」、朝本さんは「札幌支社に左遷された」です。「なにも左遷させなくても」は、社長が朝本さんを左遷したことについて話しているのですから「なにも左遷しなくても」と言えばいいのです。
不思議なのは、その後、朝本さん(武田鉄矢)自身が社長に向かって「私、左遷されて、今では、よかったと思っております」と言ったことで、左遷された本人のセリフは「左遷されて」なのですよ。ただし、台本にそう書いてあったのか、台本は「左遷させられて」だったけれど、武田鉄矢が「左遷されて」が正しいと気づいてそう言ったのか、それは分かりません。
「左遷」とは、低い官職・地位に下げること。「下げる」であって「下がる」ではないことを理解すればいいだけです。「下げる」の受身表現は「下げられる」でしょ、だから「左遷される」なんだってば! というわけで、1月10日に書いたばかりですが、また「させる」「される」「させられる」について書きます。
ますむら・ひろしの「アタゴオルは猫の森 7」(2004年7月発行)には「オレを船長にさせてくれーっ」というセリフが出てきます。ますむら・ひろしは早くから「させ」症候群を発症しているようです。船長を誰にするかということなら「オレに船長を決めさせてくれ」ですが、この場合はオレが船長になりたいのですから「オレを船長にしてくれーっ」と言わなければいけません。
「させ」症候群は「~ていただく」症候群と関係があるのですが、どっちが先に広まったのでしょうか。芸能人の「出させて(ださせて)いただく」は、「出させて(でさせて)いただく(出演させていただく)」もしくは「出して(だして)いただく」が正しいわけで、「だして」が「ださせて」になるのは「させ」症候群の症状とも言えます。さらに、「出す」と「出る」の区別もできていません。
「~ていただく」症候群の患者は、「○さんに来ていただく」と言うべきところで「○さんが来ていただく」と言う羽鳥慎一のように、前半「○さんが」の主体は「○さん」で、後半「来ていただく」の主体は「自分」というように、主体が一貫していません。「させ」症候群の患者は、主体が誰なのかを全く意識していません。「出す」のは誰なのか、「出る」のは誰なのか、全く考えていないようです。
池上彰は、「左遷される」なのに「左遷させられる」、「自宅軟禁の状態にされていました」なのに「自宅軟禁の状態にさせられていました」と言いますから、「される」を「させられる」と言うのが癖になっているようです。誰でも一つや二つ勘違いしていることはありますが、しょっちゅうテレビに出る人ですからね、変な日本語を連発してスーパースプレッダーになるようでは困ります。
昨年6月に放送された「池上彰 緊急スペシャル!」でも、ある財閥ファミリーの生活について話していたときに「(お坊ちゃまが)母親にお風呂に入れさせてもらってます」と言ったのですが、ネット上でも「子どもを風呂に入れさせパジャマに着替えさせ」という一般の人の記述を見ました。ちなみに、財閥のお坊ちゃまの入浴の様子は「星の王子 ニューヨークへ行く」のアキーム王子・・・( ̄・ ̄)ブフッ。
風呂に入れる(いれる)、風呂に入る(はいる)、風呂に入らせる(はいらせる)。「母親にお風呂に入れさせてもらってます」はどれにも当てはまらず、日本語として成立していません。正しくは「母親にお風呂に入れてもらってます」です。そして、「着替えさせ」はいいのですが、「入れさせ」は誤りで、「子どもを風呂に入れて」もしくは「子どもを風呂に入らせて」です。
まず、単純に「させ」症候群の症状が出て「いれる」が「いれさせる」になると考えられますが、「子どもを風呂に入れる」と「子どもが風呂に入る」を分かっていないことも原因でしょう。一人で風呂に入れる(はいれる)年齢の子どもに「お風呂に入りなさい」と言って入浴を促すのは「風呂に入らせる(はいらせる)」です。
以前、「館内に特別に入れさせてもらった」「何とか中に入れさせてもらいました」という例を紹介したことがありますが、「入れてもらった」か「入らせてもらった」が正しいわけで、みぃ~んな「入れる(いれる)」と「入る(はいる)」の区別ができていません。「プロデューサーが自分を出してくれる」「中にいる人が自分を入れてくれる」という感覚をすっかり忘れているようです( ̄д ̄)。
ところで、2007年1月30日にロンドのボトルチョコレート(コビトのボトルチョコレート)について書きましたが、先日、イオンで面白い物を見付けて買ってきました。カジエボア リキュールセレクション、ケースに12個入って1080円、原産国はフランス、輸入者はイオンリテール。おふらんすのボトルチョコですよ(⌒・⌒)。