◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「父が相続を考えていて」って?

2016-05-01 08:56:48 | 言葉についてあれこれ
                                  クルミのことを考える

 三菱東○U▽J銀行のCMで石原さとみが「父が相続を考えていて」と言うのですが、お父さんは死期が近いのか? 「相続のことを」とか「相続について」とか言ってくれたら、もうちょっと先だけど早めにきちんと準備しておきたいのだなぁと思うだけなのですがねぇ。そんなギョッとするセリフを言わされて、それでも、石原さとみは若いから何も感じないのかな?
 「前の不正と比べないと」は「直撃LIVE グッディ!」で見たテロップですが、このとき話し手は「ふせい、しせい」と言ったので、「府政、市政」だ、「不正」ではなく「府政」だとすぐに分かりました。それで、さすが安藤さん、後でちゃんと謝りましたよ。「市場を他国と競合する」は「金曜プレミアム・池上彰緊急スペシャル!!」のテロップですが、なぜ「市場で他国と競合する」と書けない?
 「1番難しかった」は「イッピン」のテロップ。「最も」という意味なら「いちばん」ですよ。公用文とか、字数制限があるとか、それなら「一番」でもいいですが、「1番」はバカっぽいから本当にやめてほしい。「4件目の病院へ」は「ためしてガッテン」で見たテロップ。家や店舗、施設は、1軒、2軒、なのに「件」と書いてあるのを最近よく見掛けますね、NHKの番組でも「軒」と「件」を区別できない!?
 「牛肉の5倍も値段がする高級食材」は「世界の日本人妻は見た!」で見たテロップですが、「値段が牛肉の5倍もする高級食材」でしょ。「生地にリコッタチーズ入り」は「世界行ってみたらホントはこんなトコだった!?」のテロップですが、「生地に」なら「リコッタチーズが入っている」と書いて! 長すぎる? それなら「生地はリコッタチーズ入り」か「リコッタチーズ入りの生地」でしょ。
 「スパイスの使いが決め手!」は「王様のブランチ」で見たテロップですが、何という中途半端・・・( ̄д ̄)! 「王様のブランチ」だから、本当は「スパイス使いが決め手!」と書くはずだった、なのに、ちょっとミスして余計な「の」が入ってしまった? 普通は「スパイスの使い方が決め手!」ですけれどね。
 「所さん!大変ですよ」で、「地域の歴史そのものをいっぺんに奪い去ってしまうと」というテロップが出て、続いて出たのが「そういう悪質 かつ卑劣な犯行」だったことがあります。話し手は、「地域の歴史そのものをいっぺんに奪い去ってしまうと・・・、そういう悪質、かつ卑劣な犯行」と言い、少し後にまた「押収するに至らなかったと」と言いましたから、「~ということで」を省略して「~と」までしか言わない、そういう言い方が癖になっているようです。
 「そういう・・・」と続けるのに、なぜ「奪い去ってしまうと」と書くのでしょうかね、「と」が余計です。いちばんすっきりするのは「地域の歴史そのものをいっぺんに奪い去ってしまう悪質かつ卑劣な犯行」ですが、1回で出せる文字数の都合があるのでしょうか、それなら「奪い去ってしまう」と書いて、次に「そういう悪質かつ卑劣な犯行」と書けばいいのです。
 会議の録音を聞くと、「~と」までしか言わない人がけっこういます。それが癖になっている人はいつもそういう言い方で、そのままではきちんとした文章にならないのでいちいち修正しなければならず、かなり面倒なのですよ。現実には、こういう余計な「と」をちゃんと削っている作業者はほとんどいませんが、少し後に「と」は余計だと感じるはずですよ、それでも、修正するのは無理なのですか?
コメント
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